おそらくは何十年ぶりかに乗る箱根登山鉄道です。スイッチバックを3回繰り返して山を登って行きます。この車両、昭和25年製、55年の歴史のあるものです。レトロがカッコイイ。
この温度計のフォントとか最高です。
日本という国では「古いものは悪、新しいものが善」という風潮があり意外と歴史的な建造物や製品を大事にしません。最近では皇后の生家であった大正建物を潰して更地にして、公園にするというのがありました。建造物自体にさほど歴史的な価値がないとの杓子定規な判断ですが、世界的にみてQueenの生家であるだけでも重要で、なおかつ稀な大正建築という複合的な価値は計り知れないものです。なにせ、一度潰したら二度と見ることは出来ないのですから。歴史的なモノとはそういうことなのです。自然を大事にすること、環境を大事にすることと、歴史を大事にすることは実は等質なものです。
そんな中、この箱根登山鉄道の旧車両はこのまま頑張って欲しいですね。あのサンフランシスコのケーブルカーはもちろん観光目的というのもありますが、100年の歴史を守っています。NYではpre-war buildingが高級とされ、大事にされていますし、grand centralも建て替えの話があっても未だに守られています。NYの方が東京と比べてよっぽど50年前から100年前の歴史ある建造物が残っているのが不思議でしたが、単純に焼け野原になったとか、地震があるとかそういう外的要因ではなく、日本人の意識の問題のようです。