全国のスペランカーファンの皆さん。スペランカーが13位でいいんですか?と問いましたが、大変失礼しました。スペランカーの真髄を今日まで知りませんでした。そもそもの過ちは誰もがスペランカーをゲームとして評価したことです。
スペランカーは「ゲーム」ではなく、究極の「冒険サバイバル」だったのです。
考えてもみましょう。足場の悪いがけで身長の2倍の高さ、約3mから落ちたらただじゃ済みません。確実に怪我をします。綱渡りの最中に10mも落ちたら全身打撲です。そういった意味で、スペランカーはいわば軍隊の訓練に近い厳しさと気の緩みを一切排除した究極の冒険サバイバルなのです。
スーパーマリオブラザースをはじめとする名作を世に送り出した宮本氏はゲームの製作において気をつけているのは「何が起こったかがプレイヤーに理解させる」ことだと言います。しかしスペランカーにおいては「何が起こったかがプレイヤーに理解できない」のです。見えない爆風、方向は関係ないマシンガン。ロープに捉まっている最中にちょっとしたキー操作で「死」。理解不可能なことばかりです。しかし現実問題、財宝が埋まっているといわれる場所に入って一攫千金を目指すのであれば罠によって瞬殺されることは当然です。その厳しさをスペランカーはリアルに再現しているのです。
そう考えると納得が行きます。スーパーマリオのような、亀が歩くならまだしもキノコが歩いてくるファンタジーの世界では「死」は似つかわしくありません。しかし我々が生きている世界で冒険は「死」と隣り合わせなのです。そしてスペランカーは遊びではありません。訓練だったのです。
そしてその厳しい訓練にまず精神面が鍛えられます。こんな理不尽なことを繰り返し繰り返し行うのですから。そして次に指が鍛えられます。ドット単位でコントロールする技術はまさに脳みその神経回路とファミコンのシナップス結合、直結です。
この厳しい訓練を受けるのは素人には無理です。というか、素人お断りです。プロのみがさらに高いハードルを目指して挑戦するにふさわしいです。
復刻する際には、注意書きとして
「プロ仕様。素人お断り」
を記載し、限定発売してもらいたいものです。もちろん投げつけられることを想定した耐衝撃マグネシウム合金カセット仕様で(genesisさん提案)。
私はプロじゃないので買えませんが、プロの妙技を見せてもらいます。
そんなことをレベルXでスペランカーをクリアした人のプレイを見て思いました。