TV版ガンダムが素晴らしい件

今日は刀削麺が有名な中華料理店で夕食をとりながら熱くガンダムを語ってしまいました。

本日のお題。いかにTV版が素晴らしいか。

俗に言う「ファーストガンダム」というのはTV版で放送された最初のガンダム43話を編集、新作カットを加えて再構成された映画3部作が最も良く見られています。これはTV版がビデオなどで販売、レンタルされていないが故におきた結果であり、逆に洗練されコンパクトに宇宙世紀の世界観を吸収できる教材となっています。

しかしガンダムの魅力はTV版にあり。

映画版ではよりリアリティを出すため、といっていくつかの設定を変更しています。

- Gアーマーを無くし、コアブースターへと置き換え
- 宇宙でガンタンクを出すのをよしとせず、ガンキャノンを2機体制へ

そのほか細かいところではドズル、スレッガーの声優が変更されていて、TV版スレッガーの声優さんがドズルをやっています。

リアリティを追求するためにコアブースターを出したのは良いのですが、ソロモンで登場するドズル操るビグ・ザムではおかしなことになってしまいました。というのは先行するビグ・ザムにガンダムが単体で追いついてしまったのです。

TV版ではスレッガーがアムロに合図し、Gアーマーと合体してビグ・ザムへと追いつきます。これはそもそもGアーマーがサポートメカとしてガンダムの航続距離を伸ばす、高速で移動するモビルアーマーの形態をとる、分離後は支援戦闘機としてバックアップするという役割があったという設定が生きた好例です。しかしコアブースターにすることによって「合体」というオモチャちっくな設定を排除してリアリティを追及したはずが、ここで逆にリアリティを失ってしまったのでした。もしこれが合体を排除するのではなく、よりリアルな合体や、キャタピラが戦車のような砲身を無くしてよりリアルな航空機のデザインとしたならばこの矛盾は生まれなかったはずです。これは製作者側の「おもちゃ会社アレルギー」、おもちゃ会社から「戦車のような飛行機をだして、合体させろ」という支持への反抗だったわけです。

いくらモビルスーツというSF的設定を持ち込んだとはいえそもそもロボットアニメであり、ガンプラが売れることで収益があがり、それを使ってまた次回作を作るというポジティブスパイラルを形成しているアニメ製作の現場では、ロボットアニメの呪縛からとかれることはありません。製作側のちょっとした抵抗で確かに映画版の完成度はあがっています。絵も綺麗です。しかし「戦車のような飛行機を出して、合体させろ」という理不尽な要求の中で精一杯リアリティを追求した結果、Gアーマーに合体することでガンダムがビグ・ザムに追いつき、倒すという名シーンが生まれるわけです。

ワイルドな魅力、オリジナルを知るにはTV版ガンダムを見るしかありません。映画版はファーストにあって、ファーストにあらず。

TV版ガンダムでは戦争という状況に置かれた個々人の苦悩とともに、「ロボットアニメの殻を破ろうとして破れない製作側の葛藤」を楽しむことが出来ます。

製作者の苦労、裏事情はこちらに詳しいです。

ガンダム者―ガンダムを創った男たち
Web現代「ガンダム者」取材班
4063301818

ビバGアーマー。

GUNDAM FIX FIGURATION # 0004 Gアーマー
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