先日は子供の運動会でした。
小学校も少人数制ですが、幼稚園はさらに少人数制。シュタイナー幼児教育施設だったので運動会はなし。そのため今回が初めての運動会。
小学校は中学まで9年間(中学は男子のみ)の一貫教育のため、運動会も小学校1年から中学校3年まで一緒。中3といえばもはや大人と同じで身長180cm前後の生徒もいる中、小1から一緒にやるんですからそのコントラストたるや面白いものです。
内容はというととにかく走るのが基本。子供全員50m走をするのはもちろん、生徒全員参加のリレーが圧巻。なにせ小学1年から中学3年まで全員リレーですよ。途中遅い子もいれば速い子もいるので順位がめまぐるしく変わります。バトンを落とせばあっという間に逆転、意外と見応えがありました。
そんな中うちの子は50m走で同率1位とのこと。確かに足はその体躯を活かして速いのですが、とにかくスタートダッシュがダメ。用意、で用意できず。ドンの鉄砲の音でビックリして飛び上がり、ほぼ最後尾からのスタート。それで途中で追いつくんだから不思議。
ユニークなのは順位をつけるだけではなく、全員のタイムを計測している点。毎年計測しているので相対順位だけではなく、自分のタイムの更新状況が分かります。毎年の成長が見えてくるのでタイムを縮める楽しみがありますね。
全員参加のリレーでは3位から2位へとジャンプアップ。バトン受け渡しがいまいちでしたが、なかなかの走りっぷりでした。
他にも玉入れや団体でのマスゲームなどあったのですが、息をのんだのは上級生のマスゲーム。
普通に踊ったり、組体操したりと体育中心かとおもいきや、いきなり「宇宙のはじまり、人類の歴史」をテーマにマスゲームを展開。ビッグバンからはじまり、惑星ができ、生物が生まれ、人類の誕生。集落の発生、そして国の成立。まさかマスゲームで歴史を表現するとは。
さらに驚いたのはこの次。「人類は過ちをおかします。それは戦争です。」
戦争の勃発、そして原子爆弾の投下。それを小学生がマスゲームで表現するんです。小学生が原爆による犠牲者を表現するために、全員がグラウンドにあおむけに寝転がったのには正直、かなり涙腺にきました。まさか運動会でこんな内容を表現してくるとは。
小学生が意味を理解して表現しているかどうかまでは分かりませんが、運動会のマスゲームでこの内容をさせることに本当に驚きました。
一方でこの内容が非常に「日本人の歴史観的」とも感じました。日本では戦争を放棄したけれども、原爆を使ったアメリカでの戦争観、歴史観はまた大きく異なるものでしょう。そうでなければUAVを使った攻撃を正当化できるはずはありません。その点でもローカライズされた歴史観なのかと。
ただ日本人が日本人であるかぎり、その立場や視点をきちんと理解し世界に主張していくことは大事です。子供たちがこれを単なるマスゲームとして演目をこなしているだけではなく、自分たちで意味を理解し咀嚼して、考えるといいですね。
ヒロシマに再び原爆が落ちる日 ([の] のまのしわざ)
うちの子はサッパリな様子でしたが、いつかはきっと。
というわけで、まったくもって実に興味深い運動会・体育祭でした。また来年の成長が楽しみです。