前回までのあらすじ流しのミニヨン・レーサー北川は高尾のミニ四駆専門店に行き、店主から失踪したミニヨン・レーサーのてがかりとなるレースデータを貰った。
24日。新宿三丁目。
肉屋にとって29日が大事なように、24日はミニヨン・レーサーにとって特別な日である。この日は多くのレーサーが夜のビックイベントに参加してくるため、学生の父親の手がかりも掴めるに違いない。
北川は新宿三丁目、伊勢丹の前に降り立った。
北川「・・・何も、変わってないな」
佇む北川の後ろに大男・浜田と学生が現れる。
浜田「なんや、意外と寂れた街やなあ」
学生「新宿の中心部と比べると、少し離れてますものね。新宿御苑も近いし、結構落ち着いた街かも知れませんよ」
確かに回りを見渡すと新宿方面は賑わっているが四谷方面はめっきり暗く、静かで逆に気味悪いほどだ。こんなところにミニ四駆をする場所があるのだろうか。
佇む北川の前にすっと女性が現れた。
サラ「北川・・・さん?」
北川「!」
浜田「なんや、別嬪さんが現れよった!」
北川の前に現れたのはスーツを着こなしたのOL風の女性。
サラ「久しぶりね、何年ぶりかしら。あなた、今もミニ四駆をやってらっしゃって」
北川「・・・ああ。オレにはそれしかないからな」
サラ「そうね、あなたからミニ四駆をとったら何もなくなってしまうものね、フフ」
北川とサラが話し込む姿を浜田と学生は遠巻きに見ている。
浜田「このねーちゃん、一体何者なんだ?」
学生「僕に聞かれても分かりませんよ。だいたい、浜田さん大人なんだから、なんとなくわかりませんか?」
浜田「彼女いない歴が自分の年齢のオレ様に聞いてもしょうがないだろ、聞くならミニ四駆のセッティングをきけ!」
学生「ミニ四駆の方も怪しいのに・・・」
浜田「なに!」
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嬉しそうなサラとは対照的に北川は相変わらず愛想が悪い。
サラ「あなた、いつもの場所行くんでしょ。私も後からいくから、また後でね、フフフ」
北川「ああ...」
サラはそういって去って行ってしまった。
浜田・学生「北川さん、いまの女性、誰なんですか?」
北川「...過去のことだ」
浜田「前の彼女でっしゃろ、いやー別嬪でしたけど、どうして別れてしまったんですかい?」
学生「浜田さん、そんな直接的な聞き方ないですよ」
北川「...行くぞ」
北川の過去に何があったのか。サラとは何者なのか。そしていつもの場所とは。
(つづく)
(ミニ四駆小説は2日に1回の更新予定です)
この小説はフィクションで、実在の人物・団体と一切関係ありません。賭けミニ四駆レースは法律で禁じられています。
人の過去を詮索するのはマナー違反です。
ミニ四駆は株式会社タミヤの登録商標です。
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