日本語的な意味ではなく、JASRACの定義する楽曲について考えて見ます。
商用音楽としてCDに収録され、流通に流された楽曲はそれぞれトラックというもので1つとカウントされます。1楽曲=1トラック。例えば1CD1トラックで74分だった場合でも、200トラック入っていて1トラックあたり20秒だったとしてです。
さらにこの楽曲、音楽の種別など問いません。つまりクラッシックだろうが、ポップスのようなボーカル入りの音楽でも、効果音(SE)やBGMでも区別していません。またドラマCDのように声優がセリフを話し、テーマ曲、SE、BGMが混在しているものでも1トラック=1楽曲の扱いです。正確にはJASRACのいう管理コード=1楽曲となるのですが大抵の場合は1トラック=1管理コードですので。
書籍では引用という2次利用の仕方が社会通念的に許されています。最近では(賛否両論ありますが)漫画の引用も著作権者の許諾なしに許されることが判例となりました。
同様に楽曲の一部を引用して紹介したり、持論を展開することをやってみようとしたときに前述のような制限により実際には不可能です。ここでいう楽曲とはドラマCDのようなSE, BGMが混在しているもので、具体的にはSEを紹介したく、「この効果音がこの場面でこのような使われ方をして、ドラマを盛り上げている」というような説明をしたいと考えた場合にはオリジナルのSE以外、表現のしようがありません。仮に自分で似て非なる音が作れたとしてもそれは別のオリジナルですし、そうしたらそもそも著作権者に許諾を得る得ないもないです。残念ながら現在のJASRACの枠組みではこのような利用形態は考慮されておらず、楽曲の全部だろうと一部であろうと同じ扱いなので、数秒だから許されるといった例外規定もありません。
ドラマに利用されていたSEを人に紹介したい、褒めたいと思っても現在の枠組みでは引用をすることが出来ず、諦めざるを得ません。
ブログは引用をうまく使うことでコンテンツを増殖することに成功した事例です。単一の情報を元に情報を加えて新しい価値を作り出し、それらがトラックバックでつながり合うことでスピーディに広がりました。音でも引用といった枠組みがあれば、同様のpositiveな効果が期待できると思います。