フランクフルトショーは蓋をあけてみるとEV(電気自動車)ばかり。ヨーロッパメーカーが軒並みクリーンディーゼルから一斉にEVに舵を切ったことがよくわかります。
ハイブリッドと違い純粋なEVは家庭での充電がキモ。ということで意外と触れられない「(日本での)電気代」について計算してみました。
まず電気代の仕組みから。
電気代は基本的に使用する消費電力量にかかります。契約によりその単価は変動するのですが、一般的家庭での電気代は以下のサイトで求めることができました。
電気代計算君
電気代計算君「全国10電力会社平均単価(1kWh=22円、月間使用量295kWh/月の場合、税込)」
消費電力(W)と、使用時間(h)を入れると計算してくれます。
さてEV(電気自動車)ですが、充電の電気代は電池の容量で決まります。なぜなら電池容量の単位はkWhだからです。
では具体的に計算してみましょう。
【フランクフルトモーターショー09】アウディ R8 EV…459kgmのメガトルク | Response.2次電池は蓄電容量42.4KWhのリチウムイオンバッテリー。ベース車両のR8同様に、ASF(アウディ・スペース・フレーム)シャシーにアルミ&カーボン複合素材のボディを載せたeトロンは、車重1600kgに抑えられた。前後重量配分は42対58と理想的。回生ブレーキも装備された。
459kgmのトルクは4輪に伝達され、0-100km/h加速4.8秒、最高速200km/h(リミッター作動)の卓越したパフォーマンスを実現。最大航続距離248kmの実用性も兼ね備える。
充電は家庭用の230Vコンセントで約6 - 8時間。400Vの急速チャージャーを利用すれば、約2.5時間で完了する。将来的には、自宅や外出先で車両を所定の位置に止めるだけで、自動的に充電を開始するシステムの開発を想定している。
電池容量42.4kWh
走行距離248km
日産・リーフ - Wikipediaセル192個を直並列接続した90kW以上の出力を発生するラミネート型リチウムイオンバッテリーと、最高出力80kW、最大トルク280N?mを発生する電気モーターを搭載する。充電に関しては、3相200Vの急速充電器の利用により、30分で電池容量の80%を充電することができるほか、単相200Vの普通充電でおよそ8時間、単相100Vの普通充電でおよそ16時間で100%充電することができる。また、回生ブレーキシステムも採用されており、満充電で160km走行することができる(LA4モード、電池容量は24kWh)。
電池容量24kWh
走行距離160km
EVポータル -EV(電気自動車)に関連する総合情報ポータルサイト- 三菱 i Miev(ミーブ)
電池容量 16kWh
10・15モード走行距離 160km
ポイントは電池容量のみです。満充電するのに、だいたい以下の値段がかかります。
アウディR8 EV : 933円
日産リーフ: 528円
三菱i Miev: 330円
さてガソリン代を130円/Lと仮定すると、それぞれ約
アウディR8 EV : 7L
日産リーフ: 4L
三菱i Miev: 2.5L
となり、航続距離を割って燃費(ガソリン相当)を計算すると
アウディR8 EV : 35km/L
日産リーフ: 40km/L
三菱i Miev: 64km/L
となります。これは確かに燃費がいいですね。
排出するCO2も計算されるのですが、これまた面白いことに電気代相当のガソリン量と同じくらいなんですね。ですから単純に上記の燃費がでて、CO2排出量も同じと考えて良いです。
電気は火力発電の割合が50%以下なので本来はもっとCO2がセーブされそうなんですけど、ガソリンエンジンと重油、石炭を使う火力発電の効率差がでてきるのでしょう。
次に考えなければいけないのは充電時間です。家庭用電源は単相100Vと呼ばれるAC100Vです。
i Mievで使っている充電池、15kWhの場合、15000Whなので
15000 Wh
= 1500W * 10h
= 15A * 100V * 10h
となります。15Aがどれくらいかというと、1500Wなので、ドライヤーとか、電気ストーブ2個分です。つまりそれを10時間かけっぱなしというイメージです。物凄く熱そうですが、電気代は330円ですからリーズナブル。
これがAudi R8 EVとなると42kWhとなり、単純に計算すると 42Aで10時間となります。こうなってくると10時間がネックというよりも、通常の家庭の電力契約が30Aや40Aなので、一瞬でブレーカー作動するというワケです。まず契約を変更する必要がありますね。
次に10時間も充電待てますか問題。
実際には待てませんね。毎日使うもの、たとえば携帯電話が毎日10時間充電しなきゃいけないってなると気が狂う人が出てくるでしょう。
そこで出てくるのは2種類の解決法。
ひとつはボルテージ(電圧)をあげる方法。
もうひとつは単相ではなく3相にする方法。
100Vから200Vにすれば効率は2倍になります。
単相から3相にすれば効率は2/√3=1.15倍となります。
それらを掛け合わせ、3相200Vにすると単相100Vと比べて2.3倍の効率となり、充電時間は1/2.3になります。とはいえ家庭にこの3相200Vをひくのにいくらかかるのか、という問題が出てきますね。Audi R8 EVは400Vの急速チャージャーっていってますが・・・
また1日で電池を使いきることがなければ、その分充電時間は少なくて済むので、実用性はグンとあがってきます。
昨今電池の性能が上がってきているので、自分で発電するハイブリッドをすっとばしてEV時代に突入しようというのがヨーロッパメーカーの戦略のようです。アウディR8 EVで燃費35km/Lが出るんですから、プリウスも真っ青ですね。
【フランクフルトモーターショー09】ルノー フルエンス 新型セダンにEV仕様 | Response.今回のフランクフルトでは、新型フルエンスとともに、そのEV仕様がデビューを飾った。外観はヘッドライト&テールランプがLEDに変更になるほか、アルミホイールは専用デザイン。ボディサイズは全長4820×全幅1882×全高1520mmで、フルエンスに対して全長は200mm伸ばされている。
【フランクフルトモーターショー09】ルノー Zoe 斬新なアプローチの小型EV | Response.パワートレインは、フルエンス Z.E.コンセプトと共通。モーターはフロントアクスル近くに配置され、最大出力95ps、最大トルク23kgmを発生する。2次電池はリチウムイオンバッテリーで、リアにレイアウト。最大160kmをゼロエミッション走行できる。最高速は140km/hと実用性にも不足はない。 充電は3種類の方法を用意。「スタンダード」は家庭用のコンセントから行うもので、充電時間は4‐8時間。充電ステーションなどで実施する「クイックチャージ」は、約20分。ルノー日産連合が主体となって開発した「クイックドロップ」システムは、約3分での急速充電が可能だ。
【フランクフルトモーターショー09】プジョー BB1 は都市型コミューター | Response.プジョーは15日(現地時間)、フランクフルトモーターショーにおいて、コンセプトカー『BB1』を発表した。BB1は、時代のニーズが生んだ次世代の都市型コミューターという触れ込みだ。 マンガにでてきそうな外観の車だが、座席は4人分確保しながら、全長2.5mというコンパクトサイズで、動力は電気だ。
たろー
1kWh=22円で計算していますが、夜間料金だとその半額まで下がると、感覚も違ってきますね。
tnoma
>たろーさん
コメントありがとうございます。
確かに深夜電力だと1kWh=9円前後となるので、ぐっとお得感が増しますね。
あとは魅力的なEVが出るのを待つばかりですw