前回までのあらすじ流しのミニヨン・レーサー北川は伝説のマシン『ブラッディ・マリー』を浜田に預け、レースに望んだ。どよめく会場。そして他にもどよめきが起こり、それを見た北川は驚く。
北川「ば、か、な...」
北川が狼狽したのも無理はない。その視線の先には色が異なるまったく同じマシンがあったからだった。ホイールは赤のままだが、ボディ色は真っ白で、雪の結晶があしらってある。
北川「ホワイト・ブリザード...まさか奴なのか!」
人ごみに紛れて分からなかったマシンの持ち主、それは・・・
学生「ユキさん?」
ユキがもう一つの伝説のマシン、ホワイト・ブリザードを持ってニコニコしていた。
ユキ「いやーん、学生さんじゃないの。ウチのジョージはどこだっちゃ?」
学生「ユキさんもこのレースに?」
ユキ「そうだっちゃ。ジョージ、来てるんでしょ。どこにいるの?」
学生「すぐそこに・・・あれ、いない、どこに行っちゃったんだろう?」
ユキは心なしかふくれている。
ユキ「あ、まさか私のジョージのこと、隠してないでしょうね。」
学生「なんで、僕が隠さなきゃいけないんですか!」
ユキ「動揺するところが怪しい。私に嫉妬してるんでしょ」
学生「えええ?」
ユキ「ジョージ、堅物に見えてやり手なんだから、まったくもう、どこよ」
学生「...(兄貴って、そっちの意味だったのか?)」
突如現れたユキと消えた北川。取り残された学生。
そしてギャラリーもまた慌てふためいていた。
ギャンブラーC「あああ、あれは、まさか!」
ギャンブラーA「どうした、またか!」
ギャンブラーB「色だけ違うまったく同じ仕様のマシン、しかも持っているのは美人だ!」
ギャンブラーC「あのマシンはキラーと呼ばれたホワイト・ブリザード...公式大会には一度もでず、そのためミニ四駆年鑑にも載っていない幻のマシン。オレも噂でしかきいたことがないが、ブラッディ・マリーを唯一破ったのがあのホワイト・ブリザードだ!」
ギャンブラーA「な、なんだって!」
ギャンブラーB「まったく、今日はなんて日だ、次から次へと、予想なんかもうできるか!」
ギャンブラーA「ああ、まったくだ。もうこうなったら、美人にかける!」
ギャンブラーC「そうだ、勝利の女神だ!」
裏サイトのオッズは再び乱高下を繰り返した。
・・・
サラ「一体どういうこと! 浜田さんのオッズが下がっているわ。何が起きているの?」
サラは北川に電話したが、北川の電話は通じない。苛立つサラ。いてもたってもいられないサラは捜査本部から駆け出していた。
・・・
浜田「なんだかやけに会場が騒がしいのお、新橋の虎と呼ばれるオレの活躍を見たがっているに違いない、ガハハハ」
相変わらず能天気な浜田であった。
(づつく)
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