ソフトウェアプロジェクトと学園祭と

就職してこのかたソフトウェア、IT業界にずっといますがだいたいのプロジェクトで混乱というか、崩壊というか、disasterというか、大変な目に逢わされてます。

そんななかこんな本を読んだりするのですが、、、

デスマーチ―なぜソフトウエア・プロジェクトは混乱するのか
Edward Yourdon

発売日 2001/02/01
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今やどこでもデスマーチ?
デスマーチが常態...

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人月の神話―狼人間を撃つ銀の弾はない
Jr. フレデリック・P・ブルックス , 滝沢 徹

発売日 1996/02
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マネジメントに関わる人間にとって示唆に富む本
ソフトウェアエンジニア必読のスーパー古典!
情報システムの仕事に関わっている方には是非お勧め

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余りにもその通りなので涙が滲んできます。

- わー、仕事が期日に間に合わない
- 人とろう、面接だ!
- とりあえず10人とったぞ!
- 一体だれがまとめるんだ?
- Javaできるって履歴書に書いてあったけど、「初めてのJava」を開きながらコーディングしてるぞ!?
- もうすっかり出来てるはずなのに、バグが一杯、仕様が全部インプリされてないぞ!!
- 全然開発速度が上がってない??

人月の神話はまあひらたくいうと、10人で10ヶ月かかる仕事を100人月と計算し、ならば倍の20人にすれば5ヶ月でできるだろうという間違った思い込みから来る悲劇(ときには喜劇)のことです。

ソフトウェアプロジェクトで再三繰り返される悲劇なのですが、さっき気付きました。これはみんな学習してないんじゃなくて、そうなることを望んでいるのではないか?と。

- 今月は休みなしだ
- 昨日は家帰ってないよ
- おれなんか一週間帰ってないぜ
- もう3連続徹夜だ。そろそろ風呂はいりてえ
- あれ?ファイルがみつからねえ
- うわ、間違ってディレクトリけしちまった
- あれ、古い奴submitしてないか?
- バックアップからリストアしよう、、、ってバックアップが古いじゃん
- あと二日で締め切りだけど、そろそろ出来てきたぞ。今日は家帰れるかな?あ、HDDがとんだ・・・

ということになるのを知りつつ、この状況を楽しんでいる、いや求めているのではないかと!ソフトウェアエンジニアはこの状況に陥らないと燃えない、いや萌えないに違いない。これは何かに似ている、そう学園祭の前の極限状態に近い。

そもそも学園祭の催しモノにおいては企画はあっても「要求仕様」の把握やスケジュール管理、進捗管理、human resourceの管理をするといったことはない。マイルストーンもとくに設定せず、あるのはただ学園祭の開催日程と予算のみ。本業の勉強なぞ忘れて若さに任せて徹夜の連続、そして迎える学園祭当日はヘロヘロになっているというアレだ。だからこそ皆燃えるのであろう。

うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー


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うる星の定番。しかし…
多面的なジャンルを持ち合わせているドリーム・ファンタジーアニメの決定版
アニメ映画黄金期の代表作

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学園祭前日の極限状況が延々に続くことから物語がはじまる押井守監督のこの作品は永遠の名作です。ただ、これがシアワセなのかどうかは、ソフトウェアエンジニアならば分かるはず(^^)

さて、デマルコの著作ではソフトウェア開発の理想系をといています。

ピープルウエア 第2版 - ヤル気こそプロジェクト成功の鍵
トム・デマルコ, ティモシー・リスター, 松原 友夫, 山浦 恒央
ゆとりの法則 - 誰も書かなかったプロジェクト管理の誤解
トム・デマルコ , 伊豆原 弓


熊とワルツを - リスクを愉しむプロジェクト管理
トム・デマルコ, ティモシー・リスター, 伊豆原 弓

理想的なソフトウェアプロジェクトを遂行するためには、色々な条件が要りますね。なかなかそうはならないので今日も明日もビューティフルドリーマー。