のまのしわざ:Computer History Museum: コンピュータといえばコンピュータゲームの続き。
CRAYなどスーパーコンピュータが科学計算の極みで、ファミリーコンピュータがコンピュータゲームの極みだとすると、現在のWindows PCの隆盛の始祖がこのAltoです。
誰ですか、NECの PC-100みたいだね、とか言ってる人は。縦型ディスプレイとマウス標準装備という点では同じでATOKの元が入っているという点で素晴らしいですが、当然まねっこです。
Altoが素晴らしい点はあちこちで語り尽くされていますし、私もアラン・ケイやテッド・ネルソンに啓発されてこの業界に入ってしまった位、影響力のあるマシンです。
ざっと特徴をあげれば
- GUIの導入
グラフィカルユーザーインターフェースを発明。
- マウスの導入
3ボタン式マウスを発明。
- オルガン式5キーボードの導入
こちらは写真左になりますが、未だ一般化されずに終わったものです。Altoでも失敗はあるのです。
- ソフトウェアの革新
ハイパーテキストの概念、そしてオブジェクト指向プログラミング言語SmallTalkの開発
などなど。ハードウェア的にも、ソフトウェア的にもすべてが革命的で、その後のPCやソフトはこのAltoを如何になぞり、再生産して普及させるかにかかっていたといっても過言ではありません。発明後30年を経てようやくほとんどがWindows95/98/XPを通してオフィスに、家庭の机上(デスクトップ)に行き届きました。その点でビル・ゲイツは素敵です。
アラン・ケイが90年代に言ったことで印象的だったのが「100MIPSの性能があるPCのうち、90MIPSはユーザーインターフェースに割かれるべきだ」です。当時数MIPSしかないPCの時代ですから、90MIPSのユーザーインターフェースかよ!と思われたものですが、今では軽く100MIPSなんて超えています。肝要なのは、CPUパワーのうち90%はユーザーインターフェースに割きなさい、というところでしょう。
テッド・ネルソンがHTMLをみて「これはハイパーテキストではない」と一蹴しました。ハイパーテキストとは「双方向リンク」であり、ページ中のどこの位置かリンクされているかをも記録するものですから、HTMLはページ単位で片方向リンクという点で非常に簡素なものです。トラックバックは双方向リンクを実現できる良い方法だとは思うのですが、言及リンクがなければやっぱり片方向だし、まだまだこの分野は未来がありますね。