北極の氷は解け、南極の氷は増えている

南極などの大陸の上の乗っている氷が解けると海面が上昇するのではないかという指摘がありましたが、私もそう思えたので少し調べてみました。

気象庁 | 海洋の健康診断表 海氷面積の長期変化傾向(全球)

北極域の海氷域面積は明らかな減少傾向にあります。 (中略) 南極域の海氷域面積は、近年わずかな増加傾向がみられますが、長期傾向として増加しているといえるものではありません。

つまり北極の氷は解けているけど、南極の氷は少なくとも一時的には増えている!というのが観測事実です。

気象庁ではシミュレーションも行い、予測をしているようですがその予測とも一致しているそうです。おそらく地球シミュレータを使っているんでしょう。

気象庁発表ですからねえ、本職ですからねえ。これは信頼しても良いのかなと。

気象庁 | 海洋の健康診断表 気象庁の地球温暖化予測実験

地球温暖化 - Wikipedia

最新の予測では、2100年には平均気温が最大推計で6.4度、海面水位は平均推計で38.5センチ(最大推計で59センチ)上昇するとされている。海面水位上昇は1980年代には数メートルの上昇が予測されていたが、1990年代にはIPCCにより67センチと予測され、2001年には48.5センチと予測されており年々上昇予測の水準が低下している。

というデータがありました。

海面が上昇するというのは、単純に考えると海水量が増えるということなので以下の計算式で増えたΔ海水量が求められます。

Δ海水量 = 海の面積 x Δ海面

地球 - Wikipedia

総面積は5億1007万2000km2で、そのうち海が3億6113万2000km2(地球表面の70.8%)、陸地が1億4894万km2(29.2%)である。

Δ海水量 = 361 x 10^6 [km2] x ( 0.385 [m] x 10^-3 [km/m] )
= 361 * 10^6 * 0.385 * 10^-3
= 138.9 x 10^3 [km3]

水の総量のデータは以下から。

長沼(1995)による

地球上の水の総量は14億km^3前後と見積もられている。このうちもっとも多いのは、水圏全体の97.5%を占める海水である。

発表年や発表者によってかなりの違いがあるので、これから分かることは人類は地球の正確なデータを持ってないということですが、仮にカリーニンのデータを利用して(陸水の)氷の総量 29 x 10^6 [km3]からすべて溶け出したと仮定すると

溶け出した氷の割合 = Δ海水量 / 氷の総量
= (138.9 * 10^3) / (29.0 * 10^6)
= 0.00478965517
= 0.48%

と陸水の氷のうち僅か0.48%が溶け出した計算となります。

どうやって海面の上昇量を試算(またはシミュレート)したかは分かりませんけど、陸水の氷が解けたとしても0.48%ですからね、僅かすぎます。

地球温暖化 - Wikipedia

既にツバルでは集団移住が計画されており、今後この様な海面上昇による移民(環境難民)の発生が予測されている(ただし、オーストラリア国立潮汐研究施設がツバルの首都フナフティに設置した潮汐計では、これまでのところ平均海面高の変化は示されていないなどの意見もある[37])。IPCCの第3次報告書には、西暦2100年までに30cmから1mの海面上昇が起こるだろうと計算されている。

AR4によれば、ここ1993-2003年の間に観測された海面上昇は、熱膨張による寄与がもっとも大きい値を示している(1.6±0.5mm/年)。ついで氷河と氷帽(0.77±0.22mm/年)、グリーンランド氷床(0.21±0.07mm/年)、南極氷床(0.21±0.35mm/年)とつづく。

やはりそれよりも他の要因、熱膨張が影響しているようです。

そうなると「氷が解けて海面上昇する」というロジックはないと言い切っていいでしょう。
というか、ツバルの海面高の変化は観測されてないという報告書の方が衝撃的(w