前回までのあらすじ流しのミニヨン・レーサー北川がサラに翻弄されているその時、浜田と学生はユキと飲んでいた。ユキは賭けミニ四駆レースのために立法すればいいといい、政治に興味のない学生を叱った。
闇の組織、ダーク・ゴーストの幹部が集まって会議をしていた。
幹部A「新ファクトリーの稼働状況はどうだ」
幹部B「順調だ。品川から川崎の工場跡地に移転し、敷地は4倍、装備も充実してこれまで以上にミニ四駆の量産が可能だ。特にカーボンパーツは素晴らしい、ドライカーボンのオートクレーブを備えてオリジナル形状のドライカーボンを製作できるようになった。さらに加工はこれまで手作業で行っていたところを機械による切断と削り加工が可能、しかもミクロン単位の精度で行える。」
幹部C「つまり井桁超大径マシンが量産できるということだな、我々は」
幹部B「ああ。コースアウトしてクラッシュするとだいたいのマシンは調子を崩してしまう。それは完璧に作られたマシンの精度が狂ってしまうからで、簡単には修正できない。これまではそのたびに諦めていたが、量産化できた暁にはマシンを交換するだけだ。」
幹部A「フフフ、量産型井桁超大径マシン...まさに宇宙世紀におけるモビルスーツを発明したのと同じく、革命的だな。」
幹部B「まさしく。そうだ、それを記念して量産型井桁超大径マシンの型番を MIS-06と名付けよう。Mini4wd Igeta Super-daikei 06 の略だ。」
幹部C「MIS-06か...となれば赤いマシンは3倍速いに違いないな」
幹部A「わはは、確かに。ただ、それは幻想だ。MIS-06は秒速8mはいく、その3倍となると24m、時速86kmだぞ。無理というか危険だ、キャッチできん。無論作れるテクノロジーはあるがな。」
幹部B「それはそうと、最近皇帝の姿が見えない...この会議も皇帝がでると聞いたがどうしたのだ。」
幹部A「案ずるな。皇帝は皇帝の考えがある。我々の働きっぷりが想像以上のために任せて下さっておるのだ。」
幹部C「ああ、この間の横浜のレースを見たか。あの浜田とかいう奴がレッド・ホイールのマシンを持ちこんで一時オッズが混乱したが、結局最後の最後には我々の想定を超える1億円の売り上げがあがった。資金調達のスケジュールは前倒しできている。」
幹部A「それも皇帝の計画どおりだ。すべては皇帝のみこころのままに。」
幹部B「では乾杯といこうじゃないか、皇帝の計画実現のために!」
幹部A・C「乾杯!」
幹部たちは手元にあったカフェラテをぐっと飲み込んだ。
・・・
その頃、神山は川崎ファクトリーにいた。
山之葉「神山さん、この工房の設備はすごいよ、理想的だよ、毎日が楽しくて仕方ないよ」
神山「そうでしょう、僕もそう思うよ、山之葉さん。これからも力を合わせて素晴らしいミニ四駆を作っていこう...」
ミニ四駆作りに打ち込む名人、山之葉の後ろ姿を神山は目を細めながら眺めた。
神山「ククク、井桁超大径マシンの量産か...これまで苦労してきたが、これほど簡単に作れるとはな。しかしそうなると今のレーサーの人数では足りない...」
神山はスマホを取り出し、どこかへメッセージを送信した。
(つづく)
【ミニ四駆小説は平日、12:00更新予定です】
この小説はフィクションで、実在の人物・団体と一切関係ありません。賭けミニ四駆レースは法律で禁じられています。
ミニ四駆は株式会社タミヤの登録商標です。
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