出先からiPhoneでラクラク! バッファロー LinkStation LS-V1.0TLは高機能NASでプチ・クラウド体験

でかいハードディスクといえばUSB外付けHDDでいいんじゃない? ということで今のところUSB HDDを愛用しているわけですが、NASも気になるところ。特に昨今は手に届く価格帯にまで降りてきます。

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BUFFALO 76MB/s 高速転送 ネットワーク対応HDD(NAS) 1.0TB LS-V1.0TL

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今回バッファローさんのご好意で1.0TB HDD内蔵、LinkStation LS-V1.0TLを使用できたので、そのレポートを。

(以下、長文です)

【NASってなあに?】

まず外付けHDDとネットワーク対応HDD(NAS)の違いから。

外付けHDDとはその名の通り、PCに接続するのに内蔵ではなく外付けで行うもの。そのためPCにUSBやiLink(IEEE1394)、古くはSCSIやSASIなどのI/Fを通じて直接接続します。

一方ネットワーク対応HDD、NAS(Network Attached Storage)はPCに接続するのではなくネットワークに直接接続するタイプのストレージ。ネットワークに直接つながるためPCに依存することがありません。ストレージサーバーと呼ばれることもありますが、今のNASの機能はそれだけにとどまらず、もはやストレージサーバーの域を超えています。

【外付けHDDのメリット・デメリット】

・メリット

とにかく接続がカンタン。直接接続なのでアクセスが早いです。

・デメリット

PCに直接接続しているので、そのデータを使いたい場合は必ずPCとつなげて使う必要があります。出先に行く時に「ああ、あのデータをみたい」と思ってもHDDを持ってきてなければアクセスできません。かといっていちいちUSBメモリにコピーしていくのも面倒。

【NASのメリット・デメリット】

・メリット

NASはネットワークに直接接続しているので、まず家庭内LANのあらゆる機器からアクセスが可能です。今回のLinkStationではDLNA対応、メディアサーバーにもなるのでPCだけでなくデジタルTVやPS3などから動画や写真を見ることができます。

・デメリット

劣るところはほとんどないのですが、直接接続したHDDよりもネットワークを介する分データ転送速度が遅い、というのはあります。

【バッファローLinkStationのインストール】

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まず物理的接続から。本体はとてもシンプル。本体にACアダプタ、そしてネットワークケーブルです。ネットワークがきているHUBであればどこに接続してもOK。あとは電源を入れるだけ、本当にカンタンです。

次に本体の設定。これは家庭内ネットワークに接続されているPCにインストールCDを入れておこないます。

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「かんたんスタート」をクリックして設定プログラムを実行します。本当であればこれだけでネットワーク上にあるLinkStationを自動検出、設定が終わるのですが…

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検出できません。この原因はPCのファイヤーウォール。ファイヤーウォールを設定したり、アンチウィルスソフトを入れているとこうなります。

アンチウィルスソフトの設定のネットワーク監視、ファイヤーウォールを一時的に解除します。

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一時的にファイヤーウォールを解除しました。再度設定プログラムを実行。

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無事設定完了です。この時点で「完了」を押して終了してかまいません。完了すると自動的に NAS Navigator2というアプリケーションが起動します。

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LinkStationを1台しか接続してないので、1台のみ表示されています。ここでLinkStationを選び、「Web設定」をクリックして次に進みます。

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ブラウザが起動し、ログイン画面となります。

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デフォルトでは shareフォルダが共有フォルダとなって、家庭内LANからアクセスが可能となります。

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Windowsから見た場合、ネットワークの下に共有フォルダを見つけることができます。DLNA対応メディアサーバーとしてデジタルTVやPS3からのブラウズも可能です。

ここまでで外付けHDDと同等以上の機能となりました。さてここからが本番ですよ、いくよ、プチ・クラウド体験!

【Webアクセス】

家庭内LANだけでなく、NAS内のデータを外からアクセスしてしまおうというのが「Webアクセス」。この機能設定は2つの設定が必要です。


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1つはNAS自身、もう1つはルーター。外からのアクセスを許可する必要があるからです。通常はUPnP機能を使って自動的に両方の設定をしてくれるのですが、うちの場合ルーターの設定が特殊なためか自動では設定できませんでした。そこで手動での設定方法を。

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↓ 参考リンク

Webアクセス機能の設定例(LS-CHLシリーズ、LS-SLシリーズ、LS-XHLシリーズ、LS-WSXL/R1シリーズ 、LS-WXL/R1シリーズ、TS-XL/R5シリーズ、TS-WXLシリーズ)BuffaloNAS.com

・LinkStation側設定

「Webアクセス詳細設定」をクリック。

Webアクセス 使用する
HTTPS/SSL暗号化 使用しない
BuffaloNAS.com 登録機能 使用する
BuffaloNAS.comネーム nomanoshiwaza(アクセスに必要な名前。好きな名前でOK)
BuffaloNAS.comキー keyphrase(好きなキーフレーズ。用途不明・・・)
ルーター自動設定機能(UPnP) 使用しない
ルーター外部ポート番号 9000(コンフリクトしない好きなポート番号。今回は内部と同じ9000とした)
NAS内部ポート番号 9000(デフォルト)
セッション排他 使用しない(デフォルト)
セッション有効時間 30分(デフォルト)

・ルーター側設定

ルーター側は「アドレス変換(ポート変換)」を追加します。外側から「ルーター外部ポート番号」で指定したポートがアクセスされたとき、LinkStationのIPアドレス、ポート番号(NAS内部ポート番号)に変換を追加します。

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今回は

9000番 -> 192.168.11.4:9000番

です。これで設定は終了。

・Webからのアクセス方法

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PCの場合、ブラウザを開き

http://buffalonas.com/

をアクセス。BuffaloNAS.comネーム(今回は nomanoshiwaza)を入力すれば接続します。

http://buffalonas.com/nomanoshiwaza

と入力してもOK。

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ブラウザなのに、エクスプローラちっくな画面が表示されます。あとは普通にクリックするだけで自由にデータにアクセスが可能。

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写真があるフォルダはこのようにサムネール表示されます。ネットワーク越しなので多少転送に時間がかかりますが、さほど重いわけではありません。

画像をクリックすると今ウェブで流行りの画像表示方法、LightBoxで表示します。

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画像のリンクをクリックすると、オリジナル画像を直接ブラウザで表示します。

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PCだけでなく、iPhoneからもアクセスできますよ。

・iPhoneからアクセス(Safari)

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同じURLをアクセスすればOKです。表示はiPhoneに最適化されていて、見やすくなってます。

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アイコン(サムネール)表示もされます。PC版でもそうなのですが、縦横比に関わらず正方形にしてしまうので、横位置画像は縦長に、縦位置画像は横長に見えるのが玉に瑕。

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iPhone版はスライドショーも可能。

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見え方はPC版とほぼ一緒です。
iPhone版だけでなく、フルブラウザと同じ見え方に変更することも可能。

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フル機能が使える半面、操作性はあまりよろしくないですね。

・iPhoneからアクセス(iPhone専用アプリ Web Access i)

iPhoneからアクセスする場合、iPhone専用アプリ「Web Access i」を使うことができます。

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もちろん無料。

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まず最初にNAS登録を行います、といってもBuffaloNASネームを指定するだけ。

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あとはサクサク。操作性の違いからか、なんとなく軽快です。

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サムネールは正方形ではなく、縦横比に比例した形。リストとアイコンの2種類の表示方法があります。

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タップすると拡大表示で、三角の再生ボタンを押すとスライドショーとなります。画像は縦位置ですがもちろん横位置にも対応、全画面で表示可能です。

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動画ファイルにも対応しており、iPhoneで再生できるファイルならストリーミングで再生可能です。

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さらにpdfの表示もできます。

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こちらは2級船舶免許の試験問題をスキャンしてPDF化したもの。いわゆる「自炊」をしたPDFファイルでもこんなかんじで閲覧可能になります。

LinkStationをデータの母艦にして、iPhoneでいつでもどこからでもアクセスできるという使い方は非常に便利。プライベートなクラウドといってもいいくらいの出来栄えでした。いちいち画像や動画をiTunes用のフォルダにコピーし、iTunesで同期をとらなくても手軽に写真や動画を楽しむことができますから一石二鳥。しかも容量を気にすることなく使えますから「あ、あの画像!」と思った時でもサラリと見せることができます。


【USB接続・ダイレクト転送が便利】

さてLinkStationにデジカメの画像データを入れるのは少しだけ大変。というのもネットワーク経由なのでファイルサイズが大きく何GBも転送するとなると時間がかかっちゃうから。そこで考えられたのがUSBデバイスのダイレクト転送。

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LinkStationのUSB端子にUSBリーダー経由でメモリカードを挿すと、フォルダとして表示されます。

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(usbdisk1がUSBメモリ)

ここでフォルダとして見えるので、ついこの中をコピー&ペーストしそうになるのですが、それをやるとこんな感じ。

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え、203MBで6分以上?なんで!?

というのもその操作をしているのが無線LAN接続のPC。つまり無線を介してデータを取り込み、さらに無線を介してデータを送っているという、2重で遅くなるという構造。

じゃあ無線LAN接続のPCにメモリカードをさして転送すればいいかというと、無線接続は1回だけになるので2倍の速度にはなりますがそれでも3分。早くありません。

そこでダイレクト転送ですよ。

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ダイレクト転送は本体のファンクションスイッチを1回押すだけ。すると青色LEDが点滅し、数十秒で転送終了。そうそう、これこれ! アンマウントは3秒の長押し。

ステータスがLEDのランプ表示だけなので、分かりにくいのですが転送速度には敵いませんね。

ただこれの問題がもう一つ。というのはネットワーク接続のNASで、外からもアクセスするためうちのネットワーク機器、サーバーが集まっている台所に設置したのですけど、そこへいちいち行かなきゃいけないという点。

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行ってカードをさして転送、自室に戻ってPCで確認・・・またもどってアンマウントしてカードを抜くと。結構手間かも。

あと気になる点は、ファイル名がすべて小文字になっている点。デジカメの規格は全部大文字で普通にマウントすると大文字になるのでちょっと違和感がありますね。まあ気にするほどのことではありませんが。

・・・

ということで基本的な設定は完了。あとはこれをどう流れを作って、活用していくかです。

【理想とするデータコピーと使用方法】

今までの作業の流れ

・デジカメで写真をとる

・SDカードをPCに接続する

・SDカードのDCIMフォルダを外付けHDDのphotoフォルダにコピーする

・DCIMを日付、20110119に変更する

・flickr uploadrを起動し、ドラッグ&ドロップ。アップロードする

これをLinkStationを使うとこんな感じになるのでしょうか。

・デジカメで写真をとる

・SDカードをLinkStationに接続する。ボタンを押す

↓ pictureフォルダの下に自動的に日付フォルダを作って転送される

・flickr uploadrを起動し、ドラッグ&ドロップ。アップロードする

かなり手間が省けます。しかもダイレクト転送先フォルダを公開しておけば、出先からのアクセスも可能。今までflickrにアップした画像だけみられましたけど、flickrにアップするのはそれなりに時間がかかるし、プライバシーの関係上全部アップしてなかったのですが、LinkStationならパスワード保護して全部アクセシブルにするという手もアリですね。

・・・

その他の気になる機能。

【webサーバーも、MySQLサーバーもある高度な機能】

噂によるとこれでMovableTypeを動かしている人もいるんだとか。PHPも動作するのでWordPressをインストールすることもできる? ちょっと気になる機能です。

LinkStation 設定ガイド(10版) -35010693 ver.10 C10-017-

・・・

実はNASを試用するのは今回が2度め。前回はソニーのNAS、Liblog Stationでした。

ソニー Liblog Station HS1 by VAIO 試用レポート:まとめ編(最終回) ([の] のまのしわざ)

【HS1に求めること】

HS1はどうかというと、非常に意欲的な製品だと思います。NASとしての基本機能に加え、VAIO Picture Labといったアプリケーションで楽しく写真を見せることができます。DLNA対応で家族団欒スライドショー、デジタルネットワークオーディオと連携してジュークボックスとしても活用できます。

そんな素敵なHS1なのですが、残念なのが色々できるが故に何がしたいか今一歩伝わらないところでしょうか。いわゆる「器用貧乏」さん?

特に名前、

ホームサーバー Liblog Station

は課題です。筐体の形も珍しい丸型で、製品の形や名前からできることが想像できないのが実はもっとも大きな問題ではないでしょうか。「ホームサーバー」という一般的な言葉でも分かりにくいのに、Liblog Stationとなるとさらに謎が深まるばかり。正直かなり難解な商品だと言わざるを得ません。

基本的な機能としてはほぼ同等。VAIO Picture Labといったファンシーさはない代わりに、iPhoneアプリで外出先からラクラクブラウズできるといった時代の進化が反映されています。

ということで(HS1に)いくつか提案をしたいと思います。

まずは筐体について。

・普通の四角型(小型化)、縦置き可
・無線LAN内蔵で簡単設置
・ACアダプタではなく、電源内蔵

メモリーカードスロットについてはこれが本体前面についているために手元に置きたくなって、NASの良いところであるネットワーク上どこにあってもいい、ということが現状できないと思うのです。だから手元に置きやすい四角型、縦置き可、さらに小さい(薄い)のであれば言うことなしです。

ソニーのHS1と違い、バッファローLinkStationは非常にコンパクト。ここでリクエストしたように四角型で縦置きも横置きもできるので設置場所を選びません。さすがにACアダプタ、有線LANというのは変わりませんけど、転送速度を考えると妥当です。

あれから容量はアップ、値段はダウン。そろそろ一家に一台あってもいいんじゃないでしょうか。

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私はデジタル一眼レフのデータが主ですが、人によっては動画をためこんで、DLNA経由でリビングのデジタルTVで堪能しているという人もいるそうです。

【関連ブログ】

一緒にバッファローさんに説明を受けた仲間たちのエントリーです。

家の中の外付けHDDに外出先からアクセス!(1)

家の中の外付けHDDに外出先からアクセス!(2)