なぜ英語が喋れないのか?

昔帰国子女の友人に質問をしました。「どうしたら英語喋れるようになるかなあ?」
すると彼は力強くこう答えました。

「100ドル札1枚だけ握り締めてアメリカの大地に立てば、誰でも喋れるようになります」

どうしたら英語がしゃべれるようになるか?

最近思います。
どうしたら英語がしゃべれるようになるか?、と。


「喋れる」というレベルが非常に曖昧で、どれくらいを目標にするかで変わってきます。簡単にいえば、TOEICで何点といったほうが目標として明確です。500点でも500点なりに喋れるし、900点でもネイティブとはいえませんし。

日本人の多くが英語教育を受けているにも関わらずに喋れないのには理由があります。一つは文部省の定めたカリキュラムが「喋る」ためのものではないこと、そしてもう一つは日本人個人個人が「努力を怠っている」ことです。

英語カリキュラムは元々富国強兵の一環で、欧米の産業レベルに追いつくために極端な例をいえば論文が読めることが求められていました。そのため文法や難しい単語を覚えることを求められ、その名残は今の受験英語に色濃く残っています。

一方、個人個人の意識はなぜか「英語が喋れない」理由を探すことからはじまって、「英語教育が間違っている」「英語耳になってない」「英語の発声に向いてない」など理由を外に求めます。なんとか努力をしようと英語学校に入ったとしても、英語学校はビジネスであり、生徒を英語を喋れるようにするのではなくていかに効率良く儲けるかを第一目的としています。そのため、高いお金を払って生徒になったからといって英語が喋れるわけではなくて、だいたいは何回かいってそのうち行かなくなります。行かなくなるのは「楽しくない」からです。

そもそも日本語を勉強した覚えはありません。勉強になったシュンカンに嫌になるのが人情です。英語が勉強である限り、絶対に喋れるようにはなりません。

英語を喋れるようになるには、英語を使う環境作りからはじめるのが一番です。よくいう「外国人の彼氏、彼女を作る」のが早道なのはそれが理由です。もしくは「英語を使わないと生きていけない」環境に自分を置くことです。それが最初の質問の答えとなるわけです。

私も英語が喋れない日本人の一員として上記の体験をし、最終的に留学することにしました。本当に英語が喋れないで行ったので、かなり最初の半年はツライことが多かったです。しかしそれは英語が喋れないからツライだけで、生活自体は新鮮で楽しいものでした。そのうちにちょこちょこと会話が出来るようになると、そりゃあもう楽しいものです。1年で帰ってきましたが、もう一年くらいは滞在したかったです。

今のレベルは向こうの幼稚園生くらいでしょうか。どこでよしとするか、それは本人次第です。ただアメリカの英語教師に言われたのは、「今からではどんなに努力しても絶対にネイティブになれない」(ネイティブレベルになるには、小学生から英語を喋らないと無理)でした。

それで目指したのは「パーティに出て楽しい」レベルです。つまり英語で世間話(バカ話)ができる程度ってことですね。これなら難しい単語やしち面倒な文法なんて要りません。ノリと雰囲気で結構いけます。しかも「楽しい」。楽しいと何時間でもいて、ヒアリングをくりかえします。ヒアリングができればフレーズも覚えるし、発音もよくなります。そしていつかは喋っているんです。日本語を覚えたのと同じです。

決して翻訳してはいけません。アメリカの英語教師に言われたのは

TRANSLATION IS DEATH

デス (c)エコール

「英語脳」を作るのです。見て、聞いて、「英語脳」で考えて喋る。日本語脳は生まれて以来何十年も培ってきたので凄い高性能ですが、英語脳は多分まだ数年、子供レベルでしょう。子供レベルでボキャブラリーも少ないですが、少ないなりに喋れるはずです。どうしてもしゃしゃり出てくる日本語脳を抑え込み、幼い英語脳を養うためには「翻訳」はしてはいけません。

会話中翻訳しているときは相手から目がそれるので、すぐわかります(笑)

決して安くない教材や英語学校は英語が喋れるようになる早道ではないのです。英語を喋る早道は、英語を使う環境に身をおくこと、そしてその環境を楽しいものにすること、だと思います。