アイスマンは単に口下手だった? トップガンを見直してみたら再発見


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もう何度見たか分かりません。

大学生になった1986年当時、お金もないのに毎週のように見にいって4回くらいは映画館で見たはず。その後もちょこちょこ見てたので、ほとんどのシーンを暗記できてしまうくらいだったトップガン。そのトップガンを改めて見てみました。ら。

あれ? なんかイメージと違う?

イメージと違ったのはアイスマン。冷徹、感情を表さないために氷のような人、「アイスマン」というTAC(パイロット)ネームが付いたほどですが、マーベリックのライバルとしてマーべリックをずっと敵視していたと思っていたのです。

ところが、気付いてしまいました、そうじゃなかったことを。

そもそもアイスマンはトップガンの同期の中でトップの成績で、だいたいの場合において自分がトップだと2位3位の人がどうかってことは余り気にしないんですよ。そもそもトップだから蹴落とす必要ないし、自分が自分の実力を出せばトップをキープできる自信をもっているからです。

本来クーガーが来る予定だったところの補欠繰り上がりでトップガンに入ってきた問題児を最初からかっただけのことで、その後は当然なのですが、お互いライバルですが、友軍なのです。

マーべリックはアイスマンと組んで飛んでる最中にタービュランスで操縦不能となり、レーダー員の親友グースを失います。この事故についてはアイスマンが故意にマーべリックを邪魔したのではないか、タービュランスを起こして事故を招いたのではないかとまで言われてます。

私も当時は邪魔をしたと思っていたのですが、どうもやっぱり違うなと今回みて思いました。というのも、飛行機事故を取り扱う「メーデー」を見ている、旅客機はもちろん、戦闘機があえてそんな危険を起こすなんてことは例えライバル関係にあってもありえないからです。

またもう一つはアイスマンのロックオンに時間がかかることにマーべリックがじれて、必要以上に接近したこと。

普通2機 vs 2機での戦闘の場合、先行とカバーの2つに分かれて、お互いの役割を果たします。カバーの役割を無視し、先行のアイスマンに異常接近してしまったのはマーべリックのやり過ぎ、たとえタービュランスの事故がなくてもバイパーの僚機に後ろに回られてやられていた可能性が高いです。

軍法会議にかかったのはマーべリックのみで、アイスマンはかかっていません。そしてマーべリックには落ち度はなかったとの判断が下ります。

落ち込むマーべリックに対し、アイスマンはロッカールームで言葉をかけるのですが、なんというか、もう本当に口下手。うまく言い表すことができないものの、彼自身がうわべではなく、本当に仲間の死を悼み、マーべリックを励まそうとしていることが、この年にしてようやく伝わってきました。

考えてみたら一緒にビーチバレーしたり、仲イイんですよね。彼ら。

そのやり取りを聞いていた仲間のひとり、スライダーかウルフマンがチャーリーに心配して電話したりと、もう仲間みんながマーべリックを気遣ってます。

そして最後の出撃のシーンへ。いきなり卒業式から実戦へと飛ばされるのですが、そこにマーべリックも抜擢されて配置されるのですが、出撃はアイスマンとハリウッド組。マーべリックは待機となります。これに対しアイスマンが物言いをしようとするのですが、指令がさえぎってアイスマンは言葉を続けられません。

この時、アイスマンはマーべリックを出撃させることに異議を唱えたのではなく、待機ではなく、僚機として出撃させてほしいと言おうとしてたのではないか、と。

なぜならもしマーべリックの登用に異議があるなら卒業式の時にも、空母に配置されたときにでもいいようがあるわけです。しかし出撃の時にもの言いをしようとした、ということはやはりマーべリックが待機に回されたことに対しての異議であると思わざるを得ません。ここでも口下手アイスマン。

その後はハリウッド機が撃墜され、5機相手に逃げ惑うアイスマン。応援にかけつけたマーべリックもいきなり敵前逃亡してみたりとヘタレっぷりを引きずってましたが、その後見事に立ち直り、4機撃墜しまくって英雄へ。

空母に帰投後、

アイスマン「いつでもオレのウィングマン(僚機)にしてやるぜ!」

マーべリック「お前こそな!」

みたいなやり取りがあって当時はこれで氷解したんだと思っていたんですけど、ようやく口下手アイスマンが自分の気持ちを表現できただけのことでしたね。

その影にやはりチャーリーがマーべリックのとった戦法について「これはとるべきではない」といったことが起因すると思います。

チャーリーはマーべリックの天才的な行動を見抜いたわけですが、それを皆の前で認められない、なぜなら惚れていることが分かってしまうから、見抜いたのはチャーリーだけではありません。アイスマンを含め他のパイロットも「マーべリックすげぇ、天才的だ」と思ったはず。

天才かどうか、自分を上回っているかどうかというのは、こういう時に分かるものなので、得点はともかくこいつには敵わないかもと感じてもおかしくないです。

トップガンは2が噂されており、アイスマンを演じるバル・キルマーがオファーを受けたことをソーシャル上であかして話題になりましたね。調べてみると今度のはなんでもドローンとかがとりあげられるとのことで、トップガンのような人間同士の戦いは余り見られないかもしれませんけど、楽しみに待ちたいと思います。

名作は何度みてもいいですね。