海外留学

先日から息子がニュージーランドへ11カ月間の留学に旅立ちました。

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この際なので、ちょっと振り返ってみます。

英語教育については色々な考え方がありますが、うちでは基本的に母国語をしっかり身に着けたうえで行う、という方針でした。そのためいわゆる早期英語教育は一切行わず。それどころかいわゆる「英才教育」でありがちな幼稚園に上がる前に文字を教えることもせず、本当に文盲の状態で小学校に入学しています。

これは当時シュタイナー教育でヒアリングを重視していたことから由来していて、絵本の読み聞かせなどで目で情報を追わせないといった配慮から来ているものと思われます。

もともとどちらかというと喋りたがりなタイプでしたが、そのおかげかよく喋る喋る。一方で文字はというと小学校の教育でおそわり、漢検をゲーム感覚でやったりするなどで普通に使えます。早期英才教育の弊害も昨今言われますけど、まあそれとは無縁でした。

さて日本語はそんな感じでいいとして、問題は外国語です。私自身が英語で苦労した体験から、早いうちに外国体験はした方がいい、留学はした方がいいだろうと考えてそのきっかけを探していたところ、ちょうどマレーシアに在住していた知人がいたのでそこへ家族で旅行することになりました。これが彼の初の海外旅行です。

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そろそろ子供を連れて海外にいってみよう - のまのしわざ

あれ、たった5年前だった。

その後は同じくマレーシアにF1観戦に。

英会話スクールには当時からボチボチ通っていたのでそんなに違和感はなかった模様。そして中学生になったときにそろそろ留学を考え始めました。もちろん親である私が。

とはいえ中学レベルの英語ではコミュニケーションもまだまだ取れないし、本格的な海外留学は費用も大変。まわりの帰国子女や外国人、インターナショナルスクールに通う子の親御さんにヒアリングをして、とりあえず夏休みにインターナショナルスクールで開催されるサマーキャンプに突っ込むことにしました。

今考えると無茶苦茶な話です。

というのも私自身いったこともみたこともない国、インターナショナルスクールをウェブページだけで選ぶんですからね。

結局仕事に関係しそうなシンガポールのカナディアン・インターナショナルスクールに決定し、1週間、午後の4時間を色々なスポーツを楽しむプログラムを選択しました。

というのも彼自身は体を動かすのは好きだし、どうせ英語の授業とか嫌がるだろうし、1週間程度では効果はないだろうし、それならやっぱりボディランゲージを主体としたスポーツで英語に触れあった方がいいだろうという考えからです。

これは私があまり英語が喋れないときに行ったスノボの体験からきてます。

留学して数カ月のとき、スノボを生まれて初めてやろうとスクールに入ったんですが、その時の英語が非常に分かりやすかったんです。もちろん難しいことを言わないというのはもちろんですが、言葉と体がシンクロして覚えることができるんですね。この時英語は勉学ではなく、むしろスポーツに近いんだと確信しました。

サマーキャンプへの投入 - のまのしわざ

最初は怖気づいていかないといってたものの、一度いったら他の日本人の子が自分より喋れなかったとか、韓国人の子がアニメマンガネタで絡んできたりとか、言葉が通じないことでのビハインドはあまり感じなかったようです。最後にはホテルから一人で電車とバス乗りついで通ってました。

次はどこ行きたいと聞くと「もうアジアは飽きた、アメリカがいい」とのこと。

ではといって連れて行ったのがもっとも近いアメリカ、グアムです。

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グアム親子旅行 - のまのしわざ

彼はサイクリングが好きなので、レンタサイクルを借りて1日中グアムを漕いで回ったのがいい思い出。

そうこうしているうちに中三になり受験です。

大切なことを言い忘れていました。うちの家では「勉強しなさい」といったことがありません。理由は簡単でいったところで、

うるせえ

と思われるだけで勉強するはずもなく、むしろ反抗するために勉強をあえてしない、となりそうです。

なのでむしろ「嫌いなら勉強しなくていいよ、高校もいかなくていいよ。その代わり働いてね」と言い続けていました。すると、

「今時高校くらいいかないとダメでしょ」

というわけです。まあ高校にいくなら自分の成績でいける、私立の高校でいいでしょ、その分の授業料は払うよと言ってたわけですが、これも反抗したのでしょうか。

「努力もせず行けるところには行きたくない」

え? 勉強してないのに、大丈夫か?

11月まで志望校が定まらず、ついに決めた志望高校は偏差値でいえば20くらい上の雲の上の存在。

手遅れじゃない?

しかし本人はそこしか行きたくないというわけですが、先立つ偏差値が足りません。慌ててドーピング、塾投入。でもねえ、普通その高校、中学入ってから3年間かけて準備するほどのところで、最低でも1年は準備しないと間に合わないでしょう。

そんなこんなで1月になり、2月になり。

滑り止めの私立高校に落ち、

「もう落ちるの、イヤなんだよ」

と泣き言をいって志望校をかえてもいいかとLINEで聞いてきた息子。

親としてはどちらでも良いんだけど、ここで親がいうと一生恨まれることは確実。なので本人が考え決断することが大切ということであえての「既読スルー」。

するとその数時間後、志望校はかえずそのまま受験すると。よく決断した。

一方この時点で親としては落ちる準備を整えていくわけです、いやマジで。

3月の春休み、落ちて傷心になっているはずなので、旅行もかねて海外短期留学チャンス。場所も「ハワイ」とリゾート気分で楽しいアクティビティと留学体験で気持ちも新たに私立高校で頑張ってもらおうと思ってました。

そしたら受かっちゃった。

え?

どれほど落ちる準備してたかというと、どうせ落ちるだろうからと一人で合格発表を見に行ってたくらい。ところが受かってたもんだからあわてて親が入学申し込みに後から駆けつけたほど。

さて、すでに申し込んでいたハワイの短期留学。料金が高くて、というか相場なのですけどとにかく親としてはすごくお財布が痛い。めっちゃ痛い。その痛い財布の中でそれなりの収穫があればと思ったら、どうも様子がおかしい。話をきくとその留学、周りの子は全然英語できないし、通訳が帯同して

「日本語でオケ」

という雰囲気だったそうだ。海外に来た意味がないとご立腹。こっちとしては高いお金払ったのにそれかよとガックリ。しかしIB体験ができたりと、彼自身の経験値向上には役立ったのだろう。

春休みの前半、高校の入学説明会に出席したところ、驚いたのが入学前の春休みなのに宿題がでること。しかも大量。英文のレベルは入試以上。確かに外国人、帰国子女も含めて同じ宿題をやるというのでそれくらいの分量とレベルなのはわからんでもないが、私もわからん、よめん、時間がかかる。

その入学説明会であったのが高校時代に受けられる留学プログラムの案内。10以上も紹介され、その中で費用的、期間的に魅力的だったのが今回行った留学プログラムだったというわけです。

なにせ東京都主催だから費用が安い。しかもその高校からは毎年数十人が参加しており、非常に一般的。その時も留学に行ってる生徒がたくさんいて、スライド(留年)しているので特別に感じません。

なので早速「これ(この留学プログラム)なんてどう?」と聞いたら、意外にも素直に

「いいよ、どこにでも行く」

との答え。そして自らの意思で応募、選考をくぐりぬけ合格。半年の研修を経てようやく出発したという流れでした。

研修が多く、課題もたくさんでて、しかも理不尽かつやり方に疑問、赴任先は自分では選べないなどすべてが順風満帆ではありませんでしたが、行ったからには最大限頑張ってもらいたいものです。

とりあえず先輩方の話をきいて、英語脳になるためにiPhoneとWindowsといったOSの言語選択は英語に変更。

そして家庭内LINEも出発と同時に公用語が英語になりました。マジか。日本人なのに英語話すって、楽天みたい。

スイッチが入ると集中、ストイックに努力するようです。高校に入ってから成績を気にして試験勉強とかちゃんとするし、親としても見習おうと私も頑張ってます。しかし徹夜、不眠不休は老体にはつらい。

それはともかく、規定により11カ月会うことが許されていないので、帰国したときの成長が楽しみですね。