スーパーハイコンプロ(Super HCM Pro) 1/144 MS-06S シャア専用ザク 開発裏話

スーパーハイコンプロのコンセプトは最高の技術をギュウと凝縮して、1/144スケールに押し込めるというのもの。1/60パーフェクトグレードに採用された技術を1/144に入れるわけなので密度や作り込みはもの凄く、スケールを超えた存在感がでてきます。第一弾であるナナハチ(RX-78のことをバンダイの方はこう呼んでました)は好評でコンスタントに売れているそう。はやりオープンハッチにコアファイター完全変形、フル装備が受け入れられました。年に一体づつ投入していく予定で、今年は例外的に2体出すそうです。

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今回のザクは「兵器密度を高める」というコンセプトを元に、マーキングは100箇所以上、メンテナンスの雰囲気を出すために腕分離、ケーブル接続をするという仕掛けを入れています。ケーブルは20種類以上を試して厳選。気になる量産型ザクについては現在検討中ということで、ニュアンス的には次は量産型かなあ、といったところでした。実際、メンテナンスドックは前後に接続できるような設計になっていて、たくさん買ってくっつけることができます。シャア専用が複数台あってもおかしいですからね。


そんなスーパーハイコンプロの元祖はもちろんハイコンプロ(HCM Pro)。


ハイコンプロは1/200スケールで、すでに250万体出荷した人気商品。スケールは他とかぶらないように設定していて、売れ筋はやはりファースト(一番最初のTV版「機動戦士ガンダム」のことを通称ファーストと呼んでいる)。ターゲットユーザーは積みプラしている人や、忙しくて、ガンプラ製作を諦めている人。気軽に買って、楽しんでもらえればという思いからリリースしたもの。また1/200スケールでコンパクトなのでコレクションにも最適とのこと。もちろん組み立て済みの完成品「ガンプラ」とならないようにという配慮もあります。

ターゲットユーザーは従来のコアなファンだけではなく、ちょっとガンダムという名前を知っているけどよくわからないというライトなユーザーを想定しているそう。ライトユーザーを獲得するために模型店以外での展示、販売に現在チャレンジしています。その一環で、現在秋葉原有隣堂で「ハイコンプロギャラリー」を開催中。

バンダイ <ハイコンプロギャラリー>

今までに発売されたハイコンプロ全点の展示(貴重な限定品を含む)や、迫力あるジオラマの展示をいたします。

3/8(土)発売の「S-HCMPro MS-06S ZAKUII」も一足先に展示されます! もちろん、商品の販売もあります。 また当店にて対象商品をお買い上げの方には、先着にて「ハイコンプロカタログ」を差し上げます。

これは必見ですよ!!

現状平均年齢は35歳くらいで、20代~30代がメイン。模型雑誌をみない層を開拓したいので、人が多くあつまる繁華街で気軽に入れる店舗での展示を検討しています。その初めてのケースとして書店「有隣堂」での展示とのこと。たださすがに街は選んで「秋葉原」としたそうです。こういう地味な活動が5年後、10年後効いてくるんですよね。

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ハイコンプロでは「ハイνガンダム」が人気。ファンネルが飛び、ポーズをとって箱に入っていて、箱までこだわってます。特にS(エス)ハイコンプロの箱には明り取りの窓まで設置していて、中を見せる工夫をしてます。

また最近の試みとしては新しい塗装への挑戦があります。SPサザビーはメタルコーティングで、塗装技術の進化をフィードバックし、これも売れました。また陸戦ガンダムでは汚し塗装にチャレンジ。飾り方が従来と変わってきて、より情景的に見せることもできるようになります。まさにモデラーが工夫してきたことまでチャレンジしていますね。


さて、このハイコンプロ、ガンプラを作っているのはどこでしょう?


ガンプラは静岡ホビーセンターのガンプラ専用工場で生産中。この工場は大人気で、工場見学募集は50人枠のところ、5000人応募するくらい。もう抽選も大変。

一方組み立て工程が入るハイコンプロは海外生産。しかし完成度をあげるために、幾度となく工場へ足を運び、立会いをすることで精度を上げ、生産のバラツキをなくす努力をしてます。

特に陸戦ガンダムでは「汚し塗装」がキモ。ガンプラ作りの名人にして現在はバンダイ勤務の川口克己さん自らが汚し塗装の見本を作るのはもちろん、「汚しが足りない」「見本」「汚しすぎ」の3種類を用意して比較することで、汚し度合いを一体一体チェックしているのだとか。ここまで来ると量産というより、まさに手作りといっても過言ではないでしょう。


ガンダムは顔が命。


試作ではうまくいってるのに、いざ金型から出てきたものはどうもパっとしないということもあるそう。そんなときは金型を2種類用意して、いい方の形を採用するのだとか。金型はとても高価なのにもこういったところを惜しまない姿勢には感服します。というより、やっぱりガンダムも人形と同じく、そこまで顔が大事なんですね。

コストをかける一方、原材料費が上がっている最近の情勢を照らし合わせるとコストダウンもしていかなければなりません。塗装の一工程を省くなど、細かく努力しているそうです。今回のスーパーハイコンプロも試作よりも塗装工程を省いてコストを抑えています。

海外でのガンプラ事情ですが、アジア各国、タイ・香港・中国などでガンプラ教室やガンプラコンテストを開催することでモデラーを養成すると、プラモデル業界全体を盛り上げています。まだまだ物価に対してガンプラが高価で、モデル作りという趣味の啓蒙活動からはじめないといけない状況です。一方でヨーロッパ展開はまだで、というのもニッパを使うため安全性の問題があるから。

日本ではプロショップ制を開始して、マイスターを養成しています。やはり同じく模型業界を育てるという一環から。マイスターは講習会に参加しなくてはならず、川口名人からの指導を受けます。

川口克己のお気楽な日々: そして・・・プロショップ講習会

3/4:東京、3/13:名古屋、3/14:大阪 というスケジュールで プロショップ講習会を行うことになっている。 昨年7月に続く第2回講習ということになるのだが マイスターさんには登録時に18ヶ月の間に講習会に参加すること・・・ というのが登録条件のひとつとしてあり 前回参加出来なかったマイスターさんに向けた 補講というのが実際のところだったりする。

遠野のおもちゃ屋さん:ガンプラマイスター - livedoor Blog(ブログ)

実はわたくし…ガンプラマイスターなのです

ガンプラマイスターというのは、バンダイホビー事業部公認 MG・HGUC・HCMプロ取扱店にいるバンダイホビーのアドバイザー的な販売員。
ガンプラ界では有名な川口名人に直々の講習を受けて、去年からガンプラマイスターとして頑張ってます

マイスターは専用のエプロンを装着しているのでわかりやすく、その人にガンプラ作りのことを聞けばなんでもわかるようにと配慮されているそうです。今度おもちゃ屋にいったらチェックしてみたいですね。マイスターというからには、もちろんセリフは

「オレが、ガンプラだ」

ですよね。


さて、次のハイコンプロは何が出るんですか?という質問に対してはもちろんヒミツ・・・との答え。しかしまだボールがないということで、ボールのリクエストも多いそう。パーツ数が少なく、ガンプラでも2体セットで出ているくらいなので、是非2体セットで出して欲しいですね。

また最近情景モノがはやっているということもあり、ジオラマベースや小物など1/200スケールのものを出して欲しいとのこと。というのも1/200スケールというのはなかなか他にないので、流用が効かないのです。

買ってすぐに遊べるハイコンプロなら、色々な小物と合わせて情景を作ったり、名シーンを再現させたりと遊ぶことができるので是非「武器セット」ならぬ、「情景セット」という小物集を出してほしいです。ジャブローでGMにくっつけたプラスチック爆弾、エレカーってのはどうでしょう。トレーラーも欲しいですね。

今後も益々広がりを見せるガンプラに完成品のハイコンプロ。

これでバンダイはあと10年は戦える・・・

50歳になっても「ガンダム! ガンダム!」といい続けていられそうです。

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合わせてナナハチもどうぞ!!
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