ホンダタイプR戦略

今週のベストカーに「ホンダスポーツはなぜ売れないのか」という問題提起が載ってました。

ホンダ初のVTEC B16Aエンジンを搭載したCR-X SiR、そしてB16Bエンジンを搭載したシビックタイプRをボディ補強なし、ありの2台所有した経験から考えてみました。

確かに今のホンダスポーツカーは売れてないみたいです(苦笑
逆にいえば先代のDC2インテグラタイプRは相当数売れましたね。一方EK9シビックタイプRもそこそこ売れました。ただ売った年数が3年弱しかなかったので結局一番売れたのはDC2インテグラタイプRとなります。

一方で現在のDC5インテグラタイプR、EP3シビックタイプRは壊滅的に売れていません。そしてフラッグシップであるNSXやオープンFRスポーツのS2000(これは現在所有中)、アコードユーロRも同じく売れてないです。そこで前述のような将来を憂慮する記事があるわけです。

しかし思うんですが、売れなきゃいけないんでしょうか? ミニバンで稼いだお金をスポーツカーに横流ししちゃいけないんでしょうか。売れないからといってこういったモデルをバッサリと切り捨てて、セダンとかミニバンとかコンパクトカーのみになったらそれはトヨタ。まあ商売としては売れた方がそりゃいいんですが、なんかこう、希少価値が失われる気がします。

タイプR系のエンジンの魅力はトルクではないし、パワーでもないです。もしそれならばさっさとタービン付けて、過給すべきでしょう。魅力は高回転まで回ることです。VTECのハイカムを使った伸びやかな加速感、アクセルに敏感に追従するダイレクト感、心地よい排気音が五感を刺激して止まないのです。バイクのエンジンと同じことで気持ちを高揚させるか否か、それが非日常を演出する秘訣では。

ただ気になるのが取り巻く環境変化やターゲットユーザーの加齢などの要因です。パフォーマンスを考えるとランエボ、インプにはかないません。そしてタイプRをノーマルで乗るというよりも、中古のタイプRを改造して乗る方が満足度が高い状況があります。つまり以前のタイプRは競合がなかったのに対し、現行タイプRは旧タイプRが競合してしかもそっちの方が強い状況にあるのが問題では。実際自分も買うことを検討したのはDC2の4ドアでした。

自分がランエボやインプなどのハイパフォーマンスカーを選択しないかというとそれはまず維持費が高い。特にタイヤ代ですね。それに乗りこなせない点です。あそこまで早いと腕がついていきません。同じ理由でNSXも無理だと思ってます。それ以前にかえませんが。

サーキット走行を楽しむにはタイプRは最適な車です。そしてそのおかげでサーキット走行会というものが商業ベースにのり、ミニサーキットは増えました。これはタイプRの功績といっても過言ではないはずです。筑波サーキットや富士スピードウェイにミニサーキットが出来ました。しかし肝心のホンダのツインリンクもてぎにはミニサーキットに相当するものは無いのが不思議です(北ショートコースは複数台数のコースインは出来ないはずなので除外)。

もう一方見逃せない動きがあります。それは空前のドリフトブームです。この20年近く、ドリフトは土屋圭市というカリスマが牽引してきましたがそれがD1 GRAND PRIXで花開きました。ドリフトはカッコいい、女にもてる(笑)。サーキット走行会では男しかいませんが、ドリフト走行会は彼女連れが目立ちます。若い連中はタイプR買ってエアコン外したり、リアシート外したりとストイックなことせず、安く180SXやシルビアを買ってきてエアコン付きの快適装備のままドリフト仕様にしちゃうみたいです。ホンダはドリフトの必要十分条件である後輪駆動車はNSXとS2000しかないので若い連中には買えません。それにD1 GRAND PRIXに両方出てないし。

結局車はいつの世でも「女にもてるかどうか」で決まるんです。

手に入りやすく女の子にもてて、しかも楽しい、早いスポーツカー作り。それが求められてます。しかしタイプRの方向性とは違いますね。とにかくストイックでマニアなレーシングカー。それがタイプRですので。

だからターゲットユーザーを20台から30~40台にシフトして、とにかくプレミアム性を高めていくこと、さらにストイックになることが重要なのでは。結婚して子供がいると不倫でもしない限り、女の子にもてる必要はありません。それと拡大戦略ではなく統合していくことが必要。実用性の3(または5)ドア、家族も納得の4ドア、完全に趣味の2シーター。この3種類でいいのでは。

そう考えると

・1600~1800ccエンジンの軽量スポーツ 200万円
・2400ccエンジンの大人のセダン 300万円
・マルチシリンダー、大排気量のリアルスポーツカー 600万円

で十分です。今のラインナップはありすぎということですね。ここにはリアルオープンカーはありませんが、S2000はホンダ50周年記念車ですから無くなっても仕方ないです(^^;

次は次世代NSX欲しいなあ・・・(乗りこなせないのに欲しがる)