高千穂は神話の里ですが、地形的にも独特です。とくに高千穂峡はその中心部といってもよく、光景がとても素敵でした。
天安河原とはまた違った神々しさを感じるところです。ボート乗り場から滝の近くまでいけるのですが、操船を間違えるとスプラッシュマウンテンなんて比じゃないくらいにずぼ濡れ注意です。
周囲は周遊できる歩道があり、そこを歩くだけでも幾万の年月をへてこの渓谷ができたかが感じられ、壮大な地球の歴史を身近に感じることができます。
高千穂峡 (たかちほきょう)高千穂峡(五ヶ瀬渓谷)は約12万年前と約9万年前の二回の阿蘇火山活動の際、噴出した溶岩流が五ヶ瀬川に沿って帯状に流れ出し、急激に冷却された侵食谷。 上流の窓ノ瀬から下流の吐合間が中心で、1934年(昭和9年)11月10日 五ヶ瀬渓谷として、名勝及び天然記念物に指定され、昭和40年3月には祖母傾国定公園に指定。
大自然が作り出した渓谷をまたぐのは、人の歴史が紡いだ橋の歴史。石造りの橋から鉄橋、コンクリート橋と3本の橋が、産業革命と高度成長期といった時代を感じさせてくれます。
ここ高千穂峡は九州を横断する中央構造線がちょうど折れ曲がるポイントでもあります。高千穂峡から宮崎の方へ「くの字」に曲がっており、大地の裂け目が直線的に延びていきます。
この裂け目により人の営みは日の当たる山間の上の方か、または水のある谷底かに分断されていて、自動車がなかった時代はどういう過ごし方をしていたのか偲ばずにはいられません。この感覚はアメリカのグランドキャニオンを見たときと同じで、グランドキャニオンがインディアンにとって聖地だったように、高千穂が日本人にとって聖地であることはうなづけます。
天翔大橋(宮崎県日之影町)天翔大橋はアーチスパン260mでコンクリートのアーチ橋としては 日本一長い橋です。五ヶ瀬川の水面から橋面までの高さも143mあり、 これも日本一高い橋となっています。 なお、風の強い橋の上には風力発電のプロペラが設置してあり、照明の電力をまかなっているそうです。 龍天橋、青雲橋とともに「日之影町日本一三大アーチ橋」となっています。
日本最長の橋があるなど、道路が余りにも発達しすぎて、うっかり素通りしてしまいそうになるのですが、ここはじっくりと見て回る、感じて回るのがいいような気がしました。
歩くと減るのは小腹です。
奥まったところに休憩処があり、流しそうめんをやっていました。
昭和天皇も立ち寄ったという「おのころ茶屋」で流しそうめんを頂きました。風情があってリラックスできます。ちょうど紅葉の時期だったので風がふくと紅葉した葉が舞い降りて幻想的でした。