MINI Cooper Sをチューンした John Cooper Works。それのさらにサーキット走行仕様として究極のGPが発売されました。
(写真撮影:MINI 府中)
外見上、ぱっと見るも多少ステッカーが派手なくらいかな~という感じですけど、実は色々が凄いんです。
カーボンリアウィング!
本気のリアデュフューザー、なんとサスペンションアームカバー付。
アンダーボディ(底面)はエンジンルームから全部カバーされ、空力性能が大幅に向上。リアのリフトが90%軽減されたというのですから、見た目の派手さだけではありません。
室内で目に飛び込んでくるのはこちら。
ドーン! と補強バーです。もちろん軽量化のために2シーター化し、リアシートがなくなったからこそ使えるこの構造。
ただリアシートを取っ払っただけでなく、元々お尻の入る窪みは...
「まあなんてことでしょう、小物入れに!匠の心遣いがあらわれます」
といった状態。
内装も専用のカバーに改変されていて、武骨さとは無縁、MINIのオシャレ感をそのままキープしています。
シートはシートヒーター内蔵、高さ調整機構付レカロ製、GPの文字が入ってます。内装は本革仕様、赤のステッチがレーシー。ステアリングも握りやすく、しかも滑りにくい上に耐久性の高いもの。このしっとり感、ハンドルを握るたびに歓びが感じられます。
メーターパネルはスモーク化され、普段は見えにくく火を入れると浮き出る感じ。これもレーシーですね。
エンジンルームで目を引くのがアルミ製のストラットタワーバー。しかもただついているだけじゃなく、頑丈&美しいんです。
アッパーマウントを固定する3本のボルトを共締めして固定するタイプ、長さの調整機構がついているのはもちろん、この付け根が立体的かつ溶接が見事。昨今コスト優先、丸パイプを平たくしてとめるものが主流なのに、なんでここにこんなにお金がかかってるの!
中央にはGPの文字をわざわざレーザー刻印しています。
性能だけではなく、見る楽しみもよく分かっているということですね。恐るべし、JCW GP。
軽量かつハイパワーに進化したJCW GPの足を支えるのがこちら。
17インチホイール専用 330mmのベンチレーテッドディスクに、BMW 135クーペにも採用されている6ポッドキャリパー...ってキャリパーがもはや半分に近いですよ。
そしてホイールハウスにちらりと見える青いスプリング。あれ、なんか不自然だぞ...と思ったらそれもそのはず。ビルシュタインを組み合わせたネジ式車高調整サスペンション。車載工具に車高調整レンチが付いてきます...えええ!
タイヤは溝の少ないハイグリップタイヤ、KUMHO ECSTA V700 215/40R17サイズ、ホイールは7.5J x 17インチの専用デザイン。
いやはや、これだけの内容とそしてレーシーなだけではなく、オシャレ感満載なところがMINIのブランドイメージをよく理解してますよねえ。
これまでMT仕様しかなかった JCWにAT仕様が追加され、そしてこのサーキット走行に最適化された究極のGPを世界限定2000台、日本限定200台導入されました。プライスタグは安くありませんが、もともとリセールバリューの高いMINI、それのJCWの、さらに限定バージョンとなれば安くなるはずがありません。
3年後5年後を考えると決して高い買い物ではないはず。しかもその間、極上の乗り味を楽しめるんですから、いいですよね~。
それにしてもこのクラス、FIAT 500にCLIO、MEGANE、PEGEOT RCZとヨーロッパのホットハッチは本当に熾烈ですね。選ぶの困っちゃうくらい、面白いクルマがいます。
写真撮影したMINI府中では4台入荷したうち、もう1台売れて、数台商談中だそうです(2/3時点)。売り切れる前に、早めにどうぞ。