2007年地獄のF1富士訴訟、その後

2007年の地獄のF1富士。訴訟は開催から3年以上たった今も続いています。サイゾーに経過報告が上がっているので、ご紹介。

「富士スピードウェイに未だ反省の色なし」2007F1日本GP訴訟経過報告 - 日刊サイゾー

原告の主張をまとめると、以下のとおりである。

・この原因はひとえにFSWの準備不足によるもので、特にバスルート計画のずさんさ、ボトルネックをまったく考慮していない場内バスルート計画により場内通路にて大渋滞を招いた。その結果渋滞は場外にまで達し、ますます渋滞を悪化させる悪循環に陥った。

・雨天に対する計画・準備もまったくなされてなかった。

 FSWが開示した資料によると、雨の想定はしないことになっており、そのためそもそも検討すら行っていない。また陥没が起こった場内バスルートはバスが通行するために十分な強度をもった設計・施工が行われたという資料は存在しなかった。つまり漫然と従来あった管理用通路を使用し、簡易舗装しかされてなかっためにバスの重量により路面崩壊したと考えられる。さらにバスルートはバスが往復できる十分な幅員をもっておらず、1車線分しかなかった。そのためバスを交互交通させることとなり、渋滞を作り出していた。


富士スピードウェイ、陥没した道路
(陥没した道路。)

 この他、実地検証不足、ピーク時間設計ミス、連絡体制の不備、バス待機場の不適切な設定、関係者専用ルートの未確保、スタッフの教育不足などずさんな計画によるものに加え、当日も臨機応変な対応を怠った。

 バス待ちが悪化し、多数の観客が苦情を寄せたにも関わらず一切対応をしていない。適切な情報を出すこともなく、状況を放置した。軟弱な簡易舗装の場内バスルートは予選日午前から陥没、バスの通行に支障をきたしたがこの発見、対応が遅れた。そのため予選終了後にバスを止めて緊急工事をするなど後手後手の対応によりバス待ちに拍車をかけた。この情報を観客に知らせることもなく、観客を漫然とバス乗り場へと誘導したためバス乗り場は人であふれ、空前絶後の大混乱を引き起こした。

 予選日にこのような状況に陥ったにも関わらず、決勝日に対しての対応を一切しなかった。さらに来場するであろう観客に対して、適切な情報を提供もしていない。決勝日は行きのバスから大混乱、FSW近くで大渋滞によりバスが動かなくなり、刻々と迫る決勝レース開始時間に、まだ距離があるというのにバスを降り、歩いた観客も多数いた。しかしそれでもレース開始時間に間に合わない観客も多かった。

 このような状況で決勝レース後のバス待ちは改善されるどころか、さらに悪化していった。特に被告関係者の車両、いわゆるVIP車両を優先させるために1時間45分に渡ってバスの運行を止めたことは混乱に拍車をかけた。劣悪な環境下での長時間のバス待ちにより、観客の疲労と怒りは最高潮に達し、殺気立った場内では現場放棄、逃げ出すスタッフまで出たほどであった。

 原告の主張に対し被告は、「知らない」「(原告の主張は)信用ならない」として全面的に争っている。

この中でやはり衝撃的なのは、

・雨天に対する計画・準備もまったくなされてなかった

・陥没が起こった場内バスルートはバスが通行するために十分な強度をもった設計・施工が行われたという資料は存在しなかった

・特に被告関係者の車両、いわゆるVIP車両を優先させるために1時間45分に渡ってバスの運行を止めたことは混乱に拍車をかけた

でしょうか。

韓国GPがサーキット施設が未完成のままF1開催、9万人の観客を集めるといわれていますが、これもどうなることか心配です。富士の場合もコースは完成していたのですが、9万人の観客を輸送することや場内導線はやっつけ仕事。従来の施設を流用し、ほぼ何もしてなかったわけなので。しかも雨が降ると予報されていますから、よっぽどガッツがないと韓国GP観戦はできませんね。

韓国GP サーキット建設にドイツから助っ人参上! グランドスタンドでは1,500人の韓国兵士がシートを設置!! - 2chradio

いいニュースは、主催者側が多くの来場者を予想していることだ――日曜日には9万人の観客が見込まれている――が、
それだけのチケットは販売されていないはずだ。

【地獄のF1富士関連リンク】

F1 日本グランプリ in 富士スピードウェイ 2日目:地獄絵図 ([の] のまのしわざ)

[の] のまのしわざ: f1 アーカイブ