Blog of the Yeah! 2003座談会

Blog of the Yeah! 2003の座談会について、メモがないので記憶と私の脳味噌でダイジェストしました。

・ビジネス

ひろゆき氏はいわずと知れた、2ちゃんねるの創始者でかつ日本のメディアに鉄槌を食らわせた人です。てっきり2ちゃん用語を駆使して話すのかと思ったらそうではなく、普通の日本語でした。言葉は非常に明快で、誤解を恐れずに言い切るところに自信の表れを感じました。例えば「ブログはビジネスにならない」とか。インターネットバブルがあって、そこれで誰もがお金持ちになれると信じて投資をしたが、実際に儲けたのはごく一部の限られた人(サイト)だけでした。それと同じことがこのブログブームにいえるだろう、というのが彼の意見です。

livedoorにしても、doblogにしてもβサービス、実験サービスと銘打ってフリーで行っている状態です。これはビジネスとしてはまだ見えない、今すぐは単体でやっていける自信がないことの証明です。doblogにしてはNTTグループのほかのサイト、goo等に提供するなどを模索しているんじゃないのか?と他の人に突っ込まれていました。

doblogは最初2人で始めて、サービス開始してすぐにうち一人が異動になり、現在はもう二人を確保して3人で回しているそうです。

アフィリエイトはひとつのビジネスモデルだろうが、ブログサービスを行っているところはそれを禁止しているところが多い模様でした。理由はトラフィック増?でしょうか。いずれにしてもこれはブログサービスプロバイダのビジネスモデルではなく、スルーしてamazonなどアフィリエイトを行っているサイトのビジネスになるでしょう。

ブログは器に過ぎず、ブログ自体はお金を産み出す魔法の壷にはならないということですね。

・コミュニティ

@Niftyがココログというブログサービスを開始しましたが、これは昔のフォーラムを彷彿とさせます。フォーラム文化を再来させたいのかも知れません。当時フォーラムは独自の文化、所謂コミュニティを形成していました。

またメディアとジャーナリズムという観点からもブログは非常に有用なツールです。しかしブログがメディアかというとそうではなく、とはいっても日記でもなく、結局はツールですね。日記(パーソナルメディア)も出来るし、メディア(ニュース記事のようなものを作る)もできるし、コミュニティ(コメントをつけて)もできることもあるし、その形態は様々なものになるでしょう。

現在のブログの使い方で、ニュース記事を引用して一言突っ込みや感想を書いたエントリーを矢継ぎ早に出すと言うのがポピュラーです。これがジャーナリズムかというとまた議論があるでしょう。ただそれもアリというのが現在の状況です。

・ツール

インターネットが出来て、web serverでホームページを個人が公開することが出来るようになり、これを「情報発信」という言葉で表現しています。この「情報」というのは個人の考えや思ったことなどを情報化(HTML化)することで、インターネット上を流通することが可能になります。

ブログの面白いのはHTML化の閾値が非常に低くなったため、更新頻度が上がったことでしょう。今まで「たいしたことないから、書くまでもないや」と思っていたことでもちょこっと書くようになったのが大きな変化です(moblogなどは特にそうですね)。これは個人の脳みそに入っていた内容が可視化されるといった点で非常に意義があります。

一方で情報の海に溺れはじめています。救世主は「検索エンジン」です。もう人はgoogleなしでは生きられない状態に陥りつつあります(実際にgoogleが落ちたら不便だったでしょう)。そしてこのgoogleはさきほどのちょっとしたエントリーも引っ掛けて個人の脳みその中身を顕在化させるのです。

とはいえ、情報が多いことには変わりません。そこで出てくるのがパーソナライズです。個人の趣味嗜好に応じた記事をユーザーに提供するツールが望まれているのではないかという意見です。昔の言葉でいうとエージェントですね。これにも議論があり、そういったバイアスのかかったものを提供することにより、「見落とし」が発生するのではないかと。従来ユーザー自身がユーザー自身の責任で記事を総なめにしていたのですが、ここにキカイ(パーソナライズツール)が介在することでキカイに引っ掛からないものを見落とす危険性があるという指摘です。

フィルタリングではないので記事が落ちなければいいのでしょうけれども、まだまだキカイを信用できる人はいなさそうという感じでした。

・座談会について

座談会に参加した人のリストはこちらですが、カテゴリ化すると

blog toolの開発者
blog tool(MT)支援ソフト開発者
blogを便利にするサイトの開発元兼運営
blogサービス提供者(兼開発者)
blog本編集者
blog部外者、客観視している業界人

といったかんじでしょうか。そして観衆はblogをやっている人、bloggerです。やはり一番興味があるのはブログに隣接しているんだけれども、客観視できている人の意見です。そういった意味で、ひろゆき氏の意見は非常に興味深く聞けました。

座談会の詳細レポート:

Blog of the Yeah!2003 Event レポート : ウェブログ@ことのは

・イベントについて

他の方があちこちでいわれているようなのと基本的に同じ感想です。ただ、ないより全然あった方が良いし、上記の座談会は実に有意義なお話しが聞けました。4000円(投票者は3000円)の価値は・・・あったことにしましょうか。でも、すんごくお腹空きました。

主催者の方のコメント:

Blog of the Yeah!を終えて

主催者の方、お疲れ様でした。