個人情報はプライバシーではない?

昨今PIMとか問題になり過敏になりがちな個人情報ですが、ユーザーの反応は落ち着いたものです。

ビタミンX: Yahoo!BBの解約者が増えない理由

「安かろう、悪かろう」という感じであまりYahoo!BBに期待しておらず、「個人情報が流出しても仕方がない」と割り切っているユーザーが多いという結果に。

中には,「Yahoo! BBには,セキュリティの高さを期待していたわけではない。ADSLやIP電話の料金が安いことを評価しているので解約しない」という声もあった。

この言葉を私なりに(恣意的に)解釈すると「セキュリティの高さを期待していない=漏れることはあるかもしれない=漏れてもそんなに困らない=それよりも安い方がうれしい」というふうに取れます。

つまり、ユーザーはさほど個人情報を何がなんでも守ろうという気持ちはないということです。

ネット以外の世界で個人情報なんてぞんざいに扱われています。例えばお店のメンバーズカード。住所電話番号を入れます。いちいちそのときに規約なんて貰いません。

特に厳しいのはレンタルCDビデオショップではないでしょうか。免許証のコピーをとられる始末です。住所氏名はおろか写真は入っているし、その気になれば警察の持っている犯罪履歴等も照会できるでしょう。

カード支払いのときに平気でカードを預けるし、レシートにはくっきりと氏名、カード番号、有効期限も残っています。

実生活でこれだけ個人情報を晒しているのに何を今更、というのが正直なところではないでしょうか。

そして最近のsocial networkingの流行のきざしを見ていると、個人情報をあるていど公開することは逆にメリットがあるわけです。だから喜んでプロフィール情報をいそいそと書き込むわけです。

そんなことを考えると、いったいプライバシーってなんだろう?ってことになってきます。辞書によるとprivacyとは人に見られたくない秘密や、隠しておきたい陰部のことだそうだから、個人情報と呼ばれるうちの多くは秘密でも陰部でもないわけです。

一方で「漏洩」は別の問題としてとりあげなければなりません。漏洩なのか、譲渡なのかは問いませんが、ユーザーにとって困るのは

「君にだけこっそり秘密を教えてあげるけど、他の人にはいっちゃだめだよ」

という情報だけのはずで、これが辞書的な privacyというものです。

今回のヤフーBBに限らず、ネット上で収集される個人情報とされるものでこのようなものはいったいなんなのでしょうね。

ともかく、会社の個人内線にかかってくる「節税対策のためのワンルームマンション経営」とかの勧誘の電話を止めて欲しいです。

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