「人はナノコンポのサイズさえあれば生きていける...ってちょ、無理!」
[Olasonic NANO-UA1:NANOCOMPO(ナノコンポ):Olasonic]
ナノコンポは音に定評のある 東和電子 Olasonicが放つUSBオーディオシステムのこと。第一弾はこちら、USB DAC内蔵プリメインアンプ NANO-UA1でCDサイズの小さな筐体からは想像もつかないパワフルかつ繊細な音を奏でます。
今回はそのNANO-UA1を東和電子さんのご厚意により借用、視聴させていただきました。
普段スピーカーを通して聴くのは iPhone/iPodドックスピーカーTW-D7IPなので、今回接続したスピーカーは以前
「時代はPCオーディオ! DigiFi付録 Olasonic USB-DAC付デジタルパワーアンプを視聴しました」で使ったのと同じもの。同じスピーカーだけに付録デジタルパワーアンプとの差がはっきりと分かるというものです。
・・・とはいうものの、コストが違いますから比較してもしょうがないです。別ジャンルということで、それはそれ、これはこれ。
今回のナノコンポは東和電子さんがかなりコストをかけて作ったもの、その操作感とあいまって、とても楽しいひとときが過ごせました。
NANO-UA1の凄いのはまず中身。
[以下試作機の写真、最終仕様とは異なります]
コンデンサ、でっか!
右側に見えるでかいコンデンサ、これが余りにでかいためになんと基板を切り欠いて横にして落としこんでようやく収まったというもの。実は筐体のサイズを先に決めてそれから部品を入れ込んでしまったが故の苦肉の策。そうなんです、サイズが先なのです。
このサイズを先に決めるという手法、いかにもソニー出身のエンジニアらしいアプローチ。もともとCDケースサイズにしよう、と決めて高さもそのときに決めてしまったとのことで、このシンプルで清潔感のある四角い白い箱はなんとなく惹かれてしまいます・・・なんでだろうと思ったら、そうです、ソニー初のポータブルCDプレイヤー、D50に似ているのです。
[Sony Japan | Sony Design|History|1980s]
価格も衝撃的で、通常10万円以上していたCDプレイヤーが7万9800円どころか4万9800円という5万円を切る価格で登場。そのデザイン性とあいまって一気にCDプレイヤーが身近になったものでした。D-50はMkIIになり薄型化、デザインも洗練されましたが、初代D-50の味のあるスクエアなデザインはやはり今見てもいいですね。
そしてまたよいのがそのボリュームつまみ。シンプルなデザインながら手触りと手ごたえがあって、回すのが楽しくなります。
リモコンはボリュームにも対応しており、その場合ボリュームつまみは一旦キャンセルされボリュームコントロールはリモコン側に移ります(RMランプが点灯)。
ボリュームつまみを再び操作するとボリュームつまみ側にコントロールが戻る仕組み(RMランプが消灯)。
なにせアナログ人間なので「ボリュームといえばつまみだろう」と思ってしまうのです。プラスマイナスボタンももちろんいいのですが、ぐわっと上げたい、ぐっと絞りたいというときや、微妙な調整をするときのこの触感、これがいいのです。まあ妙なこだわりですが。
実はこのこだわりから使っているカーナビ、カーオーディオもボリュームつまみがあるタイプを使っています。だって音楽って最終的にアナログになるのですから、調整もアナログがいいんです。
置き方は縦置き、横置きOK。よくみるとちょうどスピーカーの横幅ぴったり、素敵です。
これをいつものようにSSDの MacBook AirにUSB接続していつもの曲を視聴。ただ今回はちょっとだけこだわったのが、USBケーブル。
雑誌HiViの付録でついてきたお試し高級USBケーブルをとっかえひっかえ接続してみました。
まずはそのへんに転がっていたプリンタケーブル用USBケーブルを使って、そのあと高級USBケーブルにかえてみたのですが...
なんとなくですが、音がダイナミックになった気がする...これは気のせいじゃないような...
正直ケーブルで音が変わるなんてことないと思っていたのですが、明らかにプリンタ用ケーブルとは違うんですね。ただ高級USBケーブルをとっかえてもそこまで違いを感じられれなかったのは私が鈍感なのとミニコンポ用のスピーカーのせいかと。
音の方はもうね、もうね、申し分なくて、悲しくなってしまうくらい。ああ、もっといいスピーカーが欲しい、欲しい、欲しい!
そしてもっといい音源が欲しい、欲しい、欲しい!
プリメインアンプというのは音の入り口であるソースと音の出口であるスピーカーのちょうど中間的な存在。音の入り口と出口の間のアンプがよくなければ音の劣化や変化がここで起きてしまうわけですが、うちのこの程度の構成がアンプに対し明らかに役不足で悲しくなっちゃったというわけです。
アンプに余裕があるから音量あげていくとどんどんスピーカーの足りないところが分かってきちゃうし、そしてソースの足りない部分も見えてきちゃうという話です。MP3やAACで圧縮音源とか、もうもったいない、ロスレス音源がききたい、いやいっそCDそのままの音が聴きたい! という欲が出てきます。
ということで nanocompoの第二弾はCDプレイヤーなのですね。
[Olasonic NANO-UA1:NANOCOMPO(ナノコンポ):Olasonic]
うおおお、これはかっこいい!
とかく最近は音楽を「ながら」音楽として聞き流す傾向がつよく、それがライフスタイルの中に音楽が溶け込んだ理由ですが、こういった音のよいオーディオシステムを使ってみて改めて思うのは、音楽って「音を楽しむ」ことなんだなということ。
つまり同じソースであってもオーディオシステムの構成次第で音の出方、聞こえ方に変化があり、アーティストが作った「音」がそのままの勢いで飛び出てくるんです。だから「音楽を聴く」というよりも、もっと純粋に「音」を「楽しむ」ことができます。
意外にも音楽は最新のCDの方が音が楽しいかというとあまり関係なく、80年代のCD草創期の音楽が、それも私のきくようなアイドルの曲がこれまたイイんですよ。音に広がりがあって、それは生演奏であったり、スタジオの空気感というか、昨今の打ち込み音楽とは異なる広がり感が感じ取れるんですね。普段そういうのはヘッドフォンでしかなかなか味わえないのですけど、これだけ懐の深いアンプだと音の出口のスピーカーと音のソースをCDにするだけで、きっと録音したその時代、そのスタジオにダイブできるんじゃないかという期待感でワクテカできます。
圧縮音源が幅をきかしていて、未だに音のソースとして最高クオリティを保っているCD。そのCDをアップコンバートして接続できるナノコンポ。小さいけど音はいい、というのは、あのソニーPIXYに通じるものがあります。
[Sony Japan | Sony Design|History|1980s]
当時のキャッチコピーは
「人はピクシーのサイズがあれば生きていける」
でした。当時ソニーの五反田寮がちょうどピクシーにピッタリの4畳しかなく、オーディオ好きの社員でもフルサイズオーディオはとてもじゃないけど置けなかったという逸話もありました。
さすがにこのナノコンポのサイズでは生きていけません、しかしオーディオに割けるスペースがない昨今の住宅事情を考えると、隙間に埋没可能なナノコンポはまさに隙間産業。あなたの生活空間にそっと忍び込みますよ...
そして誰もいない休みの日の昼間、ボリュームつまみを右にくるっと回して豊かな音を楽しむ、なんてことができるに違いありません。音もよいし、インテリアとしてもすっきりしたデザイン、ああ、いいなあ。音のある生活、ナノコンポのある生活。
やっぱりサイズは大事ですね。
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