先日、(社) 人工知能学会 セマンティックウェブとオントロジー研究会に行ってきました。その中から、興味深いトピックをご紹介します。
「モバイル環境下におけるサービス利用のためのタスク知識記述および実行環境」
2003/9現在、i-mode公式サイト 4千サイト。ディレクトリサービスで(ポータルからのディレクトリ構造で表現されている中を上から降りていって)アクセス。具体的にはiメニューである。一般サイトに至っては 7万サイトにも及ぶ。こちらのアクセス方法はより原始的で、URLを直接入力するか、メールに書かれたリンクをクリックするなど。検索サイトを利用してのアクセスは容易ではないと考えられる。
携帯の契約者数は 7860万、パワーユーザーと呼ばれる20歳台、30台よりも非パワーユーザーである40台が40%を占める。
この検討のゴールはservice accessibilityを向上させること。
従来ディレクトリサービスではサービスがディレクトリに配置されていたが、タスクオントロジを使うことにより、ユーザーがタスクを表現することで最適なサービスへと誘導する。groundingとは、タスクとサービスのマッピング(結びつけ)をいう。この中で人工知能による推論を利用することもできるが、ここではuser inputを優先させている。
具体的な例を使って説明すると、例えばデートで映画を見に行くこととしよう。デートなので、映画ならなんでもいいわけではなく、恋愛映画を見たい。そこでメインタスクを「映画をみる」とすると、以下のサブタスクが必要となる。
「映画を決める」(ある恋愛映画に決めた)
「ある恋愛映画を行っている上映映画館を調べる」
「チケットを予約する」
「その場所への乗り換え案内を調べる」
「予約チケットを買う」
「入場する」
(以上メモから抜粋)
従来であればそれぞれが違うディレクトリにマッピングされていたために、一つ一つが独立していた。つまり「チケットの予約をする」と「乗り換え案内」は別のディレクトリの下にあり、一連の行動を体系的に行おうとするとディレクトリ間を移動する厄介な操作を必要とされていたわけだ。
これがPCであればマウスやキーボード、マルチウィンドウ(死語?)、を駆使し、google検索で一気に行うことも可能だ。しかし携帯であるが故、こういった要求が浮かんでくる。そしてその解決策としてタスクオントロジを使用する方法を検討している。
携帯に限らず、こういった体系だった行動をサポートしてくれるようなサービスは今後、面白いかもしれない。
ところでオントロジとは何ですか?(続く・・・かも)
携帯ならではと思うのが、携帯をチケット代わりにして扱う点でしょう。携帯で予約し、携帯料金に含めて課金。予約した情報を携帯に保存して、入場時に認証することが出来ますからね。
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