「MINI CROSSOVER(ミニ・クロスオーバー)ONE 試乗インプレッション」に引き続き、ついに待望のCOOPER Sの4輪駆動バージョン、 ALL4(オールフォー)6速ATに試乗してきました。
▼メーカーサイト⇒MINI Japan - MINI Cooper S Crossover ALL4
以前は1.6Lの98馬力のベーシックバージョン ONEでしたが、今回はターボ付きで184馬力かつ4WDです。その違いやいかに?
今回は自分のクルマ、MINI Clubman Cooper S (6AT)で行ってすぐに乗り換えたので、着座位置やドアの小ささなどやはり違いを感じます。多少着座位置は高く、より最近の乗用車的。といってもそれはMINIと比べてのことで、一般のコンパクトカーやミニバンから乗り換えると違和感がないことでしょう。
乗り出してすぐ気付くのは乗り心地の良さで、よく足が動いてしなやかにショックを吸収。とても高級車な感じです。
まず試したのが動力性能。184馬力にパワーアップしたエンジンはどうでしょうか? 車両重量が1440kgとClubmanより 200kg近く重くなっていますが、重さは感じないほどのダッシュ力。ブレーキが良く効くと定評のMINIなので、ブレーキもしっかりしていてパワーに見合っています。ただその分減りは早く、うちのClubmanは 3年、3万キロでフロントのブレーキパッド&ディスク交換、3年半でリアのブレーキが減って現在警告灯がついたほど。
次にハンドリング。ハンドルを切ったら切っただけロールして、普通のMINIとは違いストロークで曲げる感じ。リアもいい具合にロールするのでより曲がりやすいフィーリングです。MINIは「ゴーカート・フィール」を全面に出していますけど、このCROSSOVERについてはそんなにゴーカートっぽいわけでなく、こちらもより乗用車的。とても乗りやすいです。
ちょっと気になったのはコーナリング中のタイヤのグニャグニャ感。なんだか横剛性が弱くて負けてるなあ、と思っておりてみたらそれもそのはず、スタッドレスタイヤでした。
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考えてみればルーフにはキャリアも装備されていて冬山仕様でしたから、当然といえば当然ですね。
センターコンソールには「SPORT」ボタンが装備され、押すとプログラムが変わりATは自動的に「DS」モードへ。シフトアップを抑制して加速力を高めます。他にもアクセルレスポンスがアップしたり、ハンドルが重たくなるなど「その気」にさせてくれるモード。
その右にある「DSCオフ」ボタンはうちの初期型Clubmanと違い長押しではなく、1回押すだけで解除可能。よっぽどドイツやヨーロッパの人はDSCが嫌いなのでしょうか? ルノーもDSCオフで完全に解除できるのを生き生きと謳っていたので、
「レギュレーションだから一応つけとくけどさ、そもそもクルマってドライバーが制御するもんだろ」
という隠れたメッセージを感じます。
ウィンドウスイッチもセンターコンソール。4ドアなので前と後ろのマークがそれぞれあり、4つボタンに増えてます。フォグランプ、リアフォグランプのボタンは下に追いやられてしまいました。左右にあるシートマークはシートヒーターです。これは雪山仕様にはあるとうれしい装備ですね。
エアコンスイッチはMINIマークをあしらったデザイン。オートエアコンが標準装備です。
ドアマウントのスピーカーはオプションのhaman/kardonの HiFiラウドスピーカー・システム。ドアのかなり上、耳に近い位置にあるのでとてもいい音でした。これはいいですね。
オーディオはメーターパネルの下に集中しました。左がセレクタ、右がボリューム(逆かもしれません?)。ちなみに前期型のMINIはセレクタが中央にあり、ボリュームは下にありましたがまとまった形です。
気になる燃費は、試乗車にも関わらず 9.1km/Lとなかなかのもの。私のClubman Cooper Sが街中でだいたい9.5km~10.5km/Lなのでそんなに変わらないですね。
チルト&アウタースライドサンルーフです。リアもサンルーフになっていて、日差しが燦々。ヨーロッパの人はサンルーフ好きですね。もちろん純正ルーフキャリアとは干渉しない、絶妙なクリアランスになっていました。
サイドブレーキは特徴ある、バータイプ。解除スイッチはバーの下にあります。
左右独立後部座席、セパレートなので荷物室がよく見えます。このセパレートシートがCROSSOVERのいいところだと思うんですけど、日本市場ではベンチシート5人乗り仕様が人気だとか。。リアシートはスライドとリクライニングも可能です。
ということで、すっかり楽しんでしまった MINI CROSSOVER COOPER S ALL4の試乗でした。
見た目はとてもスポーティ、でも実際乗ってみると乗用車的で使い勝手も4ドア(5ドア)なので普通。ALL4で車高もそこそこあるから北国でも雪山もOK。一番「つぶしのきくMINI」といってもいいかも知れません。
そしてMINIのおしゃれさ、そしてスポーティさはそのままキープ、特にターボエンジンの加速力はそんじょそこらのSUVとは一線を画すもの。でかくて重くて、といったイメージはありません。スポーツSUVとでも言ったほうがいいのでしょうか。このクロスオーバーでWRCに参加しているのも理解できます。
▼メーカー、WRCサイト⇒MINI Japan - Motersport - WRC
CROSSOVERでは2WDの ONE, COOPER, ターボ付きの COOPER S、そして4WDの COOPERS ALL4と4タイプを用意。きめ細かいグレード構成で人気なのもうなづけます。これでベーシックグレードのONEと最上位のALL4を試乗したわけですが、どちらもいいですね。なぜかというとキャラがはっきりしてるんですよね。グレード間のカニバリズムがないというか、きちんと用途や自分の嗜好性がはっきりしていれば、グレードで迷うことはあまりないのではないでしょうか。
もし私がCROSSOVERを買うとしたら?
4WDは特に必要ないので、2WDの COOPER Sでしょうか。でもそれだと今のClubmanとさほど変わりませんねw
MINIからMINI CROSSOVERに乗り換える人もおおいんだとか。どうしても4ドア(5ドア)がいい! という方にとってはMINIの中で選択肢が増えたので、うれしいでしょうね。私は基本的に小さなクルマが好きなので、今度でるというMINI クーペに興味津津です。
さて同時にMINI Clubman のスポーツモデル、 John Cooper Works (JCW)にも試乗してきたので次回はそのレポートを。なんとMINI試乗初の6速マニュアルのです。その走りはいかに?
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