なにせもう20年以上前のことなので記憶があいまいですが。
【草食系 探偵ゲーム】
高校の修学旅行で「探偵ゲーム」なるものをやりました。別名「新興宗教」ともいいます。
ルールは簡単。参加者にトランプを裏にして配ります。トランプのうちあるカードは「主犯」「共犯(実行犯)」となります。
参加者はグルリと輪になって、正座し、頭を畳の上につけるように伏せます。手で頭を隠すほうがいいでしょう。神へお祈りしているような感じですね、なので別名「新興宗教」といわれる所以。
輪の中央には枕をおきます。
全員が頭を伏せたところで、主犯と共犯だけが頭をあげます。主犯が犠牲者を指名。共犯(実行犯)は立ち上がり、中央の枕をとり、指名された犠牲者を(思いっきり)枕でなぐりつけます。
犠牲者はそれから10秒数え、その間に共犯は元の位置へ戻り、主犯ともども何事もなかったかのように頭を伏せます。犠牲者が10数え終わったら全員が頭をあげます。
犠牲者はそこから参加者に尋問(聴取)できます。主犯、共犯以外の人は当然まわりは見えてないし、誰が主犯か共犯かもわかりませんが、音や気配を感じているのでそれを犠牲者に伝えます。
主犯、共犯が尋問された場合は嘘をついてもいいです。
共犯(実行犯)は実際に移動するので特定は比較的簡単ですが、主犯はなかなか難しいです。
尋問を終えたら、犠牲者は主犯を誰と特定します。これが当たれば主犯を枕で殴れます。
はずれたら主犯に枕で殴られます。
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といったルールだった気がします。
ゲームは比較的静かに行われ、目をつむった状態で突然殴られ、
「ごふっ」
「いてっ」
みたいな叫び声しか出ず、尋問(聴取)も淡々と行われるので、民宿でやっても問題ないレベルです。
さてこれが「草食系」探偵ゲームだとすると、大学のサークルで教えてもらった同じ名前の「探偵ゲーム」は肉食系といっていいもの。名前だけ同じですがまったくルールが違います。
・・・
【肉食系 探偵ゲーム】
まず最初にトランプを裏にして配り、「探偵」と「実行犯」を決めます。探偵は名乗りでて部屋のメインライトのところに陣取ります。その他の参加者(実行犯含む)は部屋の中で思い思いの場所で自由に待機します。
探偵がカウントダウンし、部屋のライトを消します。部屋は真っ暗になりますが、ここからがこの探偵ゲームの面白いところ。真っ暗になった間、参加者は誰に何をしてもいいんです!w
そのうち実行犯だけは誰かの首を手でしめます。首を絞められた犠牲者はその場で
「殺された!」
と叫びます。すると探偵はすぐさま部屋のライトをつけ、参加者はその場でフリーズしなければなりません。いわゆる「だるまさんが転んだ」状態です。
ここでわかるのは犠牲者だけですが、探偵は犠牲者以外の人に聴取を行い犯人を特定します。犠牲者は「死人に口なし」なので何もしゃべってはいけません。
参加者は首を手でしめる以外のことはなんでもやっていいので、暗闇に乗じて関係ない人をはがいじめにしたり、くすぐったり、柔道の技やプロレスの技をかけたりとかなり乱暴なことをします。実行犯はその混乱に乗じて誰かの首を軽く絞めて、暗闇の中を逃走するのです。
暗闇の中で逃走するので当然誰かにぶつかったり、ひっくりかえったりと多少のトラブルは当然あり。そこも含めて探偵は実行犯を特定しなければなりません。
この探偵ゲーム、もうひとつ大きな特長があります。
それは男女混合で行われる点。
暗闇の中でうら若き女性とくんづほぐれつが合法的にできるんです。それだけでテンションMAXです。
実際にいやらしいことは暗黙の了解で起きないわけですが(起きたらもうやってくれないので)、それでも暗闇の密室の中で男女がいるわけですから多少のオイタがあったとしても不思議はありません。ということでこの探偵ゲーム、非常に好評で合宿のたびに行われていました。
ただ当然プロレスまがいのワザはかけてドタバタするし
「イタタタッタ」
「ぎゃー、やめろーー」
「だれだーーー、ふざけんな!」
「キャーーー」
など阿鼻叫喚の渦。民宿でやると隣から苦情必至ということで、合宿は主に貸別荘で行われるようになりました。もはや「探偵ゲーム」をやるために合宿をやっているといってもいいレベル。
埃はすごいし、擦り傷など多少の怪我はあるし、今考えるとよくもまあ大事故がおきなかったものです。それにこれに参加していた女子もスゴイですね。まあキャーキャーいいながらしたたかに誰かの首を絞めて、うまく逃げおおせていたのも女子ですが。
聴取を終えて犯人を指名し、あたればその犯人が今度は探偵をやります。逆に外れれば探偵はもう一度探偵を続けます。探偵をすると暗闇の中でのくんづほぐれつができないので、かなり損をした気分になりますね。なので犯人をあげる真剣味が増すわけです。
こんなバカなことやって、最後は男女まじって雑魚寝です。携帯電話も携帯ゲーム機もない、なんともまあ牧歌的な時代でした。