ミニ四駆:えのもと杯耐久レース(2012年4月)フラットコース参戦レポート #mini4wd

お天気は曇り、そして午後は雨の予報でした。

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2012年はじめてとなるミニ四駆耐久レースへの参戦。先月敵状視察をして対策はバッチリ、と思いきや今年から隔月で「フラットコース」「テクニカル(立体)コース」の交互開催。あれ、今日はフラットコース? ということでなすすべなし。フラットコースはほとんどジャンプを作らず、極限のスピードマシンを使って15分x2=30分の長丁場を走りきるもの。ミニヨンレーサーの製作技術と何事にも動じない精神力が試される、とても難易度の高いレースなのです。

今回用意したマシンは…といってももはやいつもの耐久マシン。何の変哲もない、MS大径トルク…勝てない、勝てるわけがない! そうです、相手は井桁超大径アトミ秒七なんですから。え、意味が分からない? では、解説しよう、井桁超大径アトミ秒七とは!

【井桁】

ミニ四駆本来が持っているバンパーをすっぱりカット。その代りにFRPプレートを組み合わせて井桁型のバンパーを自作するもの。組み合わされるベアリングは830など、モーターピンに打ち付けるものが主流、軸受も830にして遊びのない精度の高いマシンとなる。

高度な製作技術が要求されるうえ、製作には時間が必要なため破損した場合の対処が難しいのは諸刃の剣。

【超大径】

ミニ四駆のタイヤホイールの標準サイズは24mmの小径、30mmの大径タイヤ。ところがミニ四駆のレギュレーションでは35mmまで許されているため、大径ホイールにゴム等を重ねて35mmギリギリのタイヤを自作、これを「超大径タイヤ」と呼ぶ。

色々な流派があり、作り方も様々だが同時にハーフタイヤと呼ばれるタイヤの接地面積を狭くして面圧を確保しつつコーナリング時のロスを軽減する加工をするのが一般的。またこのハーフタイヤは軽量化に関しても有利である。

こちらも高度な製作技術が要求されるうえ、精度が非常に大事。キーワードは真円(しんえん)だし。

【アトミ】

アトミックチューンモーターの略。パワーのあるダッシュ系モーターではなく、チューン系モーターの中でもトルクとスピードのバランスのとれたモーター。しかし使いこなすのは難しく、慣らし方で特性が大きく変わる。

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【秒七(びょうなな)】

秒速7メートルを略して「秒七」、時速約25km/h。これをチューン系モーターで出すために、モーターの慣らし、電池の育成、ギア加工など駆動系のフリクション軽減の様々なノウハウが存在する。

・・・

つまり一朝一夕にはできないという超難易度の高いマシンのことです。

実際に事前の練習走行では、大径MSマッハダッシュモーター+超速EXギアでまったく敵わないという状況。これでは勝負になりません、何かいい方法はないのか・・・

そこで私がとった方法とは、いちかばちかの捨て身の作戦、題して

雨乞い作戦!

これは1ヒート目でぶっちぎって、2ヒート目で雨天中止を狙うという、とても神頼みな作戦。いにしえより日本といえば豊穣を祈って雨乞いをしてきた国。日照りが続くと農作物が枯れ、村人たちは餓死していまうため、人柱をたててまで神に祈ったものです。その日本人固有の文化、習わしにのっとり、雨よこい、はやくこい、です。そこで選んだマシンはいつもの大径MSにハイパーダッシュモーターを装着!

そして練習走行…うわぶっとんだ!

コースアウトの衝撃でなんとフロントシャーシが分離…、しかしさすがはMSシャーシだ、なんともないぜ…

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って思っていたらピニオンギア欠けてますよ。先行き不安です。

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左側だけベアリングローラーをWA(ダブルアルミ)、そしてスラストを入れて対処です。

対するライバルたちは当然のように井桁超大径アトミマシン。

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作戦としてはこうです。1ヒート目、ハイパーダッシュモーターの威力をもってぶっちぎり、周回数をとにかく稼いでおくこと。2ヒート目? 雨が降って中止になるからいいんです、ムシムシ!

コースは通常のコースではなく、雨天中止時に撤収が早くできるようにミニサイズの特別コースに変更されています。

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さらにここでレースの責任者であるえのもとさんから、突然レギュレーションの変更が言い渡されます。

「雨が降りそうだから、10分 x 2本にしようか」

まさに天の声!

ハイパーダッシュモーターだと燃費がきつく、30分持たないのは自明ですが20分ならなんとか走り切れるはず。この突然のレギュレーション変更は私にとって有利。さあ、いよいよスタートです。

コース長が13.3mととても短く、目が回ります。そんな中、ハイパーダッシュモーター装備の我がマシンは圧倒的な速さを武器に周回数を重ねます。なんとラップタイムは1.8秒台。

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途中2回ほどコースアウトしてロスしたものの、唯一300周を超える304周を記録。ライバルたちに圧倒的優位に立ちます。やった、まさに狙い通り!

ハイパーダッシュモーターの圧倒的な速さと周回数にひるんだライバルたちは、続々とレジへ向かいます。

ハイパーダッシュモーター下さい!

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お店の売り上げにも貢献です。

さて、私の作戦はこれで終わりではありません。そうです、雨が降ってもらわなければ困るのです。

「2ヒート目、雨天中止にて無効。1ヒート目の結果で決定する」

という風にならないと私の計画は完遂できません。ところが雨が降る気配が一向にありません。

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確かにどんよりとはしているものの、まだまだ雲は高いし、風もないし、気温も下がってきません。ウェザーニュースの予報によると、2時には雨になるはずなのですが。

・・・

さて2ヒート目の周回スタートです。ライバルたちは触発されて、エンドベルが赤いモーター、ハイパーダッシュモーターをこぞって装着。え、マジで? 同じモーターならタイヤ径の大きな方が有利にきまっています、しかも井桁でしょう。これは一気に不利です。

実際スタートしてみると、スピードの差は明らか。ライバルたちにジリジリと差を広げられます。しかし1ヒート目でかせいだマージンがあるので、なんとか食らいついていければ、総合周回数でなんとかなるはず。ところが・・・

は、ハエが止まるほどの遅さ!

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2ヒート目当初は2秒前後で周回できていたものの、あれよあれよという間にラップタイムは落ち、なんとしまいには4秒台へ。つまり2倍以上遅くなったということです。

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この時点でもはやなすすべなく。燃費のよいトルクモーターに換装するという手もあるでしょうが、換装するロスタイムを考えるともうあとは走りきるしかない・・・ということでそのままヘロヘロになりながら走り切りました。

結果は 219周・・・ライバルたちが290, 309周と伸びる中大ブレーキです。

それもそのはず、その直後に電池を充電してみたところ856mAhも入りました。

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ネオチャンプの定格は950mAh、つまりほとんどなくなっていたということです。

20分で856mAh使ったということは 平均2.56A流れていたということですね、ハイパーダッシュモーター恐るべしです。おそらく最初の方はスペック通り3A前後流れていたことでしょう。

しかしあきらめるのはまだ早いです。そうです、天の恵み、雨です。雨さえ降れば、2ヒート目の途中で雨が降りさえすればこちらのもの。

・・・

待てど暮らせど降ってきません。

・・・

最終レース、無常にも雨が降りません。私のレースはこれで終了です・・・

結局総合周回数で8位と大きく後退。ちーん。

そしていつものお楽しみ、チーム対抗レースのスタートです。せめてチーム戦は勝ちたい!

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ぽつ、ぽつ、ぽつ・・・

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え、あ、雨!?

なんとここに来て雨です。遅い、一足遅いよ! too late!

ウェットコンディションの中、チーム戦がスタート。路面がぬれているのでタイヤがグリップしにくいです。特にハイパーダッシュモーター!

我がチームの第一走者の黒いマシン、ハイパーダッシュモーターの強大なトルクに負けまったくグリップしません。急遽マシン交換するものの、出遅れてしまいます。

しまった、私が雨乞いしすぎたからか!w

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雨は小雨のまま降り続け、路面コンディションはますます悪く。レースの方は一進一退が続き、2-3位争いがデッドヒート。

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結局2-3位は同一周回で終了。1位には43周差と圧倒的差をつけられて敗退です。

ああ、雨さえもっと早く降ってくれれば、まさに午前中は「ぬかよろこび」でしたね。とはいえ、一時はトップになったし、「ハイパーダッシュモーター」の売り上げに貢献したし、うろたえてマシンセッティングを変えてしまう人が出たりと、それはもう面白い1日でした。やっぱりこういった予想外の展開になるのが耐久レースの醍醐味。

レースのことでいえばやはり神頼みはいかんですね。ちゃんとフラットコースに合わせたスピードマシンを組み上げ実力で勝負しないと、この先の勝利は見えません。翻弄したとはいえ、結局1,2,3位の選手はいつもの強豪で占められましたし、実力どおりの結果でした。

今年こそは井桁超大径アトミ秒七目指すぞ!

そして来月の耐久レース、立体コースこそは・・・と思ったら来月は沖縄 Perfumeライブ出張のため欠場です。残念無念。皆様のご健闘を祈ります。

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