連日マスコミがカンニング事件を報じ、ネットではPVやくざによる炎上マーケが話題になっている今日この頃、私にとってのニュースはこれ一択。南野陽子さんのご結婚です。
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GOLDEN☆BEST/南野陽子 ナンノ・シングルス3+マイ・フェイバリット
古くからのファンということ、そして同い年ということ。同年代、同世代として同じ時代を生き、栄光、挫折、再起をみるについけ喜びと悲しみを共有してきたわけですから、今回の結婚は嬉しくてしかたないです。ええ、本当は私がプロポーズしたかったんですけどね!
我々世代にとって「南野陽子」がいかに大きな存在であるか、というのはもはや語る必要はありません。そして「ナンノ・バッシング」がいかに酷いものであったか。これについては知らない人も多いので、今一度まとめてみます。
「ナンノ・バッシング」とは、今で言うとメディア・スクラム。女優と歌手とそれぞれ所属事務所が違うことから仕事のスケジューリングに失敗、ダブルブッキングにより決まっていたドラマの出演を土壇場にキャンセルしたことを端に発します。ここからメディアが人気絶頂にあったナンノを総バッシング。「トラブル・メーカー」のレッテルを貼り、TVでは毎日、女性誌では毎週のように些細なことをとりあげ、根も葉もない憶測だけの記事で悪し様に書きたてたのです。そんなことが1年以上も続き、アイドル・南野陽子の歌手、女優としての活動にも影響。バブル景気終焉、アイドル時代終焉という時代の変化とあいまり、その後の迷走へとつながっていきました。
あれから20年以上たっていますけど、メディアの本質はあまり変わっていませんね。カンニングしたたった一人の高校生をメディアが中心となってよってたかって必要以上に攻め立てる姿は、まさにナンノ・バッシングを想起させました。これじゃあ日本から「イジメ」はなくなりません。
さてそんなナンノですが、その後スクリーンから消えたかというと、これがどっこい生きている。それも結婚・引退して復活、という形ではなく継続的に女優として活動、さらには近年になって「笑っていいとも」を代表とするバラエティ番組にも出演していたくらい。
2004年、南野陽子・雑感ちょっと南野陽子に思うことがあったので、記録として記す。
映画、舞台に仕事をシフトていた彼女であったが,ここ一、二年で再びよくテレビで見るようになった。
ファンとしてはそれはそれでよいことであるのだが、なんというか、テレビで見る近頃の彼女は年齢不相応に若い。顔などの容姿がびっくりするほど若いのもさることながら、立ち振る舞いとか表情とか所作も若い。若いというかほとんどアイドルなのである。
前年秋からのコーセーの化粧品「リライブ」のCFなんて、凄い。
「シャカシャカ」といいながら小壜を振ったり、「ここが潤い、ここがはりつや」などと自らの頬などを指差す。このコケッティーがどう見たってアイドルそのものなのである。30~40代がメインユーザーのいわゆる年齢対策系の化粧品であるのになんだこの無駄な可愛さは。と、画面見て悶絶しましたさ、私は。
例えばこれが10年以上前の南野CF、資生堂シャワーソープ――「これで起きなきゃ寝てなさい」のやつね、なんかと並べてもなにも違和感がないのよ。
本当に何もかもが変わらないのよ、容姿も所作も。とてもこの2つのCFの間に10年以上の時間と、その間に様々なトラブルや彼女の女優としてのいくつものトライアルがあるとはとても思えないのです。
いくら容姿が命の芸能人とはいえ、さすがに加齢には耐えることは出来ないのか、30代後半にはいってくるとそれぞれがきついようで、正直いって80年代のアイドルの今の容姿ってのはまぁ、大抵厳しいんですけれども、 溺愛する我が明菜にしたって、やっぱり目尻とか肌のハリとか年齢出てるといわざるを得ないし、他のアイドルもよくて「まぁ、年のわりに可愛いよね、保ってるよね」レベルなんですが、 それに比べ南野陽子は超越しているとしか思えない。20代後半でも全然通じるし、衣装や髪型、化粧法では20代前半といってもなんとかなるくらいなのですから。ほんと、すんごい。
2004年当時でこれですが、これで驚くのはまだ早い。2010年でこの美貌ですよ。
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え、意味分かんない!何この年取らなさ!
最初のウェディングドレス姿は20代前半、この帯の写真は40代で20年経過しているんですよ。なのに、どういうこと? ただただ驚愕です。
南野陽子 Beauty Book:アラフォー女性に贈る美の秘訣 ([の] のまのしわざ)それからもう25年です。
なのに、デビュー当時の輝きを保ったまま。もちろん変化しているのですが、一人の女性としての魅力は一切翳っていません、むしろ幾多の逆境を乗り越え第一線を走りきって輝きを増したその姿に惚れ直します。
そんなナンノだからこそ、ついに3月3日の雛祭りの日に結婚。「23歳で結婚する」と言い続けていたあの日から20年たっての結婚に自ら「スケ晩婚」だったとおどけるナンノ。やっぱすごいわ、まさに永遠のアイドルですよ。
南野陽子 全シングルレビュー南野陽子のシングルはどれも季節の折々に出される短い手紙や和歌のような風情がある。 それはファンへ向けたラブレターであって、そのたおやかさと華やかさにファンは陶酔する。
それは歌というものを介した擬似恋愛の世界であり、アイドルポップスの基本ともいえるが、そのスタイルを極限まで洗練したのが彼女のシングルたちであった。しかし、この「歌で幻想の恋を売る」というスタイルは彼女がアイドルを廃業すると共に急速に廃れていき、共に「アイドル」という存在はその輝きを失っていく。
今の時代のアイドルと、あの時代のアイドル、それは明らかに違う。 その違い、それををひとつひとつ取り出して、語ることは可能だろうが、 端的にいえば、南野陽子に備わっていたもの、それこそが、今は失われてしまったあの時代のアイドルの本質にあるものだと、私は思う。
あくまで神聖で近づきがたい夢の向こうの存在であった時代の、最後のアイドルが彼女であった。
ナンノ・バッシングを受け、迷走していた時代、実は某アーティストと結婚直前までいったことがありますが破局。この原因はながらく謎とされていましたが、最近になってようやく明かされます。バブル時代に本人の知らぬところで莫大な借金を作られ、それが原因だったこと。バブル時代は「借金をたくさんしたほうがエライ」という風潮があり、「お金はどんどん使って、借金するほうがトクをする」という時代でした。今から考えればおかしな話で、理系学生の自分はとても懐疑的だったのですが、当時の大人たちは本気でそう語っていましたね。
そんな時代だからこそ名義を勝手に使って借金を作られて(おそらくは土地投機)、その返済があったために結婚も破談になり、仕事をやめるわけにいかず、端役であろうと淡々とこなして仕事をし続けてきたという舞台裏が明かされました。しかしアイドルは
「清く、正しく、可愛らしく」
なくてはならないとし、そういったことを自分からはいわない、苦しい顔を見せないという、不文律をずっと守り続けて今に至ったのです。
それだけに今回のゴールイン、は一ファンとして本当に嬉しいです。もちろん新郎が羨ましくて仕方なくって、もし街であったらニコニコしながら「おめでとーーー」っていって頭からビールをぶっかけたいほどですけどね。
末永くお幸せに。例え結婚しようと、南野陽子は我々にとって永遠のアイドルです。