「四国・愛媛県松山への旅路(2):特急いしづち」の続き。
JR松山駅についてすぐに乗ったのは市電。市内を走る路面電車は、松山城を中心とした松山市内の要所を結ぶ動脈のようなもの。
道後温泉まで直通、料金は1回150円。1日乗り放題券は400円で販売中。
車窓の様子は動画でどうぞ。
松山市電、その昔は蒸気機関で走っておりそれが夏目漱石の有名な小説「坊ちゃん」に出てくることから「坊ちゃん列車」として復活、1日に数回運行しています。
当時は蒸気機関でしたが現在は改造して最新のディーゼル機関車とのこと。
運転席には液晶ディスプレイが2枚?
銀河鉄道999を彷彿とさせる、レトロフィットな改造に心が震えます。とはいえ前後方向に動けるわけではなく、先頭車両は常に前にいなければなりません。ということで必要なのが終着駅での前後回頭。
大きなターンテーブルがあるわけでなく、油圧か何かで汽車自体を持ち上げ、手で回転させています。この手作り感にまたふるえますね。
松山市電の営業は伊予鉄道が行っており、郊外列車を運行する松山市駅が大きなターミナル駅。
どれくらい大きいかというと、駅ビルに高島屋があってその上に観覧車が載っているくらい…
そしてこの松山市駅から松山城にかけてアーケード街(街道筋)が伸びていることから、人と経済の中心が今も昔もここにあったことをうかがわせます。それに対してJR駅の方はというと…
がら~ん・・・人も少なければショッピングも飲食街もありません。というのも。
松山駅 (愛媛県) - Wikipedia1927年に高松方面から延びてきた予讃線の駅として開業したが、松山市内には既に1888年に開業していた伊予鉄道の松山駅が存在していた。国有鉄道を当時運営していた鉄道省では伊予鉄道に駅名改称を要求し、伊予鉄道は国鉄駅の名前を「伊予松山駅」とすればよいと反発した。鉄道省は伊予鉄の運輸課長を東京の本省に呼び出して圧力を掛けるなどし、結局伊予鉄側が折れて伊予鉄の駅を松山市駅に改称して松山駅の名前を国鉄に譲った[2]。しかし国鉄の駅は市街地から離れていて、その後も松山における中心駅としての地位は松山市駅が占め続け、国鉄の駅は長距離客のみ使用するものという雰囲気が形成され、現在に至る。
・・・まさに現在に至ってました。つまり「松山市駅」がやはり街の中心。いくら名前を変えようが、それは私のような外からくる旅人・観光客を惑わすだけであり、行ってみれば一目瞭然でしたね。
やはり創業125年の歴史、坊ちゃんの舞台であり、さらには1000年以上の歴史をもつ道後温泉を結ぶ市電はダテではないってことです。
交通はここまでですが、松山城、道後温泉、湯築城址を今後ご紹介したいと思います。
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