200mクラス津波の想定と対策

3.11の東日本大震災で判明したのは、津波への対策不足。1000年のスパンで考えたときに、津波は従来の5メーター程度ではなく、もっと大きな津波を想定しなければなりませんでした。東日本大震災では場所によって20mクラスの津波が襲い、尊い犠牲が払われました。原子力発電所にしてもその他の建物にしても、地震によって倒壊、破壊されたものはゼロであったにも関わらずです。あの姉歯建築物件すらも壊れなかったわけですから、いかに我が国の建築基準がオーバースペックであるか、いや1000年スパンの地震に耐えうるかの証左となりました。

そうなってくると明らかに脆弱なのが津波対策です。1000年スパンで考えるともっと大きな津波を想定しなければなりません。例えば大規模な地殻変動や隕石の落下では、200mクラスの津波が襲来すると予想されています。

地球最後の日Ⅰ~隕石衝突の恐怖~

また、コンピュータ シミュレーションによると、直径200mの隕石が大西洋の真ん中に落ちた場合、沿岸部で高さ200mの津波が発生し、オランダ、デンマーク、マンハッタンをのみこみ、何億人も死ぬという。しかも、たった数分で。波高200mでこの破壊力だ。高さ1kmの津波の被害など想像つかない。もちろん、逃げも隠れもできない。

隕石なんて落ちて来ないでしょう、とタカをくくってはいけません。先日もロシアに隕石が落ちて多くの負傷者を出したほどです。

国や自治体の対策を待っていても何十年かかるか分かりませんから、民間レベルで想定と対策を考えておきます。

想定:200mの津波が関東平野に襲来。

太平洋から200mの津波が襲来したとき、鹿島灘、九十九里、相模湾から浸水してきます。なにせ200mですからね、多少の地形はものともせず、山に街を水没させることでしょう。そうなってくると当然八王子にもやってきます。

ちなみに家が位置しているのが標高約140mの地点、60m足りません。安全をみると100mほどさらに登りたいところです。ここ八王子から近く、標高200mを超える場所といえば高尾山。高尾山口は160~180mで少し上がれば安全圏です。

しかし考えてみて下さい。これは誰でも思いつくこと。そうなると紅葉や初詣ですらあの混雑となるわけですから、命がけの避難ともなれば殺人的な混雑になることが予想されます。残念ながら高尾山口は谷合にあり、人間が滞留するには不適切。山道は狭く、それこそ何十万人以上が殺到するとなれば二次被害も予想されます。

そこで高尾山以外の場所を確保する必要があります。

ギリギリ200mの標高をもつ小高い山はその付近にいくらでもあるので、そちらに避難することを考えます。しかも徒歩でアプローチできる場所が最適、非常時はクルマは使えません。


大きな地図で見る

城山湖の周辺が約200mの標高なので、そちらへと避難します。ここであれば徒歩でいけることと、上から関東平野を見渡すことができ、津波の侵入を目で確認することができます。つまり心の準備ができるというわけです。

200m津波が襲来、国家・社会・インフラが崩壊

城山湖の上で待っていると津波が見えます。200mクラスなので一気に街が沈んでいくのが見えることでしょう。あとはもうこの足元までこないことを祈るほかありません。

幸い城山湖にまでは津波は来ませんでした。しかし200mに及ぶ津波の影響で関東平野すべてが一時水没、すべてのインフラが飲み込まれたのと同時に東京1000万人を中心として数千万人単位の人間が亡くなってしまいました。東京のみならず、仙台、名古屋も壊滅、大都市で残っているのは札幌、福岡、大阪。これでは日本社会が機能しません。

諸外国も同様に被害を受けているので、海外からの援助も期待できません。そうなるとあとは本当に「自力」で生き延びるしかないのです。

文明の崩壊、本当の自然が待っている

津波で流された後に待っているのはおびただしい量のガレキと死体の山です。これを直視できるとは思えません。目をそむけるので精いっぱいです。

3.11の時、被害をうけた雄勝町の人は流された冷蔵庫をあけ、食糧を調達して1週間食いつないだと言います。冬であったことがこの時は幸いしたのでしょう。この時と同じように、流されたものからしばらく調達はするもののすぐに枯渇します。都市生活というのはエネルギーにしても、食糧物資にしても常に供給されることで成立しているので、それが途絶えた瞬間に厳しい現実が待っています。

畑を耕し自給自足の生活をするしかありません。収穫まで生き延びられれば、という話ではありますが。

・・・

このストーリーは荒唐無稽に感じるでしょうけど、想定とはそういうことです。200mクラスの津波に耐えられる防波堤を作ることは現代(と未来)の技術をもってすれば可能です。あの万里の長城だって作れたのですから。ただそのための予算と工期はいくらかかるのでしょうか。100年、いやもっとそれ以上?

1000年に一度来るかどうかわからない巨大津波のために国家予算すべてをつぎ込むことが妥当でしょうか、生き延びるためだけに。

想定をしておくこと、そして考えること。それが大事です。ノアの方舟のように、周囲にバカにされつつも何十年もかけて作っておくのがいいのかも知れません。

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現代のノアの方舟、防災ボートは防波堤を作るよりも現実的。

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あくまでも想定ですからね、常に考えておくのです。その時が来た時に慌てず騒がず

「クックック、私の想定どおりだ」

とつぶやくために。