トルクとパワーの関係性、いつも悩んでましたが式をベースに色々と考えた結果、なんとなく見えてきました。トルクはパワーであり、パワーはトルクであると。
つまり実は同じことだったのです。
トルクとは回転させる力。図で 1m先に1kgの重りをぶらさがっている時ボルトを回転させる場合の力、トルクは1kgf・mとなり、力の単位をニュートン[N]で表す場合は1kgf=9.8Nなので9.8N・mとなる。パワーは単位時間当たりの仕事で、1馬力は「重さ75kgfの物体を1秒間に1m持ち上げる力」と定義される。エンジンのパワーはトルクと回転数に比例し、パワー=トルクx回転数x定数で求めることができる。同じトルクであればエンジンの回転数が高くなると出力されるパワーは大きくなる。
図に示したターボと高回転型の2種類の1600ccエンジンの最高出力は185馬力と同じであるが、トルクの出方や最高回転数が全く異なる。同じ3000回転で比較した場合、ターボの方がトルクが大きいために、パワーが大きくなっている。これが低回転でトルクがあると走りやすいと言われるゆえんである。
パワー=トルクx回転数x定数
この式がポイント。同じ回転数であればトルクが大きい方がパワーが大きいです。
逆に同じトルクであれば、回転数が高ければパワーが大きくなります。
さきほどの図にあった同じ排気量、1600ccのエンジン、185馬力と同じですがトルクと許容回転数が全く異なります。
次に関わってくるのがこの回転をどう路面、タイヤに伝えるかということ、つまりギア(ミッション)です。
まったく同じギアを使った場合、最高速度は当然高回転型の方が高くなります。ただ一般車の場合はだいたい200km/h前後に設定するので、回転数から逆算してギア比が決定します。
そうなると実はこの2つのエンジン、動力性能にあまり差がでなくなります。
パワーバンドの話になると、2000-5000回転でフラットにトルクがでているターボの方が、なみなみがあって6000-8500回転でトルクの山がくるNAに比べてフレキシビリティが高いと言えるでしょう。あとはターボラグの話や、ギアのクロスレシオによって乗り味が違ったり、好みの問題です。
NA派だった私も多段ギアと組み合わされた低回転ターボには唸らされました。加速が途切れないし、ギアをわざわざ落とさなくても加速体制に入れるのはとてもメリットがあります。