オジサンにとってのアイドル。

この写真がお気に入りです。

神谷えりなスチームガールズ
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一点をみつめる目、すっと通った鼻筋、結ばれた唇、耳から顎へつながるライン、そして首の角度。パーフェクトです。

アイドル写真といえば、笑顔、カメラ目線が基本。いわゆるキメ顔で写真をとることが多いです。しかし実はこのキメ顔、作られたものなので自然な表情とは違います。確かにこのキメ顔で実物以上によく映る人もいます。写真をとられるのが職業の人であれば、普段の顔がどんな表情であれ、写真にとられたものが公式の顔になるので、それはそれでいいのです。

しかしこれが恋愛目線だとちょっと趣が違います。

例えばクラスメートの中に気になる子、好きな子がいるとしましょう。気になる理由は様々ですが、とりあえず綺麗、可愛い、美人としましょう。つい目線がいきがちです。ただその時相手はどこ向いているでしょうか。目があうことなんてありません、ぜったいに横を向いているはずです。そうです、我々の目線は基本、横顔なのです。

だから綺麗、可愛い、美人と思うのは実は横顔~斜め45度くらいの角度の範囲であり、アイドル写真にあるようなカメラ目線の決め顔、というのは次のステップ、もっと親しくなった、恋人になった時にようやく得られるシチュエーションなのです。

商業写真で横顔ばかり、というのはありえないのでカメラ目線となるわけで、100%カメラ目線となってくるといわゆる「恋人感覚」な写真集となります。

で、我々の恋慕感情を満たすのは逆に0%カメラ目線、横顔、下目遣いといった「目線がずれている」必要があり、そこで横顔はベストなのです。

横顔が美人というのはもう何時間みていても飽きない、むしろ見続けていたいと思わせる何かがあります。そうしてずっと見ていたら目線に気付かれてこっちを見られた瞬間に、あわてて目をそらすわけです。

でですね、大抵の場合はそうして恋慕した相手と恋が成就することは稀なわけです、というかないわけですよ。皆無。だからこそまた見つめつづけるわけですけど、その不条理さがこの横顔写真に現れるわけです。

今はどうか知りませんが、昔写真が貴重だったころ、写真部が可愛い女の子の写真を隠し撮りして、それを好きな男子に売りつけて部費の足しにするということがありました。その写真もきっと、横顔写真だったに違いありません。

しかしその横顔は永遠に振り向くことはなく、だからこそ安心して見つめ続けることができるのです。でも絶対に成就しない恋、ああ不条理だ。

さて私の一番の問題は、こういったクラスメートに気になる女子がいなかったという点です、なぜなら...

男子校だったから。

もっとも多感な中学~高校時代を6年間男子校で過ごし、そういったトキメキを知らずにふと気付くと大学生になってしまってました。そして社会人になってやったゲーム「ときめきメモリアル」をやったときについに気付いたのです。

こんな高校生活、なかったし今後一生体験できないことに。

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これは落ち込みました、自分の人生を呪いました。なぜオレは男子校などという、女子がいない学校にいってしまったんだ。恋愛が成就するかどうか、という以前に横顔を見つめることすらできなかった、という残念感。

だから、だからこそです。今からでもその青春をとりかえすべく、オジサンでもアイドルにはまるべきだと思うわけですよ。せめて横顔くらいみたい。そうは思いませんか、同士たちよ。