「音響カプラ-ってなんですか?」というネットワーク系エンジニアがいるんだから、「イノセンス」の視聴者が「ブレードランナー」を見ている保証はない、と今朝気付いた。
「ブレードランナー」はフィリップ・K・ディック原作のSFを、リドリー・スコットが映画化したものだ。余りにも有名なので当然全員が見ているものと思っていたのだが考えてみればこの映画は1982年に公開、もはや22年前の古典。まだ生まれてないよという人も多いのだろう。
映画瓦版:GHOST IN THE SHELL攻殻機動隊全編に濃厚に漂う『ブレードランナー』からの影響。82年に製作された『ブレードランナー』は、内容そのものよりその美術セットのデザインが後の近未来アクション映画に影響を与えている。原作はいわずと知れたP・K・ディックの傑作「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」だが、映画化された時点でこの原作が持つ「人間とは何か」というテーマは消えてしまった。この『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』は美術デザインに『ブレードランナー』の影響が見られるだけではなく、描かれているテーマそのものが「人間とは何か」「機械に魂は宿るか」というもの。これは『ブレードランナー』の影響を受けながら、オリジナル以上にディックの原作に近い場所まで踏み込んでいる映画なのだ。
ということなので、「ブレードランナー」を見ておくと攻殻の世界がわかりやすいだろう。とはいっても「ブレードランナー」もかなり特異な世界であるが。
最近の映画でいえば「マイノリティ・リポート」もディック原作である。
「夢か現(うつつ)か」というテーマでいえば、テリーギリアム監督作品が「夢」を題材に表現の限りを尽くしている。
心に残る映画:未来世紀ブラジル(BRAZIL)強引にまとめたいんだけど、どうもこの映画を語るのに、的確な言葉が出てこない。いろんな要素が詰まりすぎている。別の人の言葉を借りよう。「この作品は限りない自由を求める個人の魂とそれを抑圧する社会との関係を、美しく幻想的にそして思いっきり大袈裟に描いた映像である」 (巧い表現だなあ。)
なんともいえないラストに本当に複雑な気持ちになった映画「ブラジル」。TV放送時にはその大事なラストをカット!!されていたので、ビデオで全編を見るまで本当のラストを知らず、衝撃を受けた。
12モンキーズも正気と狂気の境目がはっきりしなくなってゆく点で似たようなテーマ性を持っている。こちらも評価が高いのでオススメ。個人的にはバロンも好きだが。
「映画を見るのに映画を見る」ってのは、なんだか大学の授業で「電磁気学2」を修了してないと「電気工学実験」に進めない=留年みたいで嫌なんだが(^^; 見といて損はないはず。
関連リンク:
Movies and Films based on works by Philip K. Dick - MotionPicture adaptations -
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