tumblrのreblogで逮捕される日

昨夜の「夜のプロトコル」でtumblr界を激震させる言葉がでました。

Twitter / 津田大介: 昨日の夜トコで話したtumblrのbiccchiとa ...

昨日の夜トコで話したtumblrのbiccchiとappbankのグラビア大量転載は下手すりゃ逮捕あるんじゃないかって話は根拠があって法制だとか警察の考えだとか、某著作権団体の財政だとかそのあたりで今起きてることを考慮すると結構笑える状況じゃないよねってことが言いたかったのです。

Twitter / 津田大介: 現実問題としてtumblrでグラビア写真大量post ...

現実問題としてtumblrでグラビア写真大量postしてる人間を挙げるとしたら最初は「見せしめ」的なものになると思うので民事まで行くかどうかは微妙。だからといって「民事まで行かない」とも断言できない。どっちにしろ現状の日本のtumblrのあり方がどこまで放置されるかは本当に微妙。

なにせ文化庁の著作権分科会で「ちょっと位のコピーは認めてもいいんじゃないか」と発言し、失笑を買ったというtsudaさんの発言ですから、重大です。

もともとtumblrはreblogが簡単な時点からこの問題点は指摘されていました。

「tumblrは著作権がやばいから使わない」

という人もいます。

昨今はリンクを掲示板に貼付けたことで逮捕されるという事件もありました。

リンクで逮捕にネット界騒然 ココログニュース:@nifty

報道されているところによれば、海外の児童ポルノサイトのアドレスをインターネット掲示板に掲載したとして男性二人を神奈川県警が逮捕し、児童買春・児童ポルノ禁止法違反で罰金50万円が確定したという。また、掲示板を開設した19歳の少年も同法違反ほう助容疑などで書類送検されている。

appbankさんやbiccchiさんが逮捕された際は、アメリカの tumblrも幇助で逮捕されるのでしょうか。いやそれより、reblogした全員が芋づる式に幇助で書類送検されたりして。まさにガクブルです。実はそんな冗談をいっていられないほど事は重大です。

アカウントごと削除するのは簡単ですが、一方で fair useについても考える時期が来ているでしょう。

憲法で表現の自由が認められ、また引用についてもある一定の条件、慣例を満たせば無断で行うことが可能です。これは文章だけではなく、画像、例えば漫画の一部のコマなども対象です。

その一定範囲内であればreblogも許されるはずですから、fair use reblogの可能性を模索したいところです。

夜のプロトコルの関係者の皆様、参加者の皆様、お疲れ様でした。

追記)

tsudaさんの見解です。

[JK]かしゆか(Perfume)部長のしわざ - appbankさんやbiccchiさんが逮捕された際は、アメリカの...

日本の著作権法ではかなり明確に引用の要件が定義されていて、それさえ満たせばほぼシロで引用できる(画像もできるけど、条件的にはより厳しい)。これに対して米国著作権法は「引用」という概念そのものがなく、実際の使い方や市場に対する影響などを考慮して問題があれば裁判で争いましょうという考え方。重要なのはTumblrのReblogは日本の著作権法が規定している「引用」はほとんど満たせないということ。正確に言えばReblog時に「正しく引用」することは可能だが(tekusukeさんがたまにやってるみたいに必要最小限だけテキスト持ってきて、それ以上の論評を加えているようなケースは主従の関係性、出典の明示、引用部が全文でなく必要最小限に限れば、正当な引用として認められる)、ほとんどのtumblrユーザーはそれをしていない。画像に至っては出典や著作権者が明らかになっている例はほとんどない(どころか、被写体が誰かすらわからなかったりする)ので、現状の使われ方では、「fair use reblog」が正当なものとして認められることはないでしょう。だから著作権法とかフェアユースの可能性を模索するってのは初めからナンセンスで、コミケのような黙認市場を作るか、ワンフェスのような時限ライツ特区を作るか、iTunes Storeのようなエコシステム(マネタイズプラットフォーム)にするか、この3種類以外は解決不可能。そうでなければ、数多あるインターネットの中で存在感のあるアングラサービスとしてひっそりやってくしかないわけで、多分Tumblrは(少なくとも日本では)その道しかないなーと思います。 (via tsuda)

そして biccchiさん、appbankさんは一時撤退の様相。