国境の曖昧な日本と排他的経済水域

北朝鮮の工作船事件から、日本の coast guardである海上保安庁の役割が脚光を浴びてきたようだ。

coast guardとは、アメリカの場合は「沿岸警備隊」というような訳をされると思うが、「海軍」であるnavyと違うのは国内をテリトリにするか、それとも国外をテリトリにするかで分けられている。そういう意味から考えると、日本のcoast guardは navyであるはずの「海上自衛隊」とテリトリによる区別しにくい。今の法律では「海上自衛隊」は国外にまま出れないからである。また、曖昧なのは軍隊ではなく、自衛隊ということ。国外の国からみれば、どちらにしてもmilitaryという区分で、まったく区別がない。self defense forceなんて逆翻訳で呼称しても、英語的に一般的ではないから、結局みんなmilitaryで、air force/navy/armyとなってしまう。

さて、そのcoast guardであるが、今彼らはあつく戦っている。

尖閣諸島TOP

しかし、昭和43年秋に行なわれた東シナ海海底の学術調査の結果、東シナ海の大陸棚には豊富な石油資源が埋蔵されている可能性があることが指摘され、これが契機となり昭和46年以降、中国、台湾が同諸島の領有権を公式に主張し始めました。
日本は陸の国境がどこにもない。そして、その国境がないから国と国の間のゲートもなく、警備兵を見ることもない。国外にいくのには平和そのものの、成田空港の出国管理 passport controlだけだ。

しかしその一方で熱い戦いが繰り広げられているのは海上だ。もしこの島を占領された場合、この周辺の埋蔵資源はもちろん海産物までが問題となる。

これが西の端(実際には最西端ではないが)だとすると、東の島はもっと深刻だ。
それは自然現象、、、浸食であり、地盤沈下だ。

沖ノ鳥島の謎

世界各国は一斉に、自国の領海の外側に幅200海里の「排他的経済水域」(exclusive economic zone; EEZ. 沿岸国がその水域のすべての資源の探査・開発・保存・管理および同水域のその他の経済的活動について排他的な管轄権をもつ水域)を設置し、自国周辺の水産資源や海底鉱物資源の保護を図りはじめる。
つまり、この小さな環礁が周辺200海里、

沖ノ鳥島写真館

日本の排他的経済水域40万平方km分を失ってしまうことになります。日本の国土面積が約38万平方kmです

となるのだ。なんだかんだいっても、日本は漁業国。海洋資源を失ってしまうのが由々しき事態。それは守らないといけない。ということで、護岸工事を行い守っている状態。

北の国境といえば、北方領土問題。これは日本は公式に国後、択捉島を含む北方4島を国土としているが、事実上ロシアの支配下にあり、未だ継続して交渉中である。

北海道総務部北方領土対策本部

北方海域は、寒流と暖流が交錯しているため、       
豊富な水産資源に恵まれ、古くから世界3大漁場
の一つに数えられています。

こちらも領土というよりも、海洋資源がメインの価値だと思われる。実際1945年以前にすんでいた人口を考えても少ないし、今ここで返還に成功したとしてもそこへ移住する価値はあるとは思えない。
そしてもしかしたら次世代エネルギーといわれるメタンハイドレートの埋蔵もあるかもしれない
メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム
メタンハイドレートは石油・天然ガスに代わる次世代資源として脚光を浴びています。エネルギー資源に乏しい日本周辺にも、日本が消費している天然ガスの100年分以上の量が存在すると推測されています。

これは資源輸入大国日本にとって、奇跡の大逆転劇となりうる埋蔵資源だ。1870年以降、1945に至る戦乱のそもそもの駆動力というものは、近代化と近代化を達成するための材料とエネルギーの確保であった。それはつまり鉄であり、石炭・石油である。そして近代化を推し進める必要があったのが、ヨーロッパ、アメリカ列強のプレッシャーであった。
石油の輸入を止められたのが大東亜戦争の大きなキッカケであったのは周知の事実である。

日本が物価が高いのはエネルギーをすべて輸入に頼っているからである。国自身がエネルギーを輸出できるようであれば、その収益で税金は安く済ませることが可能だ。アラブ諸国がしかり。

このメタンハイドレートが実用化された暁には、日本はあと100年戦える!?位の画期的なことなのだ。

20世紀前半と時代は違い、今では国境線の争いが出来なくなってきている。日本は大東亜戦争以前は満州やサハリンなどに国境線を持っていたのだが、1945以降はまさに島国で国境線が無くなってしまった。この曖昧さがもしかしたら日本国民のなんでも曖昧にしてしまう気質を生み出したとも思える。