待望の新作! ガンダムAGE(エイジ)をキーワードで読み解いてみる #g_age

ついにガンダムの新作が登場です。ソーシャルストリームを見る限り、すでに賛否両論渦巻いていますが、キーワードで新作ガンダムを読み解いてみましょう。

ガンダム新作は「ガンダムAGE」! メディアミックスでゲームも続々 : ギズモード・ジャパン

まず、名前の「エイジ」から。古い世代にとって「エイジ」といえば

僕の名はエイジ。地球は狙われている!

で有名な蒼い流星SPTレイズナーを想起させます。え、しないの?

レイズナーといえば外宇宙からの異星人「グラドス」が地球を侵略するという、定番のストーリーながら

・主人公がその異星人であること

・普通地球は異星人からの侵略を受けないものだが、侵略されてしまうこと

・第一部と第二部でテイストがまったくことなり、第一部はSF風、侵略後の二部は世紀末伝説のような世界観

・のちのトランザム(ガンダム00)となるV-MAX発動という、無敵モードを搭載

などなど、今回のガンダムAGEと共通点が見え隠れします。え、しないの?

ちなみにさっきのは第二部のオープニング集、オープニングの中に予告を入れるという斬新な演出手法が光っており、この動画はその予告を全部編集して入れたもの。ちなみに第一部のオープニング集(+予告)はこちら。

それ以外にも

・ボトムズで成功したスタッフの次回作

・ボトムズと同じくデザインは大河原邦男

・ボトムズで作画が光った谷口守泰によるキャラデザイン

など作品的にも高い評価でした。しかし商業的にどうだったかというと、なかなかにして微妙。というのも当時はどのロボットアニメも「ガンダム」を超えることを目標としていたために、どの作品もガンダムほどのヒットが飛ばせなかったからです。30年たってみればそれがどういうことかすぐに分かるわけですが、当時はとにかくそういう心意気でしたし、要求が高かったわけです。

で、ガンダムAGEですが当然ながら失敗は許されない「ガンダムシリーズ」。ガンダム00映画版が、

・外宇宙からの敵とのファーストコンタクトもの

であったのは、もしかしてこのAGEの布石だったのかも。

ということで、AGEのキーワード

・敵は外宇宙からの侵略

・(どうやら)母親を亡くすらしい=ガンダムに乗る動機

・親子三代にわたる大河物語

・親子三代にわたるガンダムの進化

・イナズマイレブンのレベルファイブ

・ドラクエ作ったレベルファイブはガンダム初となるRPGも出す

ガンダムと名前がついててメカもVアンテナついててガンダム風なだけで、まあガンダムじゃないわけですよ。ガンダムエースがそうですが、もはや「ガンダム」は「スペースコロニーが出てくるSF」と広義で曖昧な定義しか持たず、商業的成功が裏打ちされていれば何やってもいい、そういうことです。

新作発表会も面白いことに、スポンサーであるバンダイやバンダイナムコゲームズが行っており、制作のサンライズが子会社であるとはいえ、昔の感覚でいえば異例なこと。

というのも「ガンダム」をはじめロボットアニメはスポンサーの作品への介入との戦いの歴史であったからです。介入どころか、完璧なるビジネスモデルを構築、その中に完全に作品が組み込まれています。

一昔前のクリエイターならこの状況を潔しとせず、反発しそうなものですが今回はレベルファイブ。逆にこういったビジネスモデルの中で作品をつくることに長けている集団と考えると、まさに21世紀のクリエイションです。

作品のよしあしは自由度によって決まるものではなく、商業的成功とのバランスが大事。作品的評価がいくら高くても商業的に失敗すればそのあとにつづかないからです。特にもはやバンダイグループの屋台骨となった主力ブランド「ガンダム」は失敗が許されません。こうやって出すからには、絶対の自信をもって送り出してきているはず。

月刊アスキー(ascii):年間1000億円をたたき出すガンダムという巨大ビジネス ([の] のまのしわざ)

分析によると「ハリウッド型モデル」で、スポンサーは作品に口を出さず、商品と作品は切り離すことでクリエイター(アニメのスタッフ)は作品性を追求しつつ、スポンサー(バンダイ)は商品開発を平行して行うことでビジネス規模を拡大しているというもの。

トレーラーを見る限り、子供向けとは思えない重厚な作りで期待がもてます。

機動戦士ガンダムAGE

ということで10月の第一話放送を楽しみにしましょう。評価はそれからでも遅くありません。

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