えのもとサーキットでは月例のスピードレースに加え、最近「マンガン電池耐久レース」が加わりました。
これはタイムではなく、限られた時間で周回数を競うもの。通常のレースがF1だとすると、ルマン24時間耐久レースに相当します。
今回ようやく念願かなってこの耐久レースに参加することが出来ました。
レースに参加したのはこの2台、左が私で、右が子供用です。
今回ももちろん子供が自分で組んだマシンです。最近はスタビポール、ローラーも組めるようになったので、成長著しいですね。
耐久レースのルールは以下のとおり。
・マンガン電池3セット6本が支給
・15分 x 2回の予選
・2回の予選の合計周回数、上位3名が決勝進出
・決勝は 30分 x 1回、新たにマンガン電池3セット6本が支給される
・電池交換、マシンメンテナンスは随時行ってかまわない
・コースアウトした場合、コースに戻す(選手本人以外もOK)
・コースはレーンチェンジのない、独立3レーン。距離は同じになるようにレイアウト。
通常はニッカド電池やアルカリ電池、しかもパンパンに充電したものを使うミニ四駆ですが、マンガン電池、しかも支給されるので完全にイコールコンディションというのが魅力です。
普段使わないマンガン電池だけに、この耐久レースでは電池の使い方が勝敗を決します。
さて私のレースはというと。
予選第1回目。
スタートしたものの、あまりペースがあがらず、(いつものように)小学生のマシンにラップタイムで適いません。さらに2分程度でガックリとペースが落ちてきました。えええ、電池がへたるの早すぎです。
仕方ないので5分もたたずに電池交換。電池交換をするとなかなかのペースで周回できるのですが、これまた2分もたたずにペースダウン・・・なんということでしょう。
残り5分で再び電池交換。これで支給された3セットは全部使い切りました。ただ傾向は同じでペースが極端に落ちます。
結局119周の周回数で終了。かろうじて子供の周回数107周を超えているものの、小学生の139周には遠く及びません。ちなみにこの小学生は前回の耐久レース優勝者。年、関係ないんです。
しかもこの小学生、2回交換したものの、新品電池を1セット温存。そう、2回目の電池はなんと最初の電池、つまりユースト(USED)ってことです。なにその、F1なみの頭脳戦w
他の予選をずっと見ていると、皆さんいろいろ手をかえ品をかえ。電池交換にしても1本づつ新品に入れ替えるなどしてます。USED電池を使うのは常套手段らしく、2回目に新品を温存するのは定番のよう。
1回目の予選を制したのは165周を走った方。なんと電池交換なしです。最初の電池でペースを大きくダウンすることなく走りきりました、すごいです。最後の方のラップタイムでも私の新品電池のラップと同じくらいで、ものすごい速さと安定をもっていました。
さてその後ペースダウンの原因を探ると、どうやら電池がきちんと接してない模様。マンガン電池、とくに今回使用したものはサイズがちいさく、長さがたりません。そのためいつも使っているエネループと比べミリ単位で短く、きちんと接しないようなのです。
そこで対策として接点をピンセットで思いっきり引き出し、さらに裏側にスポンジを挿入。がっつりと接するように変更しました。
そして第二回目の予選。
今度は極端なペースダウンもなく、安定的に走ってます。電池はすべてUSEDですが、マンガン電池はしばらく置くと復活、出力が高くなるという特性があるためなかなかいいペースです。これはまずまずだなあと思っていたら・・・
マシントラブル発生、フロントのバンパーがとれてるぅ!?
なんとナットが緩んでバラバラです。え!直していいの!?
マシントラブルで即ピットイン。ネジを拾って、再び締めなおして・・・再スタート。
ロスタイムは不明ですが、おそらく約1分程度はロスしたんではないでしょうか。2本目の予選の前にきちんとチェックしてなかったのが裏目に出ました。
マンガン電池はこまめに刻んで3回ほど交換。最後の2分という時点でも交換しペースアップして最後の追い込み。結果126周と、マシントラブルがあったにもかかわらず+7周です。
永遠のライバル、小学生は135周とあと9周でした。マシントラブルさえなければこの予選周回数は勝てたかもしれないと思うと残念。総合周回数ではまあ負けているのですが。
2回目の予選終了後、総合周回数トップ3による決勝レースです。今度は30分耐久、電池は新品3セット6本。
なにせ1セットのマンガン電池で15分走りきる猛者ぞろいですから、その周回ペースはとても高いです。おしなべてモーターは「トルクチューンPRO」を使用しているのですが、とてもそうは見えません。
「トルク」を使う理由ですが、前回大会で総合力に優れていたのがトルクということで、主流となっています。ノーマルモーターでは遅すぎ、ハイパーダッシュではマンガン電池があっという間に消耗するとのことです。ちなみにうちの子供はアトミックを使っていましたが、同じく消耗が(トルクよりも)多かった模様です。
(決勝レーススタート)
決勝レースはハイペースで進行。しかし1台のペースが上がりません。
「これはモーターが終わってる!」
とその場で「トルクチューン」モーターをお買い求め。そして多少慣らしをし、ピットインしてモーター交換。30分ある耐久レースならではの光景ですね。モーター交換後は他のマシンとほぼ同じペースに復活、見事BINGOです。
またピットインして電池をはずし、端子だけラジペンで起こして電池を再セットして走らせるという技も。なんとこれだけでラップタイムがあがるんですから、端子は侮れません。走行中に端子の接触圧力が落ちていってしまうのでしょうね。
そんなハイレベルな決勝耐久レース、30分で300周近く回った方の優勝。お見事でした。
マシンは至って標準的な改造で、目をひくのはハイグレードカーボンバンパー前後、リア620ベアリング装着と、軽量センターシャーシに穴あけ加工をしていわゆる「電池落とし」をしている点。1260円もするハイグレードカーボンバンパーはやはり威力があるのか・・・とうなる私。いやたぶん、それ以外の部分もあると思いますがw
マンガン電池の特性ですが、
・新品電池は電流が流れやすい
・一気に流れ出すと、後は流れなくなる
・使用しないで放置すると復活(また電流が流れるようになる)
・新品で電池を暖めると一気に流れ出て寿命が短い
・使い古し(USED)電池は電池を暖めると効果的
・内部抵抗が大きいため、しばらく使っていると発熱し出力が高くなることもある
といった傾向がある模様。1セットの電池で15分同じようなペースで走れるのは、電池の出力低下と、温度上昇による出力向上がバランスした結果では?という推測でした。
また電池の当たり外れですが、実際あるようで「はずれ」をひいたらその電池をいち早く見抜き、使わないという決断も必要のようです。
そしてピットイン、電池交換のロスタイムについて。
F1でもそうですが、どれくらいのペースダウンがあった場合にピットインして(タイヤ)交換した方がいいというのは計算式で求められます。
実はこの公式を前日に編み出してもっていたんですが、予想以上のラップタイムの落ち込みに意味がありませんでしたw
a = 電池交換時間(ロスタイム)
b = 安定ラップからのラップタイムの落ち込み
c = 安定ラップ
t = ロスタイムを取り戻す時間
t = ( a * c ) / b + a
a = 30秒
b = 1秒
c = 5秒
とすると、
t = (30*5)/1 + 30 = 180秒 = 3分
つまりラップタイムが1秒遅れているのであれば、交換すると3分で取り返せるという公式です。もっとも期間中のラップタイムの落ち込みは計算外です。
電池だけでこれだけの駆け引きがあるんですから、耐久レースは面白いですね。
予選を勝ち上がるには150周/15分、総合で300周がボーダーラインでした。次回はマンガン電池の性能を100%発揮できるようにしたいですね。まずは端子と電池落とし、かな。
いやあ、ミニ四駆って奥が深いです。
ミニ四駆レース:えのもとサーキット8月月例レース ([の] のまのしわざ)