「さいたまの魅力を再発見:「さいたま市観光ブロガーツアー(ミニ)」 に来ています」の本編!
パレスホテル大宮で昼食をとり、それから移動。昨年も訪れたさいたま市大宮盆栽美術館に来ました。
盆栽美術館とはその名のとおり「盆栽」を集めた美術館。盆栽といってもピンとこない我々世代。昔どらえもんののび太や、サザエさんのカツオが野球をやって隣の家の盆栽をボールで壊してしまうエピソードがあるくらい一般的だったものですが、今では高層化が進んでそういう描写もなくなりました。
さてまずなぜ盆栽美術館がさいたま市にあるのか? その謎から迫らなければなりません。実は・・・ここさいたま市は「盆栽」の聖地なのです!
大宮盆栽村のご案内|さいたま市大宮盆栽美術館江戸時代から明治・大正時代まで、現在の東京都文京区千駄木にある団子坂には、多くの植木屋が集まって、菊人形づくりや盆栽業を営んでいました。しかし、大正12年(1923)に起きた関東大震災をきっかけに、より広い土地を求め、盆栽業者だけの村を作る構想によって誕生したのが、大宮盆栽村です。
現在の盆栽村周辺には、およそ10軒の盆栽園が営まれており、大宮盆栽村の名は世界的に知られています
関東大震災によって集団疎開、盆栽を育てる理想の場所を求めて移り住んだのがここさいたま市大宮というわけなのです。今も盆栽を営む名園が多数あつまっており、大宮盆栽村はまさに盆栽界のメッカ。海外の盆栽を営む人も一度はいってみたい場所になっているとのこと。
その盆栽村のすぐ側に作られた盆栽美術館では数々の見事な盆栽が飾られています。
(今回特別に許可をいただいて写真を撮影しています)
まるで龍が上っているかのような姿! というかなんでこんなに曲がっているの?
うす潮のように渦巻きを描く盆栽!
白い幹と表皮がうねうねしています。どうしたらこうなるのか、サッパリわかりません!
盆栽の木はもともと山の中に生えているもので、風雪の影響で自然に曲がっているのを見つけてきて、それをさらに針金などで矯正して形を整えるとのこと。どこにどういった木が生えているのかはノウハウだそうです。
もとが自然の木なので正確な樹齢が不明なのですが、人の手が入ってから100年や200年というのもザラ。簡単に100年っていいますけど、人の寿命より長いですよ。
ですからオーナー、手入れする職人さんが変わりながら幾代にも渡って伝えられるのが盆栽。オーナーの嗜好や職人の解釈により角度をかえる、裏をみせたり、また自然のものなので枝が枯れたりということで形は少しづつ変化することも。それでも100年以上がザラというのには圧倒されます。人の一生なんて盆栽の一生に比べれば儚いもの。
盆栽の種類も松だけかと思いきや、別にそんなことはなくもみじや楓、花梨など様々。1年中同じかとおもいきや、たとえばもみじなどは秋には紅葉を、そして冬は落葉して枝だけになってしまいます。
盆栽をよく知るひとはわざわざその落葉したシーズンを狙って見に来るのだとか。なぜなら落葉していると枝ぶりがよく見えるから。どういった枝ぶりだとどうみえるのか、研究しているんですね。ですから1年中、そして一生同じ表情をみせるわけでなく、いつも違った表情を見せるのが盆栽の魅力の一つ。
盆栽は成長せず、大きさはほとんど変わりません。この変わらない盆栽の中に何を表現するのか、サイズは小さいながらも巨木をイメージするのだそう。ある意味スケールモデルです。
となるとこの巨木の下に世界が広がり、という「世界樹」のようでもあります。「世界樹」は別名「宇宙樹」とも言われますね。
そうです、盆栽はまさに「小宇宙(コスモ)」を体現しているのです。
数百年に及ぶ樹齢、そしてその世界観。まさに小宇宙といっていいでしょう。そんな貴重な盆栽なのですから、のび太やカツオがガシャーン!なんてやって盆栽を壊すなんてもっての他! 顔を真っ赤にして怒ったおじいさんたちの気持ちがよくわかります。いやむしろ怒っただけなんて寛大な方です、一体いくらするんだか分かったもんじゃありません。
盆栽は木も大事ですが、植える鉢「盆器」も世界を表す重要なアイテム。色合いや形、大きさは様々でまさにアートです。それが故に世界中にファンが多いのもうなづけますね。
今まで盆栽を気にしていませんでしたが、ここに来て盆栽の深淵なる世界にふれ、魅力が少し分かったような気がします。
ああ、盆栽欲しい!
お任せください、すぐそばの盆栽村では盆栽を売っているところもあるんです。
女性に人気という「清香園」に来てみました。こちらでは盆栽の販売はもちろん、盆栽の育て方のスクールも主催しています。
(今回特別に許可をいただいて写真を撮影しています)
▼盆栽 清香園 〜 盆栽の販売 ギフト 通販〜 彩花盆栽教室盆栽町本校
ちいちゃいのがあってカワイイです。お小遣いで買えるものから、それなりに高価なものまでマチマチ。プレゼントにも最適です。
すっかり盆栽の魅力に取りつかれてしまいました。個人的には紅葉するもみじが好きですね~
なかなか本物の盆栽を育てることができない方には、「つい、盆栽」というアプリがあります。
つい、盆栽。 - Technology Networks Inc.
こちらもぜひどうぞ。
盆栽美術館から盆栽村を散歩するだけでも気持ちがいいですよ。いい雰囲気です。
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