日本車とドイツ車の違い

なぜか凄い勢いでドイツ車シェアが増えた我が家。先月まで100%国産だったのに、3月で一気に66.7%までシェアが上昇。ようは3台中2台がドイツ車になってしまいました。実際所有してみると色々と新しい発見があったので、それをメモ。

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ドイツ車をみて、改めて日本車すげーって思ったのは鉄の使い方。正確には鉄板の使い方。日本車ってなんでも鉄板をプレスして作ってないか?ということ。

例えばドアヒンジ。VWにしてもBMWにしても無垢の金属を削りだして使ってます。が日本車は鉄板をプレスしてL字金具に加工して使います。当然ですが耐久性に差がでてきて、いずれL字金具は変形し、ドアが下がります。

例えばサスペンションアーム。MINIのリアサスはどうもアルミの鋳物をつかっているようで、さらにリブが入って見た目からしてがっしりしてます。一方の、例えばホンダシビックタイプR(EK9)ではリアサスアームはやっぱり鉄板をプレスしたもの。プレスで凹凸がついているのですが、この凹凸の向きが面白い。左側は進行方向向かってでっぱっているとすると、右側は進行方向に向かって凹んでます。つまり左右でまったく同じパーツを流用しているんですね。そのため形的には左右で対称でなくなってます。

日本車ばかりみていると、鉄板をプレスしたパーツばかりでそれが普通だと思っていたわけですが、いざドイツ車をみると随分とよくもまあ、そこまで鉄板で作っているよなと感心するばかり。鉄板で作っているから材料もすくなく、軽くできるし安くもなる。で実際の走りはどうかというと、まあこれで十分なわけですよ、実際問題、レースとかするわけじゃないから。ただ質感は当然損なわれるわけで、ドイツ車がしっかりしているというのもうなづけます。

じゃあ世界的にみてどちらが求められているの?ということを考えると、トヨタが世界一になろうとする昨今を考えると自明で、マーケットのニーズは明らかに日本車的、リーズナブルな作りが求められているわけです。

じゃあ実際ドイツ車が日本車を真似て、ドアヒンジやサスペンションアームをぺらぺらの鉄板からプレスして作るかというとおそらくそれはないでしょう。これは品質に対するコダワリはもちろんありますが、やはりお国柄。高速で走れば短時間でつく、という高速移動の手段として車が有る限り、200km/h巡航をリラックスして実現するためには無垢の鉄の塊から削りだしたパーツを使うなどして剛性をきっちりと確保する必要があるからです。

日本やアメリカが高速移動の手段として飛行機や高速列車が発達しており、車がシティコミューターで制限速度も厳しい環境とはやはり違うわけですね。

お国柄の違いが、ものづくりの考え方によく表れてます。

続く・・・かも