ぺんてるが新発売する0.2mm/0.3mm 製図用シャープペンシル「オレンズネロ」。今回はこちらのブロガーイベントに参加、実際の製品を試用してのレポートです。
ぺんてるのシャーペンの歴史
とにかく古く長い。長いのでさらっとポイントをまとめると、
・70周年だけど100年選手の文具業界の中では短い、若手
・つねにチャレンジしている
・純粋な製図用途は減っている
・しかし1980年代に培った製図プロッター用シャーペンの技術が生かされている
・PG1000 はベストセラー。私もこれ昔使ってた
今回のオレンズネロは長いぺんてるのシャーペンの歴史、ヘリテージを具現化した最新モデルということです。
オレンズネロの特長
一回ノックして芯とパイプを繰り出すと、あとはストロークでパイプが押されて、その力を利用して芯を少しだけ繰り出す仕組み。
そのため芯が完全になくなるまでノック不要で書き続けられます。これはまさに製図プロッターで必要とされた性能ということで、1980年代の技術が今に生かされているとのこと。
実際に使ってみた
論より証拠、実際に私が普段するラクガキをこのオレンズネロを使ってやってみました。使用したのはHBの0.2mmと0.3mm。
どちらも同じようにシャープで一様な線を描くのに向いているもの。確かにノックしなくても芯が途切れることはありません。
書き味、ぺんてるの社内用語では「筆記感」というのですが、これを大事にしたこともあり描き心地は上々。ノック不要なので集中して線を描き足せるので、作業が途切れることがありません。一気にかき上げることができます。
出自が製図用だけあって、曲線を描くよりも直線を描く方がシャープに持ち味が活かせる印象。ザクよりもガンダムの方に向いていると思いました。
ターゲットユーザーは?
どんな人に買って欲しいか、という質問に対して今回のオレンズネロはプロダクトアウト型商品、そのため太い0.8mmのニーズはわかっているがあえて 0.2mm/0.3mmの細いもので自動芯出しモデルにしているとのこと。
値段も3000円という高価格帯の位置付けにしたのも、これまでシャーペンというとコモディティ商品だったものに対し、高級品、贈答品といった位置付けにチャレンジしたいという意気込みのあらわれです。
比較
普段つかっているシャーペンは GRAPH1000 PG1000の後継 PG1005と、ステッドラーの0.8mm。
芯は全部Bにしています。
今回比較対象のため 0.2mm/0.3mm(通常オレンズ用)のBも入手しました。
芯の太さ比較、上から 0.5mm, 0.3mm, 0.2mm。明らかに0.2mmは細くシャープ。
上が0.2mmの筆記、そして下が0.5mm GRAPH1000での筆記です。
GRAPH1000の方が滑らかな書き味、オレンズネロは芯自体が折れないように硬くなっていることと、自動芯出し機構でパイプがどうしても紙に当たって擦れるフィーリングが伝わってきて硬質な描き心地のところが出てしまいます。
ただその時でも字は掠れることなく書けていました。
0.8mmで下書きして、0.2mm オレンズネロでペン入れしたラクガキ。シャープかつ黒々とした線となるので非常にコントラストが高い印象です。
ペンを立てて使うひと、ストロークの多い文字、漢字、にこの自動芯出しは向いてます。
一方ペンを斜めに使う、筆記体でずっと線が繋がる、ラクガキといった用途ではこの自動芯出し用のパイプがこすれる、紙にひっかかるフィーリングがあるのでそこは慣れが必要でしょうか。パイプがひっかかる感じとBの芯の柔らかさのギャップがあるので、0.2mmはHBなど普段使っているものより硬めの方が自然に感じるかもしれません。
いずれにしても芯がなくなるまでノック不要というのは新しい感覚ですね。久々にラクガキしましたけど、ラクガキが進みました。