機動戦士とモビルスーツとガンダムと

SEED DESTINYが終わって空虚な土曜日を過ごしている今日この頃です。録画したDVDをまとめて見たりしているのですが、色々と考えが湧いてくるのでちょっとそのまとめを今後やっていこうかと思ってます。

「機動戦士とモビルスーツ」

ブライト「アムロ、お前の機動戦士をスタンばっておけ。」

とか、

「て、敵の機動戦士が迫ってきます!!」

とか言いませんでしたよね。これは当然ですが、モビルスーツと劇中ではいっており、一切「機動戦士」という言葉は出てきません。ファーストガンダムでは既成のロボットアニメと一線を画すためにわざわざ「モビルスーツ」という言葉と概念を創出して、まさに「スーツ」かのように身にまとうかのようにパイロットの性格付けを拡張する服飾として扱うことに成功しています。もっとも分かりやすい例がマ・クベのギャンです。中世オタクだった彼の美意識がモビルスーツのデザインにまで表れています。そして当然のように赤い彗星、シャアです。意味もなく目立つ赤色。自己主張が強く、群集に埋没することを好みません。Z(ゼータ)では赤も一般的になってしまったために金色という常識はずれな色を身にまとっています。

「モビルスーツとGUNDAMとガンダムA(エース)」

20年が経過したSEEDシリーズにおいても「モビルスーツ」という呼称は出てきます。しかし一方で「ガンダム」が一般化して、複数のガンダムが登場することになりました。劇中では「G.U.N.D.A.M.」というOSの呼称に置き換えられており、「ガンダム」と呼ぶことは逆にほとんど無くなっています。キラとカガリが例外的に(演出上)「ガンダム」と呼んだことがありますが、通常はその前の「フリーダム」のような呼称に留まっています。

雑誌「ガンダムA(エース)」は複数の漫画で構成されています。共通点はモビルスーツが登場する点だけで、その時代設定や世界観はさまざまです。ここに至って「ガンダム」は「モビルスーツが登場するSF」というジャンルとして定義されているわけです。

私たちの世代では「ガンダム」といえば初代ガンダムを軸とした宇宙世紀ものなのですが、その後の武者ガンダム、Gガンダムといった多様性をもった時点で一般化していったことが見て取れます。そう考えるとロボットが出る、搭乗する、パイロットのキャラクター性を助けるものはすべて「ガンダム」といっても過言ではありません。

一般社会でガンダム化している最たる例は車やバイクでしょう。スポーツカーをカスタマイズ、チューニングする行為はガンダムでいえば赤い彗星化などのpersonalizationに共通します。「ガンダムデザイン」や「ガンダムチック」という言葉で形容されることもありますが、それだけガンダムに影響されたユーザーと評論家が存在することでも分かります。

このように「ガンダム」という言葉が一般化し、社会に溶け込んだ現在では逆にその価値はデフレ傾向にあり、存在が危ういです。つまり「ガンダム」という言葉は知っていても「機動戦士ガンダム」は見たことがないという市民がほとんどだということです。

すべての原点に帰着するために、義務教育に取り入れることが必要だと思います。

機動戦士ガンダムさん さいしょの巻
大和田 秀樹 矢立 肇 富野 由悠季

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