本日はLSDのお話。
LSDといえば、モータースポーツやドリフトには欠かせない必須アイテム。
でもそれはなんでいるの?どんな種類があるの?
LSDの前に差動ギア(デファレンシャルギア)を理解しなくてはならない。クルマの左右輪の回り方は直進状態では同じだが、左右に曲がった場合には左右で走る距離が異なる。つまり、回転差が生じる。それを吸収するのが差動ギアの役割だ。FFの場合はフロントに、FRの場合にはリアに組み込まれている。4WDになると複雑で、最近のものはフロント、リア、そしてセンターの3箇所に存在する。
1)差動ギアがない、つまり直結状態だと左右に曲がりにくくなる一方で、タイヤがきっちりとグリップする場合はトラクションがかかる。カートやバギーでは差動ギアがなく、左右輪が直結してある。
2)差動ギアがある場合に何が問題かというと、ロールした場合に内側のタイヤの荷重がなくなり、グリップしなくなるのだが、そうするとエンジンの出力はそのグリップが無くなったところにかかってしまう。つまり空転(スリップ)だ。そうすると前に進む力、トラクションがなくなってしまう。これはいけません。
そこで開発されたのが、Limited Slip Diffrential, 差動ギアのスリップを制限する装置である。上記の1と2の状態をいったりきたり出来るようにしたスイッチと考えると分かりやすいだろう。
LSDが効く条件というのはおおざっぱにいって、2種類ある。
A) 1way アクセルON(つまりエンジンからの動力がかかっている状態)の時に効くもの
B) 2way, 1.5way アクセルがON,OFFに関わらず効いているもの。1.5wayはアクセルOFFの時にONよりも効きが弱いということでこういう表記になっているが、基本的な動作は2wayと同じである。
またもうひとつ、効く条件としてあるのが、イニシャルトルクである。これは上記のLSDが効く条件にあてはまる状態で、どれくらいのトルクがかかったときに効かせるかというものであるが、そのトルクの初期値といったものである。イニシャルトルクが強ければ、すぐに効くし、イニシャルトルクが低ければ、効きが弱まる。通常LSDを使い続けると、イニシャルトルクをかけているバネがへたったり、オイルの劣化によりイニシャルトルクはだんだんと落ちていく。
さて、ここでもっとも着目しなければならないのは、
1wayはクスコの特許
という点である。他社製のものは2wayか、1.5wayにならざるを得ない。1.5wayと1wayで大して違わないんじゃないの?という疑問もわくが、先ほどの区分のように、アクセルOFFで効かないのは1wayだけである。
そして次にクスコの凄いのは、
LSDのシェアトップ
であること。これは車メーカーも含んでのトップだそうだ。まあ、イマドキ機械式LSDの市場もかなり狭いとは思うのだが、その狭いなかで評価されているということだろう。
今まで使ったLSDはといえば、
KP61 なし
S13 ビスカス
シティ 無限2way, クスコ1way, なし
CR-X ビスカス
EK9 トルセン, ATS 1.5way
S2000 トルセン
だった。FRで機械式LSDは未経験。そ、こ、で、じゃーん、今回念願の機械式LSDを装着したのであったーーー(長い前フリ)
しかも憧れ(?)のクスコtypeRS!ウワサによると、装着するだけで1秒早くなるとか!?
なんでこれがいいかっていうと、普通LSDつけるとターンインは難しくなるのですよ。ところがアクセルOFFでフリーになるのであれば、アクセルオフでターンインして、効かせたいところでアクセルをONにして効かせることが出来る。そう、選択的に1)と2)の状態をいったりきたり出来るのだ。
ということで、現在慣らし運転中。その成果はまた次回に。
あ、街乗り主体の人には機械式LSDはオススメできないっす。チャタリング(異音)がでるので。街乗りであれば、トルセンがいいね。