水前寺成趣園(水前寺公園)と古今伝授の間

(2008年9月に熊本を訪れた旅行記です)

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水前寺公園、正確には水前寺成趣園は歴史ある庭園です。

水前寺成趣園 / 水前寺成趣園

肥後細川藩初代忠利公が鷹狩の砌(みぎり)、渾々と清水が湧くこの地を殊の外お気に召され、御茶屋として作事されたのが始まりです。後、綱利公の代に大規模な作庭がなされ、桃山式の優美な回遊式庭園が完成、陶淵明の詩(帰去来辞)より成趣園と命名されました。華やかな元禄時代には東屋も沢山あり、成趣園十景を選んで楽しまれました。重賢公の代、宝暦の改革で建物は酔月亭一つを残して撤去され、樹木も松だけの質素なものとなりました。護久公の代には版籍奉還で一時官有地となりましたが明治11年10月7日、成趣園を境内地として細川藤孝公・忠興公以下歴代藩主を祀る出水神社が創建され今日に至っています。

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園内にある神社は「出水(いずみ)神社」といい、細川家代々を祀っています。

出水神社について / 水前寺成趣園

明治10年西南の役で、熊本の城下は焼野ヶ原となりました。旧藩主を敬い慕っていた旧藩士たちは、藩主の御霊を祀り御恩に報い、御恩徳によって、戦いで荒んだ人心を安定させ、熊本の町を発展させようとの願望から崇敬者相集い、細川家に関係の深い水前寺成趣園の地を選びここに社殿を創建し、細川藤孝公ほか3柱を斎鎮しました。後に歴代の藩主10柱及び忠興公室ガラシャ夫人が合祀されました。

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出水というだけあり、まさに清らかな湧水。清い、水前寺といえば「水前寺清子」さんですが、もちろん名前はこの水前寺からとっています。ちなみに八代亜紀さんは熊本県八代市出身だから。まあ豆知識ですけど。

この水前寺成趣園にあるのが「古今伝授の間」。

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古今伝授の間 観光ガイド:熊本県重要文化財@水前寺公園

昔の日本における最も洗練された文化の一つに、「歌道」と呼ばれるものがあります。

自然の美しさや、自分の感情などを定められた形で表現するその言葉遊びは、貴族たちを中心とし、永い間日本を代表する文学として発展してきました。

その「歌道」の最高峰ともいうべきものが『古今伝授』です。『古今伝授』は、時代に翻弄されながら様々なドラマを生み出し、当代で最も優れた歌人へと継承されていきます。

この『古今伝授之間』は、戦国時代、細川家中興の祖・幽斎が、八条宮智仁親王に『古今伝授』を授けた由緒ある建物です。くつろぎのひとときを

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さすが木造築400年だけあって柱はボロボロ、襖も色褪せてきっていてここだけ見ると単なるボロ屋ですけど、この風情の出方は凄いです。圧倒されます。

ここでお茶をいただき、庭を眺めるとまさに絶景。

残念ながらこの木造建築はちかじか建て替えるとか・・・この風情に達するまでにあと400年待たなければならないので、気になる方はぜひ早めに訪れることをオススメします。


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