Dyson Cu-Beam 新しいオフィス向けのLED照明

昔、街の電気屋さんで販売実習していたことがあります。時代は家電、PCブームでノジマ、コジマなど量販店が大量出店して当時でも街の電気屋さんはかなり押されていたと思います。安さで考えたら圧倒的に量販店が有利で、それでも商店街にポツポツと残る電気屋さんはなにで儲かっているのだろうと不思議でした。

あるときその謎が解けました。

街の電気屋さんは、照明器具で儲かっているのです。具体的には蛍光灯。

蛍光灯はその本体はシンプル、蛍光管もとりつけるだけと作業が簡単なのに、圧倒的に利益率が高いのでした。重くて利益率の低いTV(当時はブラウン管)や、重い冷蔵庫に洗濯機、エアコンに至っては重い上に配管が面倒で数がこなせません。

その点蛍光灯は、例えばアパート1棟すべてに入れるとなったときにちゃっちゃと取り付けられて数がこなせ利ザヤ確保できる、とてもよい商材だったのです。

LED化の波

あれから20年。

LEDの普及により白熱球は廃止され、蛍光灯もLEDへとシフトしています。蛍光灯をLED化するレトロフィットなものもありますが、実際には発光の仕方が全く違うために効率的とはいえません。理想的なのは器具からすべて見直すべきでしょう。

その命題に真摯に取り組んだのがDyson Cu-Beamなのです。

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オフィスに最適化されたDyson Cu-Beam

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LEDという特性をいかして新設計された照明器具の形は独特。サスペンション(懸架)式でデスクに直接光と、天井に反射させる間接光で部屋全体ではなく、デスクを集中的に、まんべんなく照らします。

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光を制御するのはこのシャッター。これをつかい直接光と間接光を制御、デスクの大きさに合わせて調整することが可能。

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光の心臓部はLEDが1チップのみ。巨大な1チップLEDを使うことで色の変化のない、一様な光をまんべんなく照らすことが可能になったとのこと。

ところがここで問題となるのが熱の問題。これだけ巨大なLEDは発熱も相当なもの。それを冷却するには冷却ファンを使うこともできますが、そうするとファンの騒音問題が発生します。

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そこで巨大ヒートシンクとヒートパイプを使うことで、無音の冷却システムとしました。これはデザインにも大きく寄与しており、独特の印象を与えています。

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ある意味、デロンギのオイルヒーターのようなちょっと変わった暖房器具のような印象です。

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すっきりとしたデザインで新しいオフィスにはピッタリ。

フリッカーのないLEDを使っただけではなく、サスペンション式としたために光源が手前にくることや間接光が使えるメリットが多いです。一方で一部では地震に対する懸念も。このサスペンションは電源ケーブルも兼ねており頑丈なので、落下の危険はなさそうです。なお電源ケーブルはDC給電。AC-DC変換器は天井内部に入ってます。

B2B商品ということでなかなか家庭でつけるのは少なそうですが、新しいオフィスにこれが装着していたらかなりテンションあがりそうですね。目が疲れにくいから仕事もはかどるかも。

唯一の懸念は街の電気屋さんのドル箱が駆逐されてしまうことでしょうか。超寿命のLEDだけに蛍光管交換というコストも不要です。

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( Jake Dyson氏)