ボクスターに引き続き、クーペタイプのミッドシップ、ケイマンがモデルチェンジしました。
色は私好みの白。オプションの19インチホイールでキリリと引き締まった印象です。
ポルシェといえば後ろ姿。このケイマンも後ろ姿が端正です。特に今回はリアコンビネーションランプと一体化された可動式リアスポイラー。一定速度以上になるとせり上がり、リアのリフトを抑制します。
より彫りの深くなったサイドインテークはホンダNSXにも似ています。
ヘッドライトはしゃきっとした印象。きらきらお目目ぱっちりです。
ポイントはこのフロントバンパー。意外にもアプローチアングルがしっかりととられていて、やたらめったら車高が低いわけではありません。これなら街乗りも問題なし。どんな駐車場でも入れられそうな予感。
その秘訣はこのデザイン、カイエンっぽいデザインでフロントリップが高い位置にあるんですね。ブレーキへの導風口はバンパー下から導くようになっています。左右のエアインテークは安定感のあるハの字、台形タイプ。左右に振り分けられたラジエータに空気を入れます。中央はブラックアウトしてふさがれていて、空力的にも良さそう。
車室内はミッドシップですがかなりタイト。センターコンソールが高く、リアのバルクヘッドもシートに迫っているために密閉感が強いです。ただS2000と比較したらそんなに狭い印象はありませんが、人によっては狭っ苦しく感じることでしょう。
特にリアはエンジンルームが中に収まっていることもあり縦方向がぐっと狭くなっています。ただこのスペースに6気筒エンジンが縦に入っており、なおかつリアにトランクスペースがあることを考えるとスペースユーティリティは十分。
これに加えてフロントトランクも備わるのですから、収容力で考えるとS2000を軽く上回りますね。
2.7Lのエンジンですが275馬力を発揮、0-100km/hも5.7秒(6MT)、PDKでは5.6秒ですから十分。ただ最大の問題は偉大な兄貴分911がいるということ。
ポルシェのヒエラルキーは絶対的で、下剋上が許されません。昨今では911よりも速いとされていますが、値段とパフォーマンスのピラミッド関係は継続、特に人々のマインドに刷り込まれています。
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例えば彼女のカレラに登場するデス・スターがいい例で、ケイマンを愛しすぎるあまり911が偏重される風潮に反発、911に勝負をしかけてクラッシュさせるという悪党となっています。
この1台だけみるととてもいい車なのに、どうしても上に目がいってしまう、気にしてしまい卑屈になってしまうというのが最大の難点。そこのポルシェ・ヒエラルキーの罠があります。いい車だし高い車なのになあ。
だって2.7Lで275馬力、NSXと同等ですからね。それが612万円で新車が買えてしまうのです。NSXは20年落ちの中古でも程度のいいものではそれくらいの値段がしますからね、パフォーマンスという点や品質面で考えると凄くお買い得なのではないかと思うわけです。
まあいずれにしても高い買い物には間違いありません。高い買い物だけに、911コンプレックスを持つのはもったいないですね、いい車なのですから。