毎週の課題になりつつある輸入車の試乗ですが、今週は試乗車を用意して下さるということだったのでVOLVO V50に乗ってきました。
試乗車は一番ベーシックな2.4, エンジン出力は140ps。最初は特筆すべきところはない、フツーの車だなあなんて思ってました。しかし5分、10分と試乗してみるとなんとなく変化が。やたら馴染むんですね、操作とかシートとかが。これがもしかしたら「疲れない」ということなんでしょうか。「乗りやすい」という言葉でいっちゃうと凡庸ですが、国産車の「乗りやすい」とはまったく違う感覚です。ハンドルに対して素直に曲がるし、柔らかめのブレーキで素直に減速する「普通」さなんですけど何かが違います。うーん・・・
仮説ですが、ゴツゴツしたショックや、パワフルなエンジンにスポーティなエンジン音と刺激的なものがない状態で格別表現のしようのない車のことを「乗りやすい」と表現しているのではないかと。
ラーメンでいえばチャーシューや卵も入ってないラーメンを「素ラーメン」と呼んでますよね。なんの変哲もない、製麺所で買って来た麺と醤油ベースのスープを組み合わせた「素ラーメン」みたいな失望感が、従来の「乗りやすい」と表現される車にあったように思います。
一方VOLVO V50 2.4はVOLVOの中でもっともエントリーな車であり価格であるにも関わらず、ベンツC180並みの価格。麺とスープがただ者ではないこだわりの味みたいな感じです。乗れば乗るほどじんわりと深い味みたいなものが伝わってきました。それが「ああもっと走っていていいな」と思わせます。シートもじんわりと沈んで体に馴染むんですね、不思議と。
もう一つ感覚的に違うと感じたのが隔絶感です。エンジン音も普通に社内に入ってくるのでとにかく静粛というわけではないのですが、外界が35度の猛暑にも関わらずその熱線や空気の感覚が伝わってきません。これはまさに
「走るスウェーデンハウス」
といった趣きです。スウェーデンハウスは窓が厚い3重ガラスで、窓枠にはゴムパッキングがされていて24時間空気循環機が動作している、いわば宇宙船みたいな家なのですがイメージはそんな感じです。ドアの内張が何センチも深くとっていてドアがやたら厚い。その骨太な作りがそんな感覚を醸しているのかもしれません。
正直、カタログや外から見たときに全然期待していなかったのですが、期待をいい意味で裏切られました。これは良いです。
足回りですが、柔らかいけれどもコツコツとしているという印象です。タイヤも別段扁平がきついわけではないのですが、路面のでこぼこをきちんと拾って音をさせます。が、だからといって固いわけでもないし、どうなっているんだろう?? ボディが固いのかなあ。
この「素ラーメン」に刺激が欲しいひとは卵を乗せたり、チャーシューを乗せたりとトッピングを楽しむことが出来るわけですね。同じ排気量、NAでパワーがあるものがあったり、ターボモデルにAWDモデルと段階的に用意されているのはそういった指向性の表れなのかも知れません。
全部入りがRシリーズなんでしょうかね(^^) じゃんがらラーメンは全部入りを頼む私です。ラーメンみたいにお求めやすければいいのですが。
p.s.
そういえばうちの子供を助手席に乗せて試乗したのですが、やたらと上機嫌ではしゃいでました。こんなにドライブではしゃいだのは初めてです。
p.s.2
燃費は話によると7km/Lくらいだそうで、ターボモデルも走り方で同じくらいになるとのこと。カタログスペックと同じ傾向のようです。