2013年末に危篤状態だったブログの死亡が、2014年に確認されました。
・The blog is dead, long live the blog » Nieman Journalism Lab
「ブログは死んだ」:Jason Kottke | maclalala2ここ数年でブログは死んでしまった。2014 年になればみんなそのことに気づくハズだ。もちろん今もブログは存在するし、優れたブログも多い。これからも存在し、優れたものであり続けるだろう。この十年来ブログが漠然とだが情報提供の場としての役割を果たしてきたことはみな知っている。しかしその役割は次々に登場する異質のメディア形式 -- ブログに似てはいるが明らかにそうではない -- そんな形式によって担われるようになってきた。
ブログの死亡とともに、ブロガーも滅びつつあります。それはそうです、ブログが死んだのですから。
先のブログ記事にその理由がすべて書いてあります。「ブログ的なもの」は他のサービスがそれぞれ持ち、役割を引き継いだからです。もう新しくブログをする必要はありません。ブログはブログを今まで続けてきた人、つまりブロガーが続けるだけのレガシーなのです。
ブログが出てきたとき、そう10年前に遡りますが、ブログは限られた人の限られたメディアでした。一般大衆はまだTVや新聞を見て最新情報を得ていた時代のことです。
最初にブログが注目されたのは9.11、世界同時多発テロです。
この時誰よりも早く、NYの街がどうなっているのか、そして市民がどうしているのか生の情報をあげたのはブログでした。それから市民メディアとしてのブログが広まっていきます。これを加速したのがブログツール、ブログソフトの登場でした。
これまで情報をウェブに上げるのには幾多の面倒な作業が必要であったのが、タイトルと本文を入れるだけでトップページの更新から過去記事のアーカイブまで全自動作ってくれました。しかもSEO効果が高く、ある特定のキーワードや話題についてはブログが検索トップに出ることで、ブロガーはメディア力を手に入れたのです。
これがすわ、市民ジャーナリストの誕生、ともて囃された理由です。
その後Web2.0の出現、SNSの流行などを経て、Twitter、Tumblr、Facebookの誕生により様相が変化していきますが、最後のとどめはスマートフォンの普及でしょう。
いち早くスマホに対応したTwitter(の外部アプリ)やFacebookはスマホの普及に比例してユーザーを拡大していきます。そして日本では3.11、東日本大震災で決定的となりました。
ここでの主役はTwitterでした。帰宅難民となった人への情報提供、行方不明者の情報など、Twitterを通してミクロな情報が「拡散」していったのです。
これまでブログが得意としてきた情報発信が、もっと早く、もっと手軽に、誰でもできるようになったことが決定づいた瞬間でした。
TVを見ていた一般大衆は今ではyoutubeで動画を見、Twitterで情報をスマホで流し読みする時代となりました。
スマホの普及とPCの凋落。これはすべての事象が指し示しています。
マイクロソフト・Windowsの不振、ソニー・VAIO(PC)事業の売却。インターネットはスマホで見る時代となり、PCはパーソナルコンピュータの座をスマホに譲り、今後は本来のオフィスコンピュータとワークステーションに回帰していくのです。
一般大衆がスマホを持ち、Twitter、Facebook、LINEを使うのが現在です。
ここで一つの問題があります。ブログ的なものは、他のサービスで行うことができます。ところがそれぞれ役不足な点があるのです。
Twitterはタイムラインが現在を中心とし、情報の揮発性が高く、アーカイブ性がありません。つまり過去の、例えば1ヶ月前、3ヶ月前、1年前、2年前のあの情報はどうだっただろうか、と思っても探すのが困難です。
Facebookはタイムラインが中高年のサロンとして居心地のいい空間を提供してくれていますが、外部からは見られません。あくまでもSNSなのです。
すると実はブログが持っていたすべての機能を代替できているわけではなかったのです。それがログです。
ログとは日本風にいえば「日記」です。その日、そのときに何をして、何を感じたのか、といった記録です。そうなってくると元々ブログの特徴であるコメントやトラックバック、RSSといった機能は不要です。必要なのはコンテンツ、ログだけです。
ウェブにログを残す。
そのシンプルな機能のみが必要とされているのです。そうです、ブログの語源となった web+log(ウェブログ)です。
weblog(ウェブログ)はブログとなり、世間を席巻しました。そして他のサービスにその機能、役割を譲りました。しかしまだ全部は死んでいないのです。それがウェブログです。
これを私は ウェブログ・ルネサンス(Weblog Renaissance)と呼びたいと思います。
このブログ「のまのしわざ」も昨年末デザインを変えましたが、もうコメントもトラックバックも付いてません。書く内容もPVを狙った話題性の高いものはなく、身の回りのことが中心となっています。これが本来の weblogの姿であり、日記であるのです。市民ジャーナリズムも、炎上もここでは狙っていません。ただただ淡々と私的な事柄を記録するのみ。
ウェブログ・ルネサンス、皆様もいかがですか。