エンジンの気筒数は多ければ多いほどエラい、と誰かが言ってきたような気がしますが、最近はどうやらそうでもないようです。
バイクのエンジンはおいといて、自動車のエンジンはだいたい
3, 4, 6, V6, V8, V10, V12
といったように高級車やスポーツカーになるにつれ数が増えていきます。またそのまま伸ばしたのではエンジンが長くなっちゃうので、V型と呼ばれる左右バンクに振り分けた形が一般的で、アメリカではV6やV8が大人気。
V10, V12ともなるともはや一昔前のF1のエンジン、高級スポーツカーに採用されるのみですね。
庶民はといえばまずは4気筒。私は長い自動車生活で4気筒エンジンしか保有したことがありません。
3気筒エンジンはというと軽自動車に多く採用されていましたが、振動や騒音の面でやはり不利で、(最近の)スバルR2など一部の軽自動車エンジンで4気筒を採用して高級感をアピールしていたほどです。
直列3気筒 - Wikipedia小型エンジンのレイアウトとして普及している。日本における軽自動車(総排気量660ccまで)に採用例が多い。世界的には専ら700cc~1,300cc程度までの小型車用小排気量エンジンに用いられる。古典的な事例やトラクター用などを別とすれば、第二次世界大戦後の自動車用でもっとも排気量が大きかった直3エンジンはアルファ・ロメオが1984年にアルファ・ロメオ・33に搭載した1.8L(1,779cc)のディーゼルエンジンである。
同一総排気量で比較すると、4気筒よりも1気筒当たりの排気量が大きいために、4気筒エンジンよりも冷却損失が小さく燃費が良く、2気筒エンジンよりは1回転でのトルク変動が小さいという長所で用いられる。一方、上位クラスで主流の4気筒エンジンと比較すると、4ストロークエンジンとしては振動特性面で劣るため、オートバイ用を除けば大排気量エンジンでは用いられない。
ところが新マーチでは4気筒から3気筒に変更になるなど、気筒数ダウンがみられます。理由は燃費向上のためにフリクションが少ない3気筒が有利ということ。それほどまでに「燃費性能」が求められる世の中になってきたということですね。
【日産 マーチ 試乗】3気筒のネガを感じさせない…松下宏 | レスポンス自動車ニュース(Response.jp)また新開発の3気筒エンジンはアンバランスマスを装着することで、アンバランスシャフトなどを使うことなく、縦方向の振動を横方向に変換し、それをマウントなどで吸収しているという。振動や騒音について3気筒であることのネガを感じさせないので、とても良く仕上がっていると思う。
1000cc 3気筒エンジンといえば、ダイハツ・ブーン、トヨタ・パッソ、トヨタiQで同じ3気筒エンジン 1KR-FEを採用しています。
世界に目を向けると、smartでも同じく1000cc 3気筒エンジンを採用。
smart ~open your mind.~|メルセデス・ベンツ日本が運営専用開発、3気筒1リットルエンジン
高性能を追求した軽量・コンパクトのオールアルミ製エンジン。吸気、排気のバルブタイミングを最適にコントロールする可変機構を採用。より緻密な制御を可能にし、高出力、低燃費、クリーン性能を実現しています。最高出力52kW[71PS]/5,800rpm、最大トルク92N・m[9.4kg・m]/4,500rpmを発生。低回転域から厚いトルクを発生させ、走りやすくゆとりある走りをもたらします。
FIAT 500に至ってはさらに少ない2気筒、ツインエアエンジンを投入予定です。
Car Watch フィアット、ダウンサイジング2気筒エンジン「ツインエア」を展示ツインエアはシリンダー数を減らすことでフリクションを低減し、効率化を図ったダウンサイジングエンジン。同性能の4気筒エンジンより23%小さく、10%軽い。
開発したのはフィアット・パフォーマンス・テクノロジーズ。1.2リッター4気筒エンジンを搭載するフィアット500 1.2 8Vと比べて、燃費が15%、性能が25%改善されている。
動弁系には「マルチエア」を採用。吸気バルブをカムではなく油圧で駆動することで、無段階でバルブタイミングとリフト量を変える技術で、スロットルが不要になる。
振動と音が心配されるところだが、カウンターバランスシャフトを採用したことで、振動を4気筒並に抑えた。音に関しては“キャラクタリスティック”と表現している。
エンジン構造のネガを他の技術の進歩でカバーするというのが現代風ですね。小排気量、低燃費技術は次世代エンジンが一般化するまでのリリーフ技術なのでしょうが、これはこれで注目していきたいです。
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f-dragon
スバルR2、4気筒・・・。私のようにもう古くなってしまった世代からすると???
R2といえば昭和40年代に2代目スバルとして発売されたのがR2。Rはリアエンジン、2ストローク2気筒だったと記憶しています。
日本のものづくりの原点の一つとしてスバル360は長く記憶されなければならないでしょう。
3気筒エンジンについても鈴木フロンて800があり2ストロークなので4サイクルエンジンの6気筒にあたるといわれたものでした。
その後ダイハツシャレードで1000cc4サイクル3気筒エンジンが採用されています。
参考URL
http://response.jp/article/2003/12/08/56187.html
tnoma
> f-dragonさん
うちに(最近の)R2があったものなので、それをさしてました。本文に追記しました。ご指摘ありがとうございます!