親子の物語。スターウォーズ ep4~6を久々に一気見した感想

さてそろそろスターウォーズ新作映画が公開される、ということで世の中すっかりスターウォーズ一色です。

スタートレックはトレッキーですが、スターウォーズのファンはなんていうんでしょうね。

まあそれはさておき、復習をかねて見直すことにしました。約40年ぶり!?

1978年日本公開から数えると、正確には38年ぶりですね。当時川﨑に住んでいたのですが、クラスメートが突然

「スターウォーズみたいやついる? 一緒にいこうぜ!」

となんの前触れもなく、いきなり募集。

「親に聞いてみないと」「でもお金ないし」

という友人たちに対して、そのクラスメートは

「大丈夫、全部うちがもつから!」

と無料ご招待。結局そこのパパが私を含め友達3、4名を全員連れて行って全部おごり、挙句には全員にR2-D2のぜんまいオモチャまで買ってくれたという、衝撃的な体験でした。

というのも、実は映画館で映画みるのは初めてだったのです。さらにそんなに親しいわけでもないのに、そこまでしてくれたというのも感謝感謝。そして映画はもちろんのこと、歴史に名を刻んだ超名作。今もいい思い出として記憶に残ってます。

さて今回みたのはDVD版、もともと1作目なのにエピソード4、その後エピソード1〜3ができたので名前が変更された上、ちょこちょことアップデートが加わったものです。

スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望 - Wikipedia

『スター・ウォーズ』(STAR WARS)は、1977年に公開されたアメリカのSF映像作品『スター・ウォーズ』シリーズの実写版主要映画第1作。後年本作の大ヒットによりシリーズ化が決定してから、本作のタイトルが『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』(STAR WARS EPISODE Ⅳ:A NEW HOPE)に変更された。1997年には最新CG技術などを使ってシーンの差し替えなどが施された『スター・ウォーズ 特別篇』が公開された。2012年現在発売されているDVDでは、さらに変更が加えられている。

その ep4〜6を一挙に見てみました。以下感想です。

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ワイプが多い

あとで調べてわかったのですが、スターウォーズといえばワイプ、ワイプといえばスターウォーズ。場面転換では上から下、下から上、右から左、左から右、周りから中央、中央から周り、右端から斜め左へ、ともうなんていうか、ワイプ覚えたての素人が楽しくって全部のトランジションを使ってみました的なワイプ多用に時代を感じました。

さらに調べるとどうやら移動が多い、なにせ惑星の中も、惑星間もあっちこっち移動するのでこの移動の間をうまく表現しつつ短縮するのに「効果的」に使われているそうです。ほんとかな。

親子愛の物語

SFだ、なんだかんだと言われてますが、現在のハリウッド映画と変わらず強烈な親子愛、父子愛で最後が締めくくられている点。アメリカ人って、こうなんというか、無条件で父は子が好きで、子は父が大好きなんだなあと。父子愛の前では宇宙だ、銀河だって、どうでもいいことになっちゃうのがすごいです。

ルークが子供そっくり

子供時代に最初にみたスターウォーズですが、今回は私が12歳の息子の父となり、目線はすっかり親視点。ということもあって、もうルークの挙動、反応、言葉遣い、すべてが子供そっくりで笑えました。なるほど、世の中の子供は日本人とかアメリカ人とか関係なく、こういう反応するもんなんだなあと感心。

例えば「僕は士官学校(アカデミー)に入って、この田舎(タトゥイーン)から出て行くんだ!」とかいってたわりに、いざベン(オビ・ワン)に宇宙にいこうと言われると、

「いや、今年の収穫の手伝いをしなきゃいけないし」

といきなり尻込み。その理由も自分でオリジナルを考えたわけではなく、反対された親が持ち出した理由の「コピぺ」であるところがまさに子供が親のDNAのコピペであると同時に、生活環境を共にすることでの類似性を裏付けています。だから国民性の違いとかなく、万国共通なんでしょうね。

ヨーダとのやりとりもそうで、まだ修行が終わってない、罠だし、行っても無駄だからいくな、っていうのに「いく」といって聞かないルーク。だからお前は

「忍耐が足りないんだ(be patient)」

と言われるわけですが、もうこれなんか、常日頃子供に思っていることばそのもの。落ち着きはないのが子供の特徴ですが、これもよくまあ表してます。

感情移入するしない、で映画の良し悪しを判断する人が多いですが、その点でいえば親サイド(オビワン、ヨーダ)には同情します。

ダースベーダーは意外と甘い

冷酷無比なダースベーダー、悪の権化的な描かれ方をされて、失敗した部下はForceの力で首を絞めてその場で処刑しちゃうわけですが、これもよくみると不思議な点があります。というのは、この冷徹ぶりはあくまでも身内、組織内でのことなんですね。

ハン・ソロの旧友であるランドは帝国軍に協力するも、取り逃がしたりと失敗するのですが、このときはなぜかお目こぼします。はて、これが帝国軍であればさっくりと首絞められて処刑されるはずなのですがなぜでしょう?

それはダースベーダーが組織人だから。内規を重んじて、外の常識は常識としてわきまえているから。おそらく帝国軍の内規で失敗したら即処刑、というのがあるのでしょう。そして処刑したら自動的に繰り上がり昇進するというシステムになっているに違いありません。ダースベーダーもそうやってふと気づくと帝国のNo.2の座に座ったわけでしょうから。

時代劇、勧善懲悪

ジョージ・ルーカスはこの映画を子供のために作ったこと、黒澤明の時代劇に影響されたということが言われています。そのためか非常にシンプルな対立構造、正義と悪、そして勧善懲悪、最後は正義が勝つ、という誰にとっても分かりやすい図式となってます。

例えば悪は帝国軍であり、ジャバ・ザ・ハットであると。だから悪を倒す、殺すことに対してなんのためらいも、罪悪感もありません。むしろ倒したことにより「やったね!」くらいの爽快感さえたたえます。本当にそれでいいんだろうか? と心配になるくらい。その結果がアメリカへのテロを呼びこんでいるのではないかと邪推します。

世の中はそんなに簡単ではないのに、物語化するのに際して簡単化し過ぎではないかなあ。子供向きとはいえ、実際に狂喜乱舞して見ているのは大人なのですから。

魂は細部に宿る

ということで、まあ結局は典型的なアメリカ映画だなあ、ということですね。しかしSFの設定が緻密、CGがない時代に特殊撮影、特殊効果技術が卓越しているということからその世界観に引き込まれてしまいます。無駄に長い戦闘シーンはその斬新さと新鮮さで虜になりました。

だから高速移動時の浦島効果はどうなの、とか、大気圏脱出速度や突入時の摩擦熱、GPSもなさそうなのに、どうしてヨーダの場所にたどりつけるの、とかまあアバウトなところも目が潰れるというわけですね。

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続いて ep1~3を見たいと思います。もうそのep1~3も10年以上前なのですね、歳月が流れるのが早いです。